安い税金と小さな政府を切望するふきあえずのブログ

安全で暮らしやすい日本をつくりたい
そんな想いを綴っていくブログにしたいと思います

「政治思想マトリックス」ですっきりと整理できる「新自由主義」

2021-03-13 19:30:14 | 政治
政治評論家の三橋貴明先生の動画は以前から、「新自由主義」つまり、小泉-竹中政権の経済政策を批判し
だから「小さな政府はだめだ」という論を展開していらっしゃいます。
私はこの「小さな政府は間違っている」という論理に、小泉-竹中を持ち出されることに、とても残念な思いがありました
この「新自由主義」の問題、茂木誠先生の「政治思想マトリックス」で、きわめてわかりやすく説明がなされています

ありがたいことに、茂木先生の説明では、「小さな政府」にもグローバリズムと反グローバリズムの違いがあり
それぞれ主張している人たちにも違いがある、ということを明らかにしてくださっています
とにかく、できることなら本書を読んでいただきたいのですが、読んでない方にもわかりやすく解説するとするならば
本来のアメリカの保守(コンサーバティブ)というのは、キリスト教福音派(プロテスタントの一派)から発生したものであり
彼らの信仰からくる倫理観から、その考え方の筋が生まれているのです
その考え方とは、簡単に言うと「勤勉に努力し、放蕩な生き方をせず蓄財し、その財を投資して事業を大きくし、人々の役に立つことは善である」
ということです
だからこそ自助精神と勤勉さを素晴らしいと認める価値観があります

一方で、「新自由主義」の流れは福音派の信仰の流れからくるものではなく、これは「拝金主義」の流れなのです
その始まりは欧州の金融資本家に端を発するもので、お金の力によって投機的に利益や資産を増やす自由
この自由を求めているのが「”今現在”のリバタリアン」つまり、「新自由主義」を信奉する人々なのです
”今現在”と注釈を入れましたが、茂木先生も説明しておられますが、その昔のリバタリアンは福音派の保守主義そのものでした
しかし、今は言葉の意味そのものが変わってしまったのです

この二つの違いは明白です
福音派が中心の保守は、基本的にアメリカの製造業、中小企業の経営者などに多く、いわゆるWASPと呼ばれる人たちが中心です
リバタリアンはウォール街、金融や株取引の世界の人々が中心で、いわゆる”ハゲタカファンド”などと呼ばれる人たちも含まれると思います
ですから、福音派が中心の保守は、小さな会社を興し、努力して大きくしていくような道を選びますが
リバタリアンは金融の力で株を買い占め、有力な企業を買い取って支配しよう、奪い取ろう、というようなことを考えます

福音派の保守は、自らの努力で自立することを好み、福祉のような政府からの援助を嫌い、自分のことは自分で守る、という考え方が中心です
ですから、自分ではできない国防や治安維持は国に任せるが、その他のことにまで口を出すな、というスタイルで
だからこそ「安い税金」を求めるのです
一方のリバタリアンも、税金を安くしろ、というのは同じですが、それは自分の利益を政府に取られたくない、という考え方から来ています

このリバタリアンが、実は三橋先生が批判するグローバリストであるのです。。。つまり、世界中のどこででもお金儲けをし、税金を払わない
20年ほど前、このリバタリアンが日本の小泉-竹中に圧力をかけて日本の株式市場を開かせました。。。ブッシュ大統領の時です
外資が日本企業と日本の財産を買収しやすくした、ということなのです
彼らは基本的に、企業を一からなど作りません。。。儲かりそうな企業を安値で買いたたくのが彼らのやり方です
ですから、アメリカの保守とよばれる人たちにも、こうした質の違いがあるということ
グローバリストとトランプ大統領のような反グローバリストがいて、それがアメリカ共和党に混在している、というのが現実なのです

以上のように、安い税金小さな政府の保守派にも、グローバリストと反グローバリストがいます
そして、グローバリストの考え方が主流となれば、勤勉な努力で事業を創造することよりも、会社買収で手っ取り早く儲けることが主流になります

私は警鐘を鳴らしたいのですが、そうした「投機的なことを良いこと」、と思う風潮が蔓延すれば、その国には勤勉に努力する人はいなくなります
日産は持ち株問題によってフランスの国営企業になる手前にまで行きましたが
会社は株主の持ち物で、株主が会社を好きにできる、利益もすべて株主のもの、という考え方には、やはり問題があると思います
今は会社を大きくするための投資資金を、株の公開で得ようとする動きも多いのですが
やはり、日本の場合は銀行がしっかりするべきだと、私は思います
企業を育てるために、銀行が長期的な視野を持って企業に貸し出しを積極的に行う
そうであってこそ、企業が自助精神を発揮し、大きく成長する目があるのです

日本の銀行の凋落と国力の低下は相関関係があると思います

話がそれましたが、小さな政府と安い税金には、自助の精神を大切にする保守本流の思想があります
私はこれからも、安い税金と小さな政府の必要性を主張し続けます

それではまた、With Savior !!

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