カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

わたしのお庭、4月前半、オリエンタリス交雑種

2023年04月19日 08時00分00秒 | キンポウゲ科ヘレボルス
2023.04.14撮影

わたしのバンクーバーのお庭では、4月に花が大量に咲き出します。4月の後半になると、もっと咲きます。そんな4月前半のお花の写真を、今日から数日間、おおくりします。

今日は、ヘレボルス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)を集めてみます。多くの種類が咲いていて、ここに掲載するのは、そのほんのほんの一部です。冒頭の画像には、ざざっと見て、6種類以上写っています。


2023.04.07撮影

このオリエンタリスは、次の記事で紹介した園芸種のオリエンタリス(うちの庭で交雑したものではなく、園芸種として求めてきたもの)です。


この、蜜腺の、形状と色の変わっている個体は、元気で、枝もしっかりしていて、花をよくつけてくれます。画像中、左右の花では、咲いてからの時間が異なります。左の花は、すでにタネをつけようとしています。右のは、咲きたてです。この個体は、庭で、(昆虫を介し)他の個体と仲良しして、交雑に貢献している模様。

2023.04.07撮影

この個体は、庭の個体同士(あるいは、よそ者も来た?)が交雑して、種としてこぼれ、実生として育ち、今年初めて花をつけ、そして、すでにタネをつけようとしているものです。花が小ぶりですが、若いから小ぶりというより、そういう遺伝子を受け継いだものと思われます。

ふたつ前の画像のオリエンタリスの園芸種は、花びら(実は、ガクのようなもの)が盃状に丸まって開いています。でも、オリエンタリスの咲き方には、直前の画像の、この小ぶりの個体のように、ほぼ平たいものもあります。でも、この個体も、若い花のときは、もっと丸まっていたんです。

ヘレボルスの花は、一般的に、花が開いて時間が経つにつれて平たくなっていくものですが、元から平たく咲く種類では、花が古くなるに連れて、やや反れるほどにもなります。

2023.04.07撮影

このオリエンタリスも、去年は、まだ葉っぱだけの、実生2年目くらいでした。この個体が咲くには後2年かかるかな、とその時点では思っていたんですが、今年咲きました。花を支える花茎が、まだちょっと心許ないです。ずっとこのままなのか、将来しっかりとするのかは、今のところ分かりません。

この花は、濃い目のピンクの地に、濃い目の小豆色の斑点が出る、美しい個体です(わたしの撮影能力では、その美しさはうまく出せていない)。これだから、ヘレボルスの自然交雑を続けるのをやめられない・・・

2023.04.07撮影

これは、わたしが、唯一、南側の庭に植えてあるオリエンタリスです。太陽が過度に当たらないような工夫がしてあります。交雑種ではなく園芸種です。この画像は、この個体の個性をよく表す写真ではないのですが、アリさんがとまっているので、お見せしようと思いました。花の特徴のよく出ている画像は、以下でどうぞ。


実を結び、タネができると、アリたちが、タネに付随するエライオソームを求めてこの花に惹かれてやってくるでしょう。この画像の花は、まだ実を結んでいません。真ん中に飛び出した赤っぽいものがメシベです。


 
2023.04.07撮影               2023.04.07撮影

 
2023.04.07撮影               2023.04.07撮影

2段に画像を並べてみました。上の段の、花が顔を見せている方の画像2枚をご覧ください。同じ個体から咲いた花でしょうか、別々の個体でしょうか。これ、毎年、わたしは悩んでいるんです。

足元を見ると、同じ株から出ているようにも見えるし、2株が別々で単に隣接しているだけであるようにも見える。なんと言っても、タネがこぼれて、あるいは、アリさんがタネを捨てて(つまり、わたしがタネをまくわけではない)発芽するので、どこから何が出てくるか、わからないのです。

花びらの斑点の出方は酷似している。でも、左の花びらの方が白っぽく、右の方がやや濃い目のピンク、また、ピンクに加え、薄黄緑の部分が左のよりやや濃い。

花の色や形は開いてから変わるので、花で個体を比べるには、花が開いてからほぼ同じ日数のたった花を比べることになります。蜜腺、オシベ、メシベ、の状態の近いものを比べると、上のようになりました。

そして、最終的には、花を裏側から見て、両者は異なるものである、と今のところは分けてあります。左の方は、斑点が裏から透けて見え、右の方は、花びらの中央にピンクの色が濃い目に出、かつ、筋が浮かんでいます。

明日は、ヘレボルス・ニゲル(Helleborus niger)を交配して作られた園芸種の、その花の姿の変遷をたどります。

明後日からは、青い花。

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ネコさん、アライグマに気づく

2023年04月18日 08時00分00秒 | 動物
2023.04.10撮影

このネコ(Felis catus)さんは、うちの庭に出没するネコさんです。飼われているネコさんなのか、ノラさんなのかは、わかりませんが、カラス(Corvus brachyrhynchos)さんたちにエサをあげると、かっぱらいに来るので、ノラさんかもしれません。

