若いころの私の見る映画と言えばスリラーとか西部劇や
時代劇といった活劇映画がほとんどでした。これは父親の
影響かもしれませんね。1965年7月のある日、一人の軟派
系の友人が映画を見に行こうというのでついていきました。
映画の題名を見て、これは私好みの映画じゃないと思い
ました。しかし見始めると、ジュリ-・アンドリュースの
圧倒的な声量に驚かされました。オースとリアのザルツブ
ルグの長閑な草原そして深い緑の林、すべてが初めて見る
ような風景でした。底はドイツのオーストリア併合という
修羅の世界へ進んでいく世界とはかけ離れた世界でした。
修道女だったマリアは、ある日7人の子供のいる退役軍
人ゲオルグの家へ子供たちの家庭教師と行くよう勧められ
た。ジュリー・アンドリュースの歌は、場面が変化するた
びに歌われ自分をそして周囲の人たちを元気に明るくして
いきます。映画を見ている私も何故か幸せになっていった
のを覚えています。ゲオルグの家へ着くと早速子供たちの
いたずらが待っていました。しかしマリアは子供たちに歌
の基本つまりドレミ音程から教え歌えるようにしました。
ゲオルグはそんな生ぬるいことを禁じましたが、子供た
ちは次第に歌が上手になり、ついには怒っていたゲオルグ
も歌うようになってしまいます。一度は追い出されたマリ
アをゲオルグは屋敷にとどまるように依頼されます。しか
しゲオルグとマリアの中を心配したエルザ(ゲオルグの婚約
者)にこれ以上ゲオルグに本気にさせないように言われ、
置手紙を置いて修道院へ帰ることにします。ここまでが第1
部です。
子供たちのマリアを慕う気持ちを汲んでゲオルグはマリ
アを屋敷に戻るよう依頼した。やがてゲオルグはマリアと
結婚する。新婚旅行から帰ると、オーストリアの街中にク
ロイツハーケンがいたるところに翻っていた。ドイツとの
併合に反対するゲオルグはドイツ軍に呼び出されたが出頭
せずスイスへ移住する。しかしその道はドイツ親衛隊のた
めに様々な妨害があり山道を徒歩で越えてスイスへたどり
着く。
この映画はアカデミー賞をたくさんの部門で受賞しまし
た。近年になってこの映画のDVDを買いましたが、大画面
で見るのとは違い迫力は減少しましたが、大型スピーカー
につないだジュリー・アンドリュースの歌は圧倒的でした。
この後、私は好みではなかったミュージカル映画も見るよ
うになりました。何しろ次から次と歌われる歌に感動しま
した。