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【ネタバレ】映画『寝ても覚めても』2人の関係の意味は

2020-01-24 | ネタバレあり



キャスト
東出昌大
唐田えりか
瀬戸康史

監督/濱口竜介
原作/柴崎友香

四コマ映画『寝ても覚めても』https://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2150

だいぶ前に見たんですけど、全然書きたいことがまとまらなくて。。
とりあえず個人的には今んとこ2018年の邦画1位。だし、事実1位だと思います。

****

あまりにも『寝ても覚めても』に心囚われてしまいまして、普段そんなに読まない小説を読みました。
原作小説『寝ても覚めても』。

主人公朝子の気持ちの変化を知りたくて。

小説読んでみると、一番大きな違いは朝子が自分の気持ちをバンバン喋っていること。
ネタバレになるから書きませんけども。。

あと、刊行された時期からして〝東日本大震災〟が入っていない。
登場人物も多い。

大筋は同じだけどちょっと展開が違ったり。
まさかみんな大集合したレストランのシーンが映画オリジナルとは。。

この原作小説ってほとんど映像化不可能なのに、これを小説と同じくらいの破壊力のある怪作として映画化するって本当にすごいと思います。。

この映画にハマった人は小説も読んでみてほしい。小説もまたイっちゃってるから。。

***

サイコパス俳優として活躍めざましい東出昌大ですが、さすがです。
そして普通の人間も演じられていたのでそろそろもう抑えきれない大俳優へと変貌するでしょう。

唐田えりかがCMでやる気ないイメージがあったんですが、いや、そのままなんだけど完全にこちらもサイコパス。
でもどれもリアルな人間なんですよねえ。。

瀬戸康史は甘いルックスがむしろマイナスに作用してる俳優さんなんだろうなと思っていたけど、やはりすごい人でしたね。
東出昌大の常人ならざるスタイルの良さを、同じスタイルの瀬戸康史を隣に立たせることでパッと見の宇宙人感を消せる、というすごいアイデア。

四コマ映画『寝ても覚めても』https://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2150


以下ネタバレ



































麦が再び現れて朝子がサッとついていく。
そして亮平のもとへと帰る。
ここが小説だとなんか説明あるかと思って期待したけど、朝子がたしかにその都度なんか喋ってんだけどイマイチ意味がわからない。。
結局映画の印象と変わらない。だから映画が凄いなとも思います。

豊崎さんの解説を読むと、ま、どうやらセックスのない性欲の話らしいですね。
麦とは性欲、亮平とは愛・結婚、ですかね。
『イット・フォローズ』のソレの意味のようにわかっちゃうと「まぁそうか…」と思って、わからないままの方が魅力的だったかなと思うわけですが。
ま、違うかも知んないし。

そんなことよりですよ。
何ラストのポパイ刺青黄色自転車男!

小説のラスト、緑道で朝子と亮平と千花との対決があるわけですが。
途中突然、黄色い自転車に乗ったポパイの刺青入れた坊主男が割って入ってくるんです。口笛吹きながら。
完全に三人の間で止まったわけです。

でもこの三人はポパイを無視。存在に気づいてる描写もない。
普通に喧嘩続けるわけです。
こんなこと地球上では起きませんよ。。

で、千花は「いこう、げんちゃん!」っつってポパイの自転車の後ろに乗って去っていく。

去っていく千花について朝子も亮平もリアクションなく会話を続けてから4ページ目で小説完結。

何これ。。怖い。。

きっと朝子が千花を消したんですね。邪魔だから。
だからポパイを作り出して、千花をこの場から消し去った。
もう怖くて。。この存在しないポパイが。。

そういえば朝子は混乱すると嘘言うんですよ。突然起こり得ないことを言う。読者に。
どうも読みにくいなこの本と思ってたけど、豊崎さの解説に朝子のことを「信頼できない語り部」と説明してたから、多分そう。

柴崎さん自身も朝子は宇宙人だと書いてる。

いやぁもう『寝ても覚めても』やばいよ。。

で、この異常な原作に手を加えて同じような味わいに仕立てた映画もやはり凄いのさ。。。。



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