日々是気の向くままに

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琉球古典音楽悪戦苦闘の日々 21「尺が合わない」

2017年11月01日 | 日記
「尺」という音は、曲によってはその押さえる位置が変わる場合があります。他の音は曲によっては使用するか全く使用しないかというのはあるけれど、同じ「尺」なのに音程が変わるのはこの音だけです。これは「工工四」がその性格上、楽譜ではなくメモ程度なので、これは仕方ないことなのかもしれません。つまり通常「合」の音が西洋音階の「ド」とすると「尺」は「シ」でありますが、「中位」の曲では「四」が「ド」となり「尺」が半音下がり「ファ」の音になるのです。これによって「尺」は押さえる位置が変わるわけです。ところが話がこれだけでは終わらないのが「琉球古典音楽」の不思議であります。それは例えば「踊こはでさ」(ウドィクワディーサー)において、歌の「尺」と三線の「尺」とが少し扱いが違うわけです。歌の「尺」は「工」の半音下を出す場合がありますが、これは「工」の装飾音的な部分で、メロディーが下降してくるときの「尺」は「中」の半音上になり、三線もこの「中」の半音上の「尺」で演奏します。すなわち「中位」の曲なのですが、私が一番気になるのが三線の音が一回だけ「工」の半音下の「尺」を出す瞬間です。これは私的にはどうしても納得できないでままでおります。ここは「音」的には「中」の半音上が正しいと思うのですが、しかしながら「工」の半音下を、小指を「クイッ」と伸ばして押えた方が、確かに「見栄え」は良いようです。結局、どちらが正解とは言えませんが、連綿と伝えられて来た方法に従うしかありません。それが「古典」ですね。