マシュマロ’sエンディングノート

~At the end of a marshmallow-like life~

意識を失ったときはこうなるという話

2021-02-12 | 老後
本日は、月に1度の母の診察日でしたが、診察中に母の具合が少し悪くなりました。
その様子を見ながら、ふと思い出したことがあったので、綴ります。

いつもの母
母は、どちらかというと外面がいいので、病院へ着くと急に元気になります。
まあ、元気と言っても持病の薬を処方してもらうために行っているので、健康というわけではないですが、家の中で少し調子が悪くても、病院の医師と話すときは「何も問題ないですよ」と言わんばかりに、明るく話をしだします(笑)
しかし、一歩病院から出ると病院内で頑張った分、帰宅するとダウンします(苦笑)

そんな母ですが、今回は少し様子が違いました。

病院で具合が悪くなる
いつもどおり、問診(調子はどう?と聞かれるだけです)と血圧の測定をしてもらっていると、いつもは明るく雑談を始めて自分は元気だということをアピールする母が、言葉少ない上に血圧を測定しながら

「気分が悪いかも......」

と言い出しました。
おや、今回は素直に具合の悪さをアピールしているな、と思っていましたら、血圧が少し低めに出ました。
顔色も悪かったようで、医師が

「少し(時期的には)早いけど、血液検査してみましょう」

ということで、採血することになりました。
(ポリープを切除した後、半年に1度程度採血をして貧血状態の経過観察をすることになっています)

採血をする間、母は少しうとうとし始めます。
採血が終わっても、うとうとしたままで、声をかけてやっと立ち上がろうとしたそのとき、ふらついて前に足を進めることができなくなりました。
看護師に促されて、数分間椅子に座らせていただき様子を見ていたところ、やはり少しもうろうとした感じに見受けられましたが、こちらの言うことは聞こえているし理解もできていたので、本人が立ち上がれるまで待つことに。

数分経過して、やっと立ち上がれるようになったので、待合室へ移動したのですが、そこでもしばらく休ませてもらうことになりました。
それからさらに数分、やっと自分で歩けそうだということで、会計を済ませて帰宅することにしました。

意識がもうろうとしているときの特徴
母がもうろうとした感じになったときは、赤ちゃんが眠たいのにご飯を食べようとしたり遊ぼうとしたりする姿に似ていて、どう見ても休んだ方がいいのに本人は動こうとしている状態です。
当然、足元はふらつくし、もしかしたら目も見えていない可能性があります。
行きたい方向へは進まず、明後日の方向に歩こうとしたりもしますし、回復してから聞いてみると、そのとき本人は全く自分がもうろうとしている自覚がないそうです。

足元もふらつき、身体も前後左右にゆらゆら揺れたりもするのですが、そういうときはしっかりと支えていないと、そのまま倒れてしまうことも多いです。
以前、私が外出している間に倒れた際は、おそらくこのもうろうとした状態で歩こうとして、そのまま倒れたのではないかと推測しています。

もうろうとしていても、こちらからのコンタクトに対して反応があるときは私が先回りして対処するのですが、反応がなくそのまま意識レベルが低下していくと、当然倒れてしまいます。
私の目の前でも、何度かこの状態になったので、母が倒れるパターンは大体予測がついています。

人って、意識がもうろうとしてそのまま意識がなくなると、どうやって倒れると思いますか?
私は、母が頻繁に倒れるようになるまで、人は倒れるときに防御反応が働いて前方や横向きに身体をねじって倒れるのだと思い込んでいました。
よく、ドラマや映画やアニメなどでは、倒れた後の体制が横向きだったりうつ伏せであることが多くありませんか?
でも実際、意識を失った場合は、

ほぼほぼ真後ろに倒れます。

もし、これが身体のどこかに痛みを感じた上で意識を失った場合は、人は痛みを感じる場所をかばう姿勢になるため、うつ伏せになったり横向きになったりしますが、予兆がなく(あってもなんとなく調子が悪いなどで)意識を失う場合は、何の防御もせずに後ろ向きに倒れるのです。

私は医学的な研究をしているわけではないので、100%そうだとは言えないですが、母も後ろ向きで倒れますし、以前仕事をしていた際も、私の目の前で意識を失った人がゆっくりと後ろ向きに倒れてきたので、確率としては多いのではないかと感じています。

意識がもうろうとしている人の共通点
母も仕事先で倒れた人も、突然倒れたというよりは、その直前の身体の動きに共通した動作がありました。
それは、方向感覚と平衡感覚が保てないということです。
もちろん、本人がそう感じているということがわかるわけではなく、客観的に見ていると、まず身体の向きを変えようとしたとき(あるいはこちらが変えさせようとしたとき)、向くべき方法とは違う方向を向こうとします。
身体を支えて、力を入れて向きを変えさせようとしても、身体はどんどん違う方向へ行こうとします。
おそらく、この時点で身体は惰性で動いていて、本人の意思は身体に伝わっていないのでしょうね。

次に、足元が小刻みに前後左右に動きます。
小刻みといっても、ゆっくりとした動作です。
きっと、意識はすでに失われかけているのに、身体はバランスを取ろうとして一生懸命直立態勢を保とうとしているのでしょうね。
しかし、それが逆にふらふらと身体を揺らすことに繋がっているようです。
不思議なことに、こういうときの人間ってとても力が強くて、いくら体制を正常な状態にキープさせようとこちらがサポートしても、テコでも動きを変えません。

そして、いちばん厄介なのは、意識を失いかけているにも関わらず、大体が「大丈夫、なんともない」と言うのです。
大丈夫?などと声をかければ「何が?」と返してきたりします。
しかし、それもきっと自分の意思に関係なく、無意識に返事をしている状態なのでしょうね。

少しでも様子がおかしいと感じたら
目の前の人にいる人が、見た目はなんともない状態でも、少しでも身体に異変があるような気がしたら、気を付けてあげてください。
意識を失わなくても、客観的に見ている人が異変や違和感を感じたら、それは気のせいではありません。
こういう場合、一番わかっていないのは本人だと思って、過剰反応だと思われてもいいので、救護室へ付き添ったり、人を呼んだり、救急車両の手配をしたりしてください。
おそらく、大げさではない可能性の方が高いです。
そして、真後ろに倒れることも念頭に置いて、倒れかかっているときにはどのように身体を支えるか、考えておくといいと思います。
真後ろに倒れる、という事例を見たことがなくても、その可能性を心の隅に置いておくだけで、対処時にスムーズな行動ができるはずですから、意識しておいて損はないと思います。


本日は、母の体調不良時の話と、意識を失ったときの人の様子について綴りました。
まあ、情報共有というよりも、私自身がこのことを忘れないようにしておきたいと思い、今回のブログネタとしました。
もしかしたら、全く当てはまらない人もいるでしょうが、少しだけ参考にしてもらえたらいいな、と思っています。