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シンシア カドハタ 著 : きらきら
を、読みました。
図書館の西側、滅多にうろつかない海外作品の書棚に
とてもかわいい表紙の本があって、気になったので
借りてみました。
草原に二人の姉妹が、楽しそうに笑っている幸せそうな写真。
まさにこの本は、表紙借り(表紙が気になって図書館で借りる事)。
さて、物語は表紙の姉妹がそのまま物語に登場しているような
仲良し姉妹の物語です。
少し前のアメリカが舞台で、貧困と差別の中でも
決して品格を損なうことなく生きようとする日系人の
一家の様子を、次女ケイティーが回想しながら進みます。
妹のケイティーは、姉のリンを天才だと信じています。
天才のリンは、毎日の生活の中にある美しいものを
教えてくれるからです。
二人は美しい光景や、瞬間を日本語で
「きらきら」と呼んでいます。
虹や、夕焼けや、青空や、雲、風、雨・・・。二人にとっては
全て「きらきら」なのです。
そして、きっと海も「きらきら」なはず・・・。まだ海を見たことが無い
二人は、将来大学に進学して、お金持ちになって
両親に7つの家をプレゼントして、海のそばに住むと信じていました。
二人してきらきらのそばに住むのです。
そんないたいけな、可愛らしい姉妹と家族に沢山の困難や
試練が容赦なく襲い掛かります。
この島国で、私が感じる事がないマイノリティーという感覚。
恐ろしいまでの搾取の現実。
忍び寄る病魔・・・・。
同じ日本人でありながら、一度しか来日経験がない
日系3世の作者が書いた、アメリカの日本人の物語。
私も毎日「きらきら」集めしてるんだよ。と
物語の中の、小さな女の子に話しかけたくなる作品でした。