この画像の撮影された4月10日は、子アライグマさんが独立した模様に、わたしが「出くわした」日です。このことについては、昨日と一昨日、書きました。

子アライグマ、独立した模様 ⑴

子アライグマ、独立した模様 ⑵

上の画像は、うちの北側の庭の一部で、写っている階段は、玄関に続きます。1階が地上よりも高いところにあります(カナダでよくある家の建て方です)。その1階の窓から、アライグマさんにお目にかかりました。午後4時20分すぎです。

以下の2枚の画像(アライグマさんにお目にかかった日と同日ではありません)をご覧ください。右から左へ。

2                     1
 
2023.04.14撮影               2023.04.14撮影

右の画像に見える庭の一角(ここは、花がまだほとんど咲いていない)が、わたしが1階の出窓から見ていた景色です。アライグマさんは、石を2つ置いてあるこちら側の、落ち葉を敷き詰めてある上にいました。

アライグマさんは、まず、わたしの存在を認めて、わたしをじとっと見つめた後、落ち葉から石畳へこちら側に向かって出てきて、向きを変え、石畳を向こう側へ伝って、薄黄緑色の花の咲いている植物、ヘレボルス・アルグティフォリウス(Helleborus argutifolius)、のところまで行き、わたしの方へ振り返りました。

ヘレボルス・アルグティフォリウス

そこから、左の画像に拡大されて見える石畳の部分を、向こう側の「サラール」(Gaultheria shallon)のところまで渡りました。画像では判別しにくいかと思いますが、「サラール」は、画像の画面中ではアルグティフォリウスから真上にちょっと離れて写っています。

かわいい、ハートの、シラタマノキ

アライグマさんは、その「サラール」のところでゴソゴソとしておりました。わたしは、ズームをあまりかけたくなかったので、そこで撮影は打ち切りました。

その「サラール」が、冒頭の画像においてネコさんが頭をつっこんでいる植物です。

2023.04.10撮影

わたしは、アライグマさんがいなくなったのを十分に確かめてから、外へ出て、柵の外側部分の庭で主にヘレボルス(Helleborus)とスイセン(Narcissus)の写真を撮っていました。そして、何気なしに門を入ってくると、ネコさんがいらっしゃるじゃあありませんか。それが、午後6時20分すぎ。

普通なら、ネコさん、すぐにわたしに気づくのに、今回は、ちょっと時間がかかりました。没頭していたのね。(はは、「頭」を植物に「没」していた。)

ネコさんが、わたしが見ているのに、はた、と気づいた時に見せた表情が、上の画像です。「サラール」の葉の陰から見ています。ちょっと怒っているような・・・邪魔されたと感じたのかな?

2023.04.10撮影

でも、ああ、例のいつもの人間か、と思ったか、あるいは、よっぽど匂い(臭い?)を確かめたかったか、わたしを無視して、また検分にかかりました。

かわいいですね、白いお手手とおみ足。

2023.04.10撮影

なんか、真剣な顔をしています。

2023.04.10撮影

うわ、くさっ、というところでしょう。目まで寄っているようですよ。

そりゃそうですよ。ほんのちょうど2時間前に、そこにアライグマさんがいたんですよ。まだまだその痕跡は新鮮でしょう。

でもね、あんたさんでしょ、うちの玄関先、ポーチの上、それも、ドアを開けたところにゲロってあったのは。あたしは、あわててドアを閉めたけど。あれ、多分、後始末をつけてくれたのはアライグマさんですよ。その反対は、ちょっと考えられないから。

2023.04.10撮影

確認して、満足ですか。

では、またね。

えと、お願いが。ブルーベリーの枝にすりすりするの、やめてくれる? 大体、なんでブルーベリーを選んですりすりするのよ? 他に植物はいっぱいあるのに。あれ、実を食べようと思って植えてあるんだから、もっと清潔にしておいてよね。

ブルーベリーはクマさんもお好き


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子アライグマ、独立した模様 ⑵

2023年04月17日 08時00分00秒 | アライグマ
2023.04.10撮影

落ち葉の中から出てきて、窓の方へ近づいてきて、石畳の上に立ち上がってしまいました。これはちょっと怖いのよね。でも、届かないから、だいじょうぶ、だいじょうぶ。

ひょっとして、わたしのことを覚えていた? カラスは人を識別するが、それに、イヌやネコは識別するだろうが、アライグマが人間を識別するとは、聞いたことがない。

ところで、この落ち葉、落ちているのではなく、わたしがわたしの労力を使って寄せて、マルチとして使ってあるのです。あ〜〜、あんたか、庭のあちこちでマルチを散乱させているのは。

ごめん、アライグマさんたちは、ナワバリがかぶさっているそうなので、あなたとは限らないよね、あなただけを責めちゃダメね。

2023.04.10撮影

やっぱり、立ったままは、しんどいよね。いいのよ、4本足で立っても。その方が安定していいよね。って、まだ見つめているなあ。


日本のみなさま、アライグマは、このように愛嬌のある顔と姿をしていますが、危険ですので、絶対に近づいたり、触ったりしませんように。

わたしは、これだけ間隔が離れていますからじとっと見ていますけど、目の前で対峙はしたくありませんよ。たまたま外で近くにいると、目を合わさないようにして、そっと離れます。

