絹糸のしらべ

一絃の琴、きもの、文学etc…日本人のDNAが目を覚ます・・・

物言わぬ人に

2014年01月30日 20時50分42秒 | Weblog
昨日、父方の叔父の告別式だった。
つい半年前に、妻である叔母もがんで他界した。

最後に棺にお花を入れる際、物言わぬ人になった叔父の固く口をつぐんだ顔を
見ているうち、気の毒な晩年を思って涙が出た。

大工の棟梁として、羽振りの良かったころ、
息子もあとを継いで大工になり、皆が当たり前に幸せだったころ、
そんなことを思い出した。

9月に叔母が亡くなったとき、
恰幅の良かった叔母の顔がほっそりしてきれいになっているのも
悲しかった。
そんな叔母の顔を見せて、「きれいやろ?」と涙ぐんでいた叔父も
旅立った。

大工の跡継ぎだった息子がギャンブルで借金をし、
離婚して家に戻ってきたとき、どんなに叔父夫婦は落胆しただろう。
また、そんな父親の葬儀の喪主を務めなければならなくなった、
年の離れた弟の気持ちはいかばかりかと思う。

棺桶の蓋を閉める時まで、人生どんなふうになるのか
わからないものだ。