それからのY子は、時々遅刻するようになった。
遅刻をしない日でも、ギリギリに駆け込む。
慎重で仕事に対しては真面目だったY子らしくない…。
「アンコ、今日もY子は来てないけど…、休みじゃないよね。」
「…休み…とは聞いてないです」
「昨日もギリギリだったし…。どうしたの?」
「さぁ…。」
仕事場のオーナーは、怪訝な顔で私に聞いてくる。
「まぁ…アンコはY子と一緒に住んでるワケじゃないから、聞かれても困ると思うけど…」
…その通りです💦
「痩せたよね。Y子」
…そういえば…確かに、目の下のクマも目立つようになったし、やつれた気がする。
「…すみません、遅れました。」
今日は10分遅れで登場してきた。
「Y子、いったいどうしたの?」
オーナーが突然険しい顔でY子に詰めよった。
「最近、遅刻が多いし、遅刻じゃない日だって、いつもギリギリ…。前は、遅くとも10分前には来てたじゃない?」
「…すみません…」
今までのY子なら、何かしらの理由を話す人なのに、
深く頭を下げると黙ってしまった。