国や自治体が高濃度放射性物質貯蔵施設を山間地に作る計画を検討しているという。何故だろうか。一つは公有地が山間部に多いと言うことかもしれない。山間地は降雨や地震などによって地形が変化することがあったり、それらが原因で建設物にひび割れや変形・破損などが発生すれば内容物が外部に流れ出し、地下水流や河川などに流れ込んで下流域を広く汚染する危険がある。その際の被害はどれほどになるだろうか。そのような危険を侵すのは愚かとしか言いようがない。
以下蛇足になるが簡単に放射能に関することを書いておこう。
放射性物質がどれほど長い時間放射能を出し続けるのだろうか。放射性物質は元素の種類によって放射能が半分量になるまでの時間すなわち半減期が異なる。例えばナトリウム24(15時間)、塩素38(37分)、ヨード131(8日)、ストロンチウム90(29年)、コバルト60(5.27年)、セシウム137(30年)、ウラン238(45億年)などである。半減期の短いものは放射能が強いが比較的早く少なくなる。半減期が長いものは放射能が弱いというのが一般的であるが、存在量が大きく影響する。
生物への影響が少なくなるまでには、おおよそ3~4半減期の経過が必要とされる。しかし、これも存在量が問題である。
放射性物質が人間の体内に入った場合どれくらいの期間影響を与え続けるのだろうか。元素は体内に入って体外へ排出されるまでの期間(生物学的半減期)が一応判明しているが個人差があることを考慮しなければならないし、体内器官・臓器への影響も考慮しなければならない。つまり影響を受けやすい臓器とそうでない臓器がある。新しいデータは過去のデータと異なる場合もある。
チェルノブイリ原発事故の際に、ヨーロッパ中の子供たちに放射能のない安定型ヨードを飲ませたという報道があった。これはヨードという元素は甲状腺に集中的に取り込まれることが解っており、安定型ヨードで充満しておけば、放射性ヨードが入り込めないとの考えに基づいた処置であった。チェルノブイリ原発周辺の子供たちに事故後甲状腺の病変が多発したがヨーロッパの他の国ではほとんど影響がなかったという。日本の場合はヨードを投与したという報道はあまり話題にならなかったがどうなっているのだろうか。