画像にバッチリと写っている手足の指を見てください。これにネコよりも恐ろしい爪がついているんですよ。口の中にも牙がありますよ。目が悪いので、とにかく手で触ってこようとします。触られて病原菌が移ってくると、とんでもないことになりますよ。


この後、アライグマさんは、画像左手の方へ行きました。ところが、、、

2023.04.10撮影

わたしが「後追い」した形で撮影し、シャッターの音がし続けたので、わたしのいる窓の方へ方向転換して、またわたしを「見つめる」形になってしまいました。シャッターの音が不思議なものだ、と思ったのでしょうか。

でも、この後、反対側に向いて、移動を始めます。

腹の足しにもならない、変な「カチャ、カチャ」音を立てる人間に、つきあっていられないよね。こっちは、ごはん、探さなくちゃいけないんだから。

2023.04.10撮影

画像のずっと左手へ移動すると思って撮影するのをやめたのに、アライグマさんが一旦立ち止まる体勢に入ったので、もう一度シャッターを切りましたが、あわててうまく写せませんでした。

そこに何か食べ物あるか〜?

このシャッター音が聞こえたためでしょうか、アライグマさんが、もう一度こちらを見てくれました。

2023.04.10撮影

これは、もういい加減にしたら? と言っているのでしょうか。昨日の記事の冒頭の画像は、これの切り取りです。

うん、かわいいわあ。ダメダメ、見かけに惑わされては。

2023.04.10撮影

もう一度かわいいポーズを取ってくれました。

最初の窓のほぼ真下での出会いから、ここまで距離が離れ、時間が経つ(1分未満だけど)と、ちょっとリラックスしたかな?


この後、アライグマさんは、画面では上に見える緑の葉っぱのところへ行きました。(数時間後に、この植物のところにネコさんが現れるのですが、その反応がおもしろかった。)

この葉っぱは、シラタマノキの1種で「サラール」というものです。草丈は、30〜40センチほど。バンクーバー近辺の野山にたくさん自生しています。

かわいい、ハートの、シラタマノキ

そして、「サラール」の茂みでゴソゴソしておいてから、左へそれ、そこから、また、別の植物の植ったところへ入っていきました。それが、次の画像。

2023.04.11撮影

あ〜あ、また、堀り、堀り、してくれましたよ。そこには、いっぱい宿根草が植っているんですけどなあ。

2023.04.11撮影

これもやりましたな。球根丸見えじゃないですか。

アライグマさん、立派に成長したアライグマさん、遊びに来てくれるのはいいが、いや、遊びではなく生活しているのだが、それに、まあ、堀り、堀り、は、うっ、まあいいけど、うちはコンポストやマルチや腐葉土を活用して、特に肥料は必要としていないので、あのう・・・手土産(手で持ってくるわけではないが)、置いていってくれなくていいですよ。それ、覚えていてちょうだい。勝手な言い分ではありますが、お願いいたします。


和名 アライグマ(洗熊)
アライグマ科(Procyonidae)アライグマ属(Procyon)
学名 Procyon lotor
英名 Racoon「ラクーン」
原産 北アメリカ(メキシコ、アメリカ合衆国、カナダ南部)


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子アライグマ、独立した模様 ⑴

2023年04月16日 08時00分00秒 | アライグマ
2023.04.10撮影(ズーム)

子アライグマが、独立した模様です。小ぶりな個体なので、前からの成獣ではないと思います。

ヘレボルス・アルグティフォリウス(Helleborus argutifolius)の横にすくっと立った姿(上の画像)をご覧ください! ひとりで行動していました。

立派になった姿を見て、地主であるわたしにも、熱いものが込み上げてきました。5、6匹いた子アライグマのうち、少なくともこの子は生き残ったんだわ、と。

自分でエサを探しているんだから、えらい!

ほんの2ヶ月前には、ふたりづれ(兄弟でしょう)のところを目撃しました(次の画像)。もう1匹は、どうしたかな? お母ちゃんとナワバリを共有できなくて、移動した?

緊急報告! アライグマさんたち

2023.02.17撮影(ガラス戸越し、網戸越し、裏口外の光のみでフラッシュなし)

去年(2022年)11月には、子アライグマさんたちは、お母ちゃんに連れられてみんないっしょに移動していました。ゾロゾロと、でも、隊列を離れたり、取っ組み合いをしたり、しながら。

上の画像と下の画像は、ともに、うちの裏口のポーチで、階段が裏庭へと降りていきます。このポーチで、子どもたちはよく遊んでいたようです。今では、さすが成長して、ドアに体当たりのどお〜〜んでわたしの目が覚めることはありませんが。

以下の写真は、11月に書いたアライグマ・シリーズの記事の多くの写真のうちのひとつ。そこには、子どものアライグマが、少なくとも5匹、写っています。

勢ぞろい(2の3)

