日々是気の向くままに

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隠れ開音(琉球古典音楽悪戦苦闘の日々 26)

2017年11月23日 | 日記
三線の手の技法に開音(アキウトゥ)というのがあるのですが、右手のバチで弾いたあと左手で押さえていた指を離すことによって、かすかな音が出るんですね。その際は工工四に「V」の記号が書いてあるのが普通です。ところが、かの「稲まづん節」の歌持ち部分に「隠れ開音」があるようです。古典の工工四には特殊な記号があり、ここでは説明しにくいのですが、「上」を弾いたあと「中」を押さえてすぐ離し、「〇」(一拍おいて)「尺」をバチの裏で弾くという一連の動作で、「〇」の時に、巨匠達のCDでは、皆さん必ず「上」を押さえていた指を離し、結果として「開音」となっているのです。これはたぶん「上」を押さえる位置と「尺」を押さえる位置がかなり遠いため、このタイミングで指を離す必要があるのだと思います。