「主は私の力、また、ほめ歌。主は私の救いとなられた。この方こそ、私の神。私はこの方をほめたたえる。私の父の神。この方を私はあがめる。」(出エジプト記15:2新改訳)
モーセとイスラエル人は紅海のほとりで、海にのまれて滅んだエジプト人たちを見ながら神をほめたたえた。続いてミリアムに率いられた女性たちも、歌と踊りで主を賛美した。彼らの喜びはさぞ大きかったにちがいない。あれほど執念(しゅうねん)深くイスラエルをねらったエジプト軍が壊滅(かいめつ)したのだから。▼やがて来る艱難時代、そこでも「モーセの歌」が歌われる。反キリストに抵抗し、殉教した人々が天にある「ガラスの海」のほとりで、モーセの歌と子羊の歌を歌う(黙示15:3,4)。どちらも神の偉大さとさばきの正しさ歌っている点が興味深い。▼キリスト者は救われた喜びを、いつまでも忘れてはならない。私たちはその意味で一生涯、紅海の海辺に立っているようなものである。遠く対岸に見えるこの世、そこには決して戻れないよう満々たる紅海が横たわっている。「しかし私には、私たちの主イエス・キリストの十字架以外に誇りとするものが、決してあってはなりません。この十字架につけられて、世は私に対して死に、私も世に対して死にました。」(ガラテヤ6:14同)