2022.10.09撮影

数日前、わたしが家の中にいるとき、カラスさんたちが大声で鳴き続けていました。そういうときには、大抵は、地上か空中に何らかの動物、大型の鳥、がいるときです。

ネコさんのときには、最初に仲間に短く警告を発し、樹上で静観のことが多いです。ワシをからかっているときには、辺り一帯のカラスが何十羽も集まってきて、空中で大騒ぎするので、ワシをいじめているのでないのはわかっていました。相手がカモメのときには、相手に譲っておいて、後は無視します。

とすると、ア・ラ・イ・グ・マ。

アライグマは殺傷能力があるので、カラスを含む鳥たちは警戒が必要なんです。(カラスも殺傷能力があるが・・・そのことについては、いつか書きます。)

で、カメラをつかんで、大急ぎで出窓のところまですっ飛んで行きました。窓から外を覗き、あれ? いない、そんなはずじゃ、と思って、視線を窓の向こう側ではなく下の方、つまり、こちら側へ移すと、いた〜〜、アライグマ。

大人でもない、子どもでもない。独り立ちして間もないような青年アライグマさんです。(雌雄の別は分かりません。何と言っても、太いしっぽが垂れているので。)

前置きが長くなりましたが、今日と明日、数日前にうちの庭にいるのをわたしが目撃したアライグマさんの行動1分間(実は、未満)をお届けします。

なお、撮影は、ズームを使って行っておりますので、画質は落ちます。

2023.04.10撮影

わたしが、開けてあった窓からアライグマさんを眺めると、アライグマさんもわたしの気配を感じたのでしょう。すぐに見上げました。うわ、存在感、あるわ。

わたしの方が先にアライグマさんを見つけた形になったので、アライグマさんは、やっぱり、少し、警戒している。

写真は、警戒心を過度に与えないように、と窓から手を突き出さずに撮りましたが、撮影のときのシャッター音が原因でしょう、そうすると、、、

2023.04.10撮影

すぐに体をもたげてきました。あ、しまった、と思ったけれど、後の祭り。心は騒ぎましたが、アライグマさんの手はここまでは届かないから、と自分に言いました。

この後、わたしを無視してどっかへ行ってしまうだろう、と思ったら、そうではなく、、、

明日に続く。


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ヒアシンス、ダッチかローマンか

2023年04月15日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2023.04.03撮影

わたしの住むカナダでも、ヒアシンスと言えば「ダッチ・ヒアシンス」です。「ローマン・ヒアシンス」はほとんど見ないし、手に入れることも難しいです。

「ローマン・ヒアシンス」というものがある、という認識さえも、大方の人は持っていないと思います。ましてや、どんな植物かも知らないと思います。50年〜100年前築の古い家の庭などでヒアシンスみたいなものを偶然見かけて、あれは何? と気づいたりするくらいでしょうか。 

「ローマン・ヒアシンス」のマニアは、「ローマン・ヒアシンス」の植えられている場所を探し出して、分けてもらえないか頼みに行くそうです。(わたしもそうしようと思っています。)

今日は、ヒアシンスのしめくくりとして、画像を見て「ダッチ・ヒアシンス」か「ローマン・ヒアシンス」か考えてみたいと思います。

 
2023.04.03撮影               2023.04.03撮影

 
2023.04.03撮影               2023.04.11撮影

以上は、バンクーバーの住宅地の庭に植えられているのを、撮影したものです。花の形、色、から、「ダッチ・ヒアシンス」と判断していいと思います。園芸種名、不明。

 
'Gypsy Queen'「ジプシー・クイーン」      'City of Haarlem'「ハーレム市」
   


以上は、Wikipediaからです。園芸種名がついています。オレンジ色系、黄色系の色は、本来のヒアシンスにはなく、また、花の形から見ても、これらは「ダッチ・ヒアシンス」でしょう。

 
2023.04.10撮影               2023.04.11撮影

左のは、うちのヒアシンスです。前にも見ていただきました。これは「ダッチ・ヒアシンス」として購入したものなので、どんなにやせ花になっても、「ダッチ・ヒアシンス」でござりまする(園芸種名は控えておきませんでした)。

年月が経ったり、生育条件が良くないと、こうなったりします。花数の少なさだけで「ローマン・ヒアシンス」である、とは言えないのです。

右のは、うちのご近所で見つけたかわいらしいヒアシンス。うちのヒアシンスが「ダッチ・ヒアシンス」なら、これも「ダッチ・ヒアシンス」でしょう。

 
2023.04.03撮影               2023.04.03撮影

この2種類も住宅地からです。左のは「ダッチ・ヒアシンス」でしょう。右はどうでしょうか。「ダッチ・ヒアシンス」がやせているのでしょうか、、それとも、「のど」の細いのが特徴の「ローマン・ヒアシンス」なのでしょうか。この住宅地は、100年来存在する古い街なので、古い「ローマン・ヒアシンス」が生き続けていても変ではありません。


2023.04.03撮影

この薄いピンク色のヒアシンスは、「ローマン・ヒアシンス」の可能性があるかも、と思いました。地上に落ちているよく似た色のものは、ヒアシンスのものではなく、モクレンの花びらの落ちたものです。


2023.04.11撮影

うちのご近所で見たヒアシンスです。花数は少なくても、八重なので、「ダッチ・ヒアシンス」ですよね。

次のWikipediaからのヒアシンスも、八重ですから、「ダッチ・ヒアシンス」です。八重にも、いろいろな形状があるんですね!!

