寓居人の独言

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放射能の除染について(20130510)

2013年05月10日 23時37分32秒 | 日記・エッセイ・コラム

 最近の報道によると、福島県の放射能汚染地域にある自治体にいろんな業者?の方が有効な除染効果があるといっていろんな技術や物質を持ち込んで試用して欲しいと言ってくるという。
 放射性物質は、物質が持っているエネルギーを消費し尽くすまでは放射能を出し続ける。しかし、エネルギーが少なくなると照射能の放出量が減少するために人体に危険を及ぼさない量になることがある。そうなるまでの時間は元素によって異なるが、4~8半減期を経過した頃と言われている。ただしこの時間は放射性物質の総量によって変わることは言うまでも無い。一般的言うと、人体が受ける放射能の量を減少させるには、
1.原因物質を遮蔽体で覆う
2.原因物質から相当の距離をとる
3.原因物質接触する時間を短くする
というのが原則である。
 ここで問題になるのは、放射性物質を何らかの方法で他の物質に吸収することができたとしても放射能が消失することはないということである。例えば、除染液で洗い流したとしてもその除染液には含まれているのであって消失することとは関係が無い。
 したがって放射性物質をできるだけ濃度の高いものとして固形化し、それを安全を管理できる状態で隔離することが最良の方法になるだろう。そのために特定の元素だけを目的にしたイオン交換物質などを開発することがよいのではないだろうか。
 話は変わるが、10年ほど前にある会社が高熱増殖細菌による有機物分解反応を利用して堆肥を作るという話を聞いた。それを紹介してくれた方とその会社に見学に行った。現地に着くと大阪から来たという方が一緒に見学するという。この方は大阪のある科学博物館の方だと紹介された。見学が始まると会社の方が、屎尿コンポジットをこの方法で処理すると有害金属が検出されなくなると、東京にある某食品分析所で分析してもらったデータ表を見せながら説明してくれた。たしかに原料中には水銀(Hg)やカドミウム(Cd)が存在するのに、高熱増殖細菌で処理した物質の中には両元素ともに検出限界以下と記述されていた。会社の方はこのデータをもとに生産された堆肥は安全であるという。ここで問題になるのは、両元素はどこへ行ってしまったのだろうかということである。大阪の方は、別の元素に変わってしまったのではないかと述べた。そんなことは決して無いと考えるのが現在の科学的な判断である。
 ここで筆者が問題にしたのは物質Aから物質Bに変化するときに物質Aに含まれていた物が物質B中に検出されなくなったと言うことは、物質が変化する際に抜け出してどこかに貯留されていることかも知れないと言うことである。この工場の作業場はコンクリートでちりとり方に囲んだオープンな状態であることである。したがって、水銀やカドミウムはどこかに貯留されている可能性がある。作業場が改善されない限り、有害元素が現状では放置されていることになる。将来何か問題にならなければよいと危惧している。