伊万里の里は、小高い山に囲まれた静かなところであった。
伊万里の里は、焼き物だけかと思っていたが、いろいろな果実も生産されており、なかなか名代のものになっているという。
窯業を専業にした人たちは、左の地図のなかに住んでいるようだ。
車が注意してすれ違うことが出来るほどの狭い道を上がると、T 字路になっている。そこを右に曲がるとさらに坂道が続いている。しばらく行くと、道の両側に店が並んでいる。
店は一軒が一つの窯元のようであった。
窯は少し離れた山のなかにあるという。
筆一本で画いていく絵は、心休まるような絵柄であった。一枚の皿が完成するまでにいろんな工程をたどり、いろんな人が各工程に関わっているという。
絵付けに使う絵の具は、大方のものは金属の化合物である。絵付けされた金属が他の物質と反応したり、高温によって変化して、別な色合いを出す。
その色合いをどう出すかが作者の特徴になっている。
こうして出来た作品は各店で展示されていた。
これはひな人形の焼き物である。何とも気品のある作品であった。
筆者は、いろんなところへ旅をするのが好きである。旅先では必ず窯元を探して訪ねることにしている。
伊万里からほど遠からぬところに、三河内というところがある。ここは、かって平戸藩の御用釜だったという。三河内窯を訪ねたとき印象に残ることに出会うことが出来た。後日ここを訪ねたことを書きたいと思う。