 



次のヒアシンスは、みなさまのご判断に委ねたいと思います。うちのご近所さんが育てているヒアシンスです。

2023.04.11撮影

思っていたよりも、ヒアシンスの記事が回数を重ねてしまいました。ヒアシンス(Hyacinthus)に続いて、ヒアシンスに姿のよく似たヒアシントイデス属(Hyacinthoides)のブルーベルについて書こうと思っていたのですが、1日か2日、別の話題にしようか、と思います。

ここまでヒアシンスにおつきあいくださり、ありがとうございました。

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ローマン・ヒアシンス

2023年04月14日 08時00分00秒 | キジカクシ科
ヒアシンス
撮影者:Bubbah63
撮影日:2014.03.03
オリジナルからの改変、なし

昨日の記事で、ヒアシンスについて、次のことをまとめました。

・原産地は、トルコ、パレスチナ、シリア、レバノン、イラク、である
・ヨーロッパへは、主に、オランダとフランスに入った
・オランダで作り出された園芸種を「ダッチ・ヒアシンス」と呼ぶ
・「ダッチ・ヒアシンス」は多種多様である
・現代において栽培されるヒアシンスは、主に「ダッチ・ヒアシンス」
・フランスに入って伝わってきたものは、「ローマン・ヒアシンス」と呼ぶ


ケンブリッジ大学植物園で栽培されている「野生タイプのヒアシンス」
(Wild-type Hyacinthus orientalis in cultivation)
撮影者:Magnus Manske
撮影日:2009.05.02
オリジナルからの改変、なし

オランダでは、他の球根植物と同様、ヒアシンスも交配がくりかえされ、園芸的に開発されてきました。オランダと言えば、球根の大生産地です。

一方、フランスに入ったヒアシンスは、大きく開発されないままで、今日に至り、フランスの家庭の庭に植わっていたり、野山に野生化したり、しています

ケンブリッジ大学植物園で栽培されている「普通のヒアシンス」
Hyacinthus orientalis 'Common hyacinth')
撮影者:Magnus Manske
撮影日:2010.03.21
オリジナルからの改変、なし

では、「ローマン・ヒアシンス」には、どんな特徴があるのか。

・花数が少ない(花茎にばらばらに咲く)
・繊細でほっそりした感じの花
・最も多い色は濃い青紫、次に磁器のような薄青、次に真っ白、そして、ピンク
・「のど」にあたるところが細めで長め
・花茎が花の重みで倒れることはまずない
・ひとつの球根から複数の花茎が出得る
・球根は、長く生き、増え続ける(野生化する)

これに対し、「ダッチ・ヒアシンス」は、

・花数が多い(花茎にびっしりとつく)
・艶やかな花
・多種の色(昨日のチャートをご覧ください)
・「のど」にあたるところは、「ローマン・ヒアシンス」ほど細くない
・花茎が花の重みで倒れることが、かなりある
・ひとつの球根から1本の花茎
・長く植わっている球根は、花の勢いが弱まってくることがある

以上は、多くのサイトを参照し、見比べた結果です。

トルコのある村に生えている「普通のヒアシンス」
Hyacinthus orientalis 'Common hyacinth')
撮影者:Zeynel Cebeci
撮影日:2020.03.07
オリジナルからの改変、なし

「ローマン・ヒアシンス」も「ダッチ・ヒアシンス」も、「東洋のヒアシンス」Hyacinthus orientalis であることには変わりはありません。違いは、原種からどれほど変形されているか、です。そして、「ダッチ・ヒアシンス」は園芸化が進み、「ローマン・ヒアシンス」はそうではなく、原形に近いまま残った。

この2種のヒアシンスに関して、学名の情報があまりにも交錯しているんです。特定するのが難しかったのですが、以下のあたりで妥当なようです。

ローマン・ヒアシンス
Hyacinthus orientalis var. provincialis「田舎のヒアシンス」

ダッチ・ヒアシンス
Hyacinthus orientalis var. orientalis「東洋のヒアシンス」
別名、Hyacinthus orientalis var. albulus「白いヒアシンス」(なぜ、「白い」?)

