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熱帯魚 (文春文庫) 吉田 修一 文藝春秋 このアイテムの詳細を見る |
天気 午後に一瞬強い雨
吉田修一 著 : 熱帯魚
を、読みました。
全3作の短編集。
表題作は、大工の大輔は気のいい男で、子連れの美女
真実と同棲し、異父兄弟の引きこもりの弟光男も含めて
奇妙な共同生活をしています。
ボーナスはたいて、彼女+子ども+弟+お世話になってる大家さん
まで含めて、皆で南の島に旅行に行こうなんて言い出すお人好し
その反面、中学生の女の子に手を出してみたり・・・・。
職人気質なんだけど、皆にやさしくだらしない大輔。
・・・・でもね、優しさにもいろんなタイプがあるんだな。
元気な人と、弱っている人に向ける優しさは、同じではいけないかも。
一本気な大輔には、そんなタイプ別の各種優しさがあるなんて
考えて見たことがないのです。
こんな、一本気な主人公にかなり自分をダブらせてしまいました。
もっと敏感な感性を養わねばと。
その他の短編も、一応に自分の感覚を疑わず
自分の敏感さが、感覚の基準と思っている男が登場し
自分の持つ鈍感な面や、酷さなど全く感じないところが
これまた自分を照らしているようで
そういう部分に恐ろしさを感じだ作品でした。