エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

立原道造という詩人

2012年09月17日 | ポエム
立原の詩碑が軽井沢高原文庫の敷地内に、ひっそりと佇んでいる。

立原 道造、1914年(大正3年)7月30日 - 1939年(昭和14年)3月29日)は、昭和初期に活動し24歳で急逝した詩人であり、ぼくの好きな詩人の一人である。



その詩人の詩碑に出会えた。
嬉しくて仕方が無いのである。

ご存知の方は少ないだろうけれど、美しい詩を書いた。

詩集「優しき歌 II」より一篇の詩を紹介しよう。

 VI 朝に

  おまへの心が 明るい花の
  ひとむれのやうに いつも
  眼ざめた僕の心に はなしかける
  《ひとときの朝の この澄んだ空 青い空

  傷ついた 僕の心から
  棘を抜いてくれたのは おまへの心の
  あどけない ほほゑみだ そして
  他愛もない おまへの心の おしやべりだ

  ああ 風が吹いてゐる 涼しい風だ
  草や 木の葉や せせらぎが
  こたへるやうに ざわめいてゐる

  あたらしく すべては 生れた!
  霧がこぼれて かわいて行くときに
  小鳥が 蝶が 昼に高く舞ひあがる


ああ、立原道造君よ。
ぼくもこうした朝を迎えたいものだ。
そして、この詩が描いた「おまへの心」を我がものにしたい。







「軽やかな深い森から初嵐」





思いがけず、径を流れるように風が吹いた。
その風は、靭く吹ききった。


    荒 野人


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