トルコのある村に生えている「普通のヒアシンス」
Hyacinthus orientalis 'Common hyacinth')
撮影者:Zeynel Cebeci
撮影日:2020.03.07
オリジナルからの改変、なし

上の画像では花茎が同じ根本から2本出てきているようです。それなら、「ローマン・ヒアシンス」でしょう。

今日の画像は、みんな、「ローマン・ヒアシンス」だと思われるものを掲載しています。でも、わたし個人の判断ですので、間違っているかもしれません。

明日は、各種のヒアシンスをお見せして、ヒアシンスの話しは、それで一旦置きます。

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ヒアシンス、オランダとフランス

2023年04月13日 08時00分00秒 | キジカクシ科
イギリスの庭園に植えられているヒアシンス
撮影者:The wub
撮影日:2012.04.14
オリジナルからの改変、なし

昨日の記事では、うちのやせっぽちヒアシンスをお見せするとともに、ヒアシンスが、学名で、Hyacinthus orientalis「東洋のヒアシンス」と呼ばれることをご紹介しました。


ヒアシンスの原産地は、トルコ、パレスチナ、シリア、レバノン、イラク。その「東の地」から、まず、ヨーロッパに持ち込まれました。

ヨーロッパでヒアシンスの栽培が進んだのは、主に2地域において。ひとつは、現代でも球根の大生産地であるオランダ、もうひとつはフランス。

「オランダのヒアシンス」というのは、英語で Dutch hyacinth と言います。この表現から、日本語でも、オランダの園芸種は「ダッチ・ヒアシンス」とも呼ばれます。

一方、フランスの園芸種は、英語で Roman hyacinth と呼ばれ、これを日本語でカタカナにしたのが「ローマン・ヒアシンス」です。

Roman というのは、「(ローマ帝国の首都)ローマの」あるいは「ローマ帝国の」という意味ですが、広義には「ラテン世界の」であり、イタリア、スペイン、ポルトガル、そして、フランスなどの地域、人々、言語、文化、物品、などを指し、また、形容します。


ヒアシンスの園芸種
撮影者:QuazDelaCruz
 撮影日:2013.07.29
オリジナルからの改変、なし

現代において、わたしたちが庭や室内で育てているヒアシンスのほとんどは、「ダッチ・ヒアシンス」の、各種、園芸種です。

「ダッチ・ヒアシンス」の特徴は、その華やかさ、艶やかさ、です。

・花穂が大きい
・花数が多くつく
・色の種類が豊富(赤、ピンク、オレンジ、黄色、白、青、紫、赤紫、黒、など)
・花の大きさ、形に変化がある、八重もある

直前のチャート形式の画像は、そのような園芸種の花の数々です。

冒頭の画像の「ダッチ・ヒアシンス」も、花穂に花が整然と密集してついて、「見事」ですよね。

でも、このように花数多く毎年咲かせるのは、そう容易ではありません。冒頭の画像のヒアシンスは、毎年植え替えられている、つまり、前年に植えられたものである、と思います。庭園を「見せる」ものとして維持するには、球根も、毎年、掘り上げて廃棄し、新しく植えつけるのです。

白と紫のヒアシンス園芸種
撮影者:ElenaSchifirnet
撮影日:2008.04.19
オリジナルからの改変、なし

上の画像のヒアシンスは、その咲き方から見て、前年に植えられたのではなく、数年間、植えられたままで維持されている個体群だと思います。花が、整然としていないし、密集もしていません。代わりに、美しい自然な「乱れ」があります。

でも、うちのヒアシンス(下の画像)と比べると、まるまるしているなあ。

2023.04.10撮影

うちのは、これでも、(何度も繰り返して恐縮ですが)周りの大木の枝を取り払うことにより、回復してきたんです。

しかし、本来多年草である球根植物でも、原種系のは、生育条件が合えば地植えで増えていっても、園芸種は、その種類によっては消え込んでいったり、先祖返りします。チューリップでも、スイセンでも、ヒアシンスでも。

「ダッチ・ヒアシンス」の各種の園芸種が、年数が経ち、小ぶりに、また、スマートになっていくのは、仕方のないことだと思います。

今日の記事は、主に「ダッチ・ヒアシンス」についてになってしまいました。明日は、「ローマン・ヒアシンス」。

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ヒアシンス、東洋の

2023年04月12日 09時00分00秒 | キジカクシ科
2021.04.12撮影

一般に「ヒアシンス」と呼ばれている植物は、ヒアシンス属(Hyacinthus)の植物です。

学名 Hyacinthus orientalis
英名 Hyacinth(「ハイアシンス」のように発音)
和名 ヒヤシンス
別表記 ヒアシンス(わたしの個人的な好みで、こちらの名称を使います)
キジカクシ科(Asparagaceae)ヒアシンス属(Hyacinthus

昔、昔、ギリシャ神話の時代に Hyakinthos と呼ばれた美少年がいました。この名は、古ギリシャ語で「ヒュアキントス」のように発音します。この少年は、ギリシャ神話の主神であるゼウスの息子アポローンに愛されました(この「愛された」というのがどういう意味なのかは、知らない)。そして、円盤投げして遊んでいる時に、事故死し、その事故によって流した血から花が咲き、その花が「ヒュアキントス」と呼ばれるようになりました。

この「ヒュアキントス」と呼ばれた花が、一体どの花のことであったかは、はっきりとはわかっていないのですが、現在では、この語が、いわゆるヒアシンスを指す言葉となっています。

2023.04.05撮影(真上から)

