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下流の宴 |
林 真理子 | |
毎日新聞社 |
天気 お日様は出てるけど寒っ
林真理子 著 : 下流の宴
を、読みました。
東京の郊外の住宅地に住む、主婦由美子を支える誇りは、
地方の医者の娘だったという事。
とはいえ、幼い頃父を亡くした由美子は、
母娘3人で小さな集合住宅に移り住み成長しました。
地元国立大学を卒業し、東京で就職した一流企業で、出会った男と結婚し
一男一女の子どもを設け、平凡だが知性あふれる(と思っていた)家庭を
営んできた。・・・・・のに!
手塩にかけて育てた一人息子は、高校を中退し二十歳になってもフリーター。
向上心が完全に欠落していて、一生アルバイトでいいと言ってのける程。
しかし、その不安定な生活など全く気にせず、結婚をしたいと言い出した。
息子が連れてきた女は、母の予想以上に自分たちの生活とは縁のない
下流の人間だった。
なんというか、とてもいろいろと考えさせられる本でした。
日本人の多くがかつて抱いていた“中流意識”みたいなものを
言葉にすると、こういう事になるんでしょうか?
ある程度名の通った会社に勤め、大金持ちではないけれど、決して貧しくもない。
自分の同程度、あるいはそれ以上の学歴を子どもにもと強く望み
子どもの教育にすべてを捧げる。
子どもの将来を案じて、教育熱心になるのは、まあアリなのかもしれませんが、
自分の人生も含めて、大雑把な3段階(上流・中流・下流)に
分けてしまうのはいかがなものかと思いました。
しかも、自分のクラス(あくまで本人の意識)以下の人に対する
激しい蔑視って、どこからこんなパワーが??と不思議になりました。
私も主人公のように頭の固いババアにならないように、
「気をつけよ~っ!」思う心のどこかで、
「下流で悪かったねっ」と、悪態をついたベリーでした(笑)