あるキング | |
伊坂 幸太郎 | |
徳間書店 |
伊坂幸太郎 著 : あるキング
を、読みました。
東北の仙醍を本拠地とする仙醍キングスは、セ・リーグの中でも
万年最下位の超弱小チーム。
しかし、そのチームを心から愛し、人生をかけて応援している
ある夫婦から、一人の男の子が生まれました。
男の子の名前は“王求”。
王が求める。王に求める。王になる人との願いが込められた
元気な男の子は、わずか3歳にして野球の確かな才能を
表し始め、小学生の時にはプロ野球最強の東卿ジャイアンツの
投手の全力の球を、いとも簡単にホームランにしてしまうほどの、
実力をつけていた。
しかし、その後彼の人生には、暗雲が立ち込め
安易な野球人生を歩むことはできず、苦難の道を歩むことに。
果たして、これは王に求められる試練なのか??
あり得ないってくらいの天才野球少年で、
天才の親もこれまた、あり得ないくらい息子の成功を信じています。
母親は、「王求はプロ野球選手になるの?」と、息子の友人に質問された際、
こう答えます。
「ひまわりの種に、ひまわりが咲くの?って聞く??
ひまわりの種は、ひまわりになりたいんじゃなくて、ひまわりになってしまうの。
王求もプロ野球選手になりたいんじゃなくて、プロ野球選手になってしまうのよ。」
天才を育てる親って、これほど強い思い込みなんかも
かなり必要な要素になって来るのかもしれません。
そんな風に、わが子を見ることができること自体、
その親は天才なのかもしれません。
親バカに見えるかもしれませんが、馬鹿天才は紙一重という言葉もありますからね。