ヒアシンス属(Hyacinthus)には、1種しか認めない場合と、3種認める場合があります。1種しか認めない場合には、他の2種は、Hyacinthella という属に入れます。

植物の分類で、属(ぞく)の上に科(か)があるのですが、その中間の位置に、つまり、科の下に亜科(あか)を設けることがあります。

キジカクシ科(Asparagaceae)の場合には、亜科が7つ、その亜科のひとつがツルボ亜科(Scilloideae)です。

亜科の下には、属が含まれ、属が種に分かれます。

2023.03.30撮影(斜め上から)

ツルボ亜科(Scilloideae)には、多くの属が属しますが、そのうちから、Hyacinth- と名づけられた属を抜き出してみます。属名の読み方は、日本語で書かれた各種サイトからの情報に従いました。

Hyacinthus(ヒアシンス属)
例:ヒアシンス、のみ

Hyacynthella(ヒアキンテラ属)
例:旧ヒアシンス属から分離、2種のみ

Hyacinthoides(ヒアキントイデス属)
例:イングリッシュ・ブルーベル、など

これらに加え、シラー属もツルボ亜科の属です。形態的に、ヒアシンス属等の花々に大変よく似ています。例えば、次の画像は、ヒアシンスのツボミですけど、シラー属のツボミにそっくりです。

Scilla(シラー属)
例:プシュキニア、チオノドクサ、シベリカ、ビフォリア、など

シラー属については、2月20日〜2月23日に書きましたので、よろしかったら、覗いてみてください。

2023.03.28撮影

ヒアシンス属(Hyacinthus)は、1種のみからなるとしても、3種からなるとしても、ヒアシンス自体の学名は、Hyacinthus orientalis です。

ヒアシンス(Hyacinthus orientalis)の原産地は、トルコ、パレスチナ、シリア、レバノン、イラク、であり、それらの地は、ヨーロッパから見て「東洋 orientalis」に当たります。

この、東洋が出の花が、ヨーロッパで、そして、のちには地球上の多くの地域で愛でられるようになった道筋を、明日、オランダとフランスのふたつの道筋で、簡単にですが、見てみようと思います。

2021.03.30撮影

今日掲載している画像は、すべて、うちのヒアシンスです。え? なんでこんなにやせっぽちなの? そもそも花がない!

すみません、うちの庭では多くの植物が成長した樹木の陰となり、そのため、いくつも植物を失ったり弱らせたりしてしまったのです。ヒアシンスも例外ではない。でも、球根が、園芸種であるために、自然に衰えただけかもしれません。

最初の画像と最後の画像は、2年前の写真です。その2枚の間の画像は、今年の写真で、時間的には、下から上へ行きます。どうか時期的な変遷をたどってみてください。

今年のヒアシンスは、木々の剪定の効果がよく出たのか、ちょっと太っていて、良かったと思いました。

明日は、オランダ系のヒアシンスと、フランス系のヒアシンスについて。

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ムスカリ、いろいろ

2023年04月11日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2023.04.06撮影(Muscari latifolium ‘Grape Ice’)

これは、「幅広の葉のムスカリ」の園芸種で ‘Grape Ice’「グレープ・アイス」というものです。「アイス」というのは、上部の花の白さに言及しているものと思われます。

この園芸種は、わたしは去年の秋に庭に導入したばかりなので、これからどのように花開していってくれるか、わかりません。今のところ、花の色が3段になっていますが、最終的には、2段になるようです。

以下のサイトで、大きい画像の下に小さい画像が並んでいます。それを順番にクリックしてくだされば、花の変遷がわかります。


もうひとつ、2色に分かれるムスカリをご紹介します。これは、珍しく花が黄色いです。うちに前はあったのですが、この種はなくしてしまいました。また手に入れたいと思っています。

Muscari macrocarpum
撮影者:Agnieszka Kwiecień, Nova
撮影日:2019.04.14
オリジナルからの改変、なし

この黄色と紫っぽい色のムスカリは、Muscari macrocarpum「大きい果実のムスカリ」です。でも、ここで言う「大きい果実」というのは、このムスカリの球根(実際に大きい)に言及しているようです。

「大きい果実のムスカリ」の花は、「アルメニアのムスカリ」などのように、ふくらんでいません。花の形としては地味なのですが、変わった色の組み合わせが見る目を楽しませてくれます。

花はバナナのような匂いがするそうですが、わたしは気づきませんでした。

2022.09.29撮影(Muscari

上の画像は、去年の9月末のものです。9月にムスカリの芽が出て、葉っぱが伸びてきた時には、心配しました。なぜなら、バンクーバーは全体的に見て「暖かい」あるいは「寒くない」とは言っても、一冬に数回は雪が積もるし、積もると数日間積もっていることがあるし、マイナス7度〜10度とかいうこともあります。

