幸福な遊戯 (角川文庫) | |
角田 光代 | |
角川書店 |
角田光代 著 : 幸福な遊戯
を、読みました。
私と立人とハルオは、一軒家で共同生活を始める。
主人公私と立人は大学の友人で、ハルオは立人の友人だった。
3人の暮らしは、いつしか家族のような温かさを持ち、
一緒に夕飯を食べ、テレビを見て、酒を飲み、笑いあう。
そんな、普通の安らぎを初めて知った主人公は、
その安らぎを永遠に手放したくないと強く思う。
しかし、フリーターだったハルオが遊び半分で手に入れた
高級カメラの登場から、彼らの世界は色を変え始め・・・。
角田光代の記念碑的デビュー作。
私は自分の育った家庭に、あまり執着がなく、
幼かったころや、生まれ育った家に
帰りたいと思ったことがありません。
主人公も私と同じで、育った家庭を宝物と思う心はありません。
しかし、主人公は奇妙な3人の暮らしを始め、それを家庭のように思ったように、
私も結婚をして、出会えた家族がかけがえのない宝物になりました。
本当にいとおしく、暑くても寒くても、悲しいことがあっても、嫌なことがあっても、
家に帰れば大丈夫。そんな風に思える場所があるのは、
人間にとって、とても大切な事なのでしょう。
しかし、私はこの家庭がいつの日か形を変えてゆくことを、覚悟しているし、
もしかすると失う事さえあるかもしれないとも思います。
家族はとてもありがたい存在だけど、大切に思うあまり
依存してしまっている、女性って多いかも。
子どもはいつか巣立つし、私はどんどん歳をとる。
そんな現実をきちんと受け止めて、私はただただ家族に感謝して、
精神的な自立を、目指してゆかねばならないなと思いました。