寓居人の独言

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書籍紹介「仙台藩士 幕末世界一周 玉蟲左太夫外遊録」

2015年05月26日 13時08分30秒 | 日記・エッセイ・コラム

仙台藩士 幕末世界一周 玉蟲左太夫外遊録
著者:玉蟲左太夫(訳:山本三郎)、発行所:有限会社 荒蝦夷
初版発行日2010年8月30日、514頁 定価:2100円(税別)

 本書は、1859年(安政6年)幕府は日米修好通商条約の批准書

交換のために外国奉行兼神奈川奉行だった新見豊前守正興を初

めとする77名に上る使節団をアメリカのワシントンへ派遣した。そ

の顛末を、その中の一人目付小栗豊後守忠順の従者として仙台

藩士玉蟲左太夫が随行した。玉蟲左太夫は、出発から帰国まで

の道中での出来事や観察したことを詳細に記録した。

 使節団の行程は築地に集合して品川沖に停泊中のポーハタン

号に乗船するところから始まった。ハワイ→サンフランシスコ→

パナマ運河→フロリダ→ニューヨーク→ワシントンと旅をした。ここ

でアメリカ大統領と会見し批准書を交換して大役を果たした。その

後大歓迎を受けた。

 帰国への道中はアフリカ西岸の地域(国々)を見学し喜望峰を

回ってジャワ島、香港、琉球を経由し横浜に着岸して帰国した。

 その途中の天候、地域の様子、人々の生活の様子、物価、そし

て見学した産業施設等々詳細に記録している。物価や労働者の

賃金なども細かく調べている。更に出費についても詳細に記録し

てある。例えば、米1升1ドル、鮭1尾5ドル等々でいうように。

 本書の総てを紹介することは出来ませんが、幕末の時期に世界

の様子を詳細に記録した見聞録は珍しく重要な資料として一読の

価値があると思います。

 


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