蝉時雨が一段落して、草叢の気配が濃くなってきている。
コオロギが鳴き始めた草叢。
主役の交代の時が近い。
だがしかし、昨日の暑さは異常だ。
完全交代までは、もう少しだ。

「木石や蝉の命を抱えたり」

ミンミンと鳴いている。
ミンミン蝉だ。

「空蝉や色香の名残惜しみなく」

空蝉が多く見られるのである。
この夏は空蝉を良く詠った。
源氏物語に思いを馳せながら。

「邯鄲や紡ぐ夜毎の淡き夢」

邯鄲の棲家である。
日が暮れて、鳴き始めるのだけれど耳を澄ませて聴いて欲しい。
甘やかな、良く転がる声で鳴いている。
コロラチューラ・ソプラノのような良く転がる声である。
思わず、胸がツーンとするような声である。
荒 野人
コオロギが鳴き始めた草叢。
主役の交代の時が近い。
だがしかし、昨日の暑さは異常だ。
完全交代までは、もう少しだ。

「木石や蝉の命を抱えたり」

ミンミンと鳴いている。
ミンミン蝉だ。

「空蝉や色香の名残惜しみなく」

空蝉が多く見られるのである。
この夏は空蝉を良く詠った。
源氏物語に思いを馳せながら。

「邯鄲や紡ぐ夜毎の淡き夢」

邯鄲の棲家である。
日が暮れて、鳴き始めるのだけれど耳を澄ませて聴いて欲しい。
甘やかな、良く転がる声で鳴いている。
コロラチューラ・ソプラノのような良く転がる声である。
思わず、胸がツーンとするような声である。
荒 野人