そんな日が続くと、こんなに早々と出てきた球根植物の葉っぱはどうなるのか?? 雪が降るたびにサザンカのツボミをなくしているわたしは、本当にヒヤヒヤしていました。

でも、なんのその、元気にツボミが出ていました。わたしが帰国して、家を留守にしている間に。

2023.04.03撮影(Muscari armeniacum

これは、ご近所のムスカリなんですが、ムスカリ(上のは、「アルメニアのムスカリ」)がこんなに密集して花を咲かせていれば、見事ですね。わたしもそれを目指しています。

もう1枚画像をお見せしたいですが、それには、小さい軟体の生物ちゃんが写っています。実家の庭の、ムスカリの花を登っていくところを撮影しました。今日の記事の最後に載せますので、苦手な方は、最後を見るのをどうか端折ってください。

その「問題」画像掲載の前に、「あなたの庭にお勧めのムスカリ9選」という記事をご紹介します。英文ですが、画像が美しいので、よろしければどうぞ。


そのリストには、次のものが挙がっています。

M. というのは、Muscari の省略です。学名を記す時には、属名はこのようによく省略されます。

これらはみんな以前は Muscari に分類され、また、一般には「ムスカリ」と認識されているのですが、すでに、別の属に再分類されたものがあります。それを示しておきます。

どんどん学名が再編成されていくので、素人はつらいです。

1. M. armeniacum
2. M. aucheri
3. M. azureum … Pseudomuscari azureum
4. M. botryoides
5. M. comosum … Leopoldia comosa
6. M. latifolium
7. M. macrocarpum
8. M. plumosum … Leopoldia plumosum
9. M. paradoxum … Bellevallia paradoxa

では、ムスカリの花穂をよじ登る、かわいい模様と「ツノ」まで写っている軟体ちゃんをどうぞ。

2023.03.23撮影(Muscari armeniacum)

食「害」があるのはわかっているんですが、わたし自身は、花を愛でるこちらの都合と、生活しているあちらの都合を両立させたいと思っています。


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ムスカリの青

2023年04月10日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2022.04.11撮影(Muscari armeniacum

和名 ムスカリ(学名から)
キジカクシ科(Asparagaceae)ムスカリ属(Muscari
英名 Grape hyacinth「グレープ・ヒアシンス」(ブドウのようなヒアシンス)

英名の「ブドウのようなヒアシンス」という名前は、花房の形から、妙を得ている、と思います。ブドウの房がひっくり返った形ですけど。

学名の Muscari というのは、ギリシャ語の muschos という語から来ています。そのギリシャ語の語は、英語の musk に当たり、それは、日本語では「麝香(じゃこう)」。ジャコウジカから「採れる」香料ですが、そのことについては、以下の記事をご参照ください。

麝香

花のムスカリが、この香料の麝香の匂いがする、ということなのですが、みなさんは、いかがでしょう。ムスカリって匂いますか?? 草丈の低い植物なので、匂うには、よほどかがみ込むか、あるいは、切り花にしないといけないか、と思いますけど。

2023.04.03撮影(Muscari armeniacum

ムスカリの原産地は、
・ヨーロッパ(北ヨーロッパと東ヨーロッパを除く)
・北アフリカ
・アジア(北アジアと東アジアを除く)
という広い地域ですが、

現在は、その上、
・北ヨーロッパ
・アメリカ合衆国
でも野生化しています。

日本では、庭植えの春咲き球根としておなじみだと思います。3月に帰国していた時、実家の庭でも、よそのおうちのお庭でも見ることができました。

2022.04.03撮影(Muscari armeniacum

ここまでのムスカリの画像はみんな、Muscari armeniacum「アルメニアのムスカリ」です。原産地がアルメニアを含む地域であるので、「アルメニアの」という種小名がついています。

ムスカリ属の花は、この種に限らず、花びら(正確には、花弁ともガクとも区別できない「花被片」)6枚が融合し、開花すると、開口部をおちょぼ口のようにとがらせて開けます。そして、その口の部分が、花の他の部分とは異なる色であることがあります。例えば、直前の画像の場合は、青地に、白。

ムスカリの花の色は、一般的に、薄い水色〜濃い青。これらの色のは普通に見かけますよね? でも、ほとんど黒に近いのとか、また、先天的に色素の欠ける白っぽいのとか、もあるそうです。

「アルメニアのムスカリ」の原種の花の色は、紫か青ですが、園芸種には、白の(冒頭の画像の背景、中ごろ)とピンクの(うちにはありません)もあります。

2022.04.11撮影(Muscari latifolium

ムスカリは、種によっては、上部の花と下部の花とが異なる色と形であるものがあります。その例は、上の画像の Muscari latifolium「幅広の葉のムスカリ」です。名称通り、本当に葉が幅広なのか。次の画像をご覧ください。

2022.03.24撮影(Muscari latifolium

まだツボミの時の画像です。2枚見える葉は、確かに幅広ですね。これを、「アルメニアのムスカリ」だけがしっかりと写っている2番めの画像とお比べください。葉の幅の違いがわかります。

念のために、花茎がまだ低い時の画像も。

2022.03.24撮影(Muscari latifolium)

「幅広の葉のムスカリ」のように、花茎の上下で色と形の異なる花を持つムスカリは、タネを生成するのは、下部の花だけだそうです。

ムスカリ、明日に続きます。

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