
前々から打ち合わせしてたとおり、N山さんと山へ入った。
釣り人も多いだろうから、いつものポイントを先に押さえようと4時出発。
雨上がりの山の空気はほの温く、意外と寒くはない。
車道から降りるガケから滑り落ち、ちょっと腰が痛い。
それでも懐中電灯片手に沢を渡り、伐採木を乗り越え目的のポイントへ。
星明りでも全く見えない深い淵がその先にあった。

『まだ魚寝とるよ』
「結構暗くても食いますよ」
・・・しかし、どこに落としたかもさっぱり見えない状態では魚釣りにはならないだろう。
『おりゃ、寝るよ』
4時半、濡れた草むらに座り込み携帯電話を取り出す。
ワンセグは映らない。
仕方ないので、ファミコンのエミュでマージャン2荘・・・
さすがにN山さんも仮眠モード。
『寒くなってきた・・・』
動かないとさすがに寒い。5時・・・
寒いので立ち上がり体を動かすが、丸まって座っているほうがまだマシのようだ。

5時半・・・気のせいか少し空が明るくなったような気がする。
淵はまだ何も見えない暗黒の口を開けている。

寒さに我慢できず竿を出せば、まだ暗くてよく見えないのに魚がかかる。
N山さんが餌を付けてくれるが、入れたら釣れるのでN山さんは餌係状態。
「殿様の釣りみたいですねぇ」
『すまんねぇ、魚はずして餌付けてもらって』
その後、川を遡上したが体が冷え切っていて私は釣る気が失せてしまっていた。

小さいので、塩焼きでも頭から全部食べられる。
両方の実家にも配ったが、大好評だった。