謎の。。。47

2021-06-25 10:58:10 | 日記
「あの人、苦手~」

面接にやって来たのは、なんと、例のマジシャン💦

向かうところ敵なしの社長も、このマジシャン相手には戦意ゼロ。

「社長がいないとはじまりませんよ💦」

…なんとか説得して、面接の席に座ってもらった。


「こんにちは」

「はじめまして…、というのも変ですよね。何度も来てますから」

今まで無口かと思っていたマジシャンは、なかなか饒舌のようだ。

社長が私の方を向いて、しかめっ面をした。

マジシャンのこんな話し方も苦手なようだ。

「占い方法は?」

「霊感です。」

おぉ❗キタッ❗

大きめな黒い鞄の中から、中程度の大きさの水晶を出した。

水晶を使っての占いとは…王道なのか、TVの見すぎなのか…。 

「私のお店は、今後どうなりますか?」

社長は、気を取り直して、まずいつもの質問をしてみた。

「10年以内には、新しいお店を持つと思います」

うん?これは、社長が願っている今後のイメージだ❗

社長の顔が少し明るくなった。

「新しいお店というのは、どこに出しますか?」

「都心部だと思います」

おぉ!これまた、社長の思っているイメージ!

このマジシャン、意外に出来るかも❗

謎の。。。46

2021-06-24 07:47:40 | 日記
何人かの占い師さんが社長の強いパワーに撃沈していった。

「なかなか難しいわね~」

何人かの面接のあと、社長が呟いた。

いやいや~、面接に来た人を撃沈させているのは、社長ですから💦

本当に募集する気があるのかしら?

「あの…、面接を。」

お店の女の子が気まずそうにやって来た。

え?なんでそんな気まずそうなの?

新しい面接希望の人を見て納得した。

例のマジシャンだ💦💦

え?この人、占い師だったの?

…と、社長と顔を見合わせた。

社長は、何を思ったか、踵を返して事務所に戻った。

「え?社長、どうしたんですか?」

「無理💦」

「え?何が?」

「あの人、無理💦」

豪傑社長にも苦手なモノがあったようだ。

「…だけど、面接に、来てるのに、会いもしないで帰って貰うワケにはいきませんよね💦」

「そりゃそうだけどさぁ…」

社長は頭を抱えてしまった。

「どうしましょうか?今日は面接が出来ない…と、帰ってもらいましょうか?」

「…だけど、日を改めて、また来るでしょ」

本当に苦手なようだ。

「意外に面白い人かも知れませんよ」

「それじゃ、あなたが面接して!」

「それは、無理ですよ!」

「なんとかならないかな~?💦」

社長は、子供みたいにただをこねた。



謎の。。45

2021-06-23 08:24:55 | 日記
「子供が欲しいんだけど」

という社長の質問に、フランス人形さんは、頭を抱えて沈黙してしまった。

そして言いにくそうに話し始めた。

「難しいのじゃないでしょうか?」

「そうだよね。この年齢だし」

社長の落ち込みに、フランス人形さんは、慌てた。

社長の落ち込み…と言っても、本気で落ち込んでいるわけではない。場の雰囲気を盛り上げたり、空気を変えるための一種のパフォーマンスだったりする。

「まだ、諦めないでください」
慌ててフランス人形さんが、フォローした。

「え?まだ、大丈夫ってこと?」

「あ、そういうワケではありませんが…、がんばればまだ、大丈夫なんじゃないかと…頑張ってください✊😃✊」

フランス人形さんは、自分の意見を述べただけのようだ。

「占い的には、もう、無理ってことですよね」

さらに、追い詰める💦

「え…あ、は…はい…。あ、いいえ💦💦」

センシティブなやりとりに、フランス人形さんはあぶら汗をかいているようだ。

「あ、いいんです、いいんです❗本当のこと言ってください。」

「………」

次の言葉が見つからずに、下を向いていまった。

「他の誰に鑑定してもらっても、誰も『出来る』とは言ってくれないから。
…ちなみに、中国の占い師とこの人(私のことらしい)、まだ出来ると言うのよ~。無理だよね~😁」

これまた、気まづいことをおっしゃる💦💦

誰よりも強いオーラを放つ社長は、どんな空気も操ってしまう…。

結局、異彩を放つフランス人形さんも、影を潜めて静かに帰って行った。





謎の。。。44

2021-06-22 08:52:26 | 日記
ステッキを手にしたフランス人形さん。

さて、これをどう使うのか?

「占い方法は?」

「霊感です」

キタ━(゚∀゚)━!

社長の好きなタイプ!

霊感占いと聞いて、あのステッキの使い方にますます興味津々だ。

「では、質問をさせてください。まず、この店、この先、どうなりますか?」

フランス人形さんは、ステッキの水晶部分を額に当てた。

まぁ、順当な使い方ですよね。

「社長さんは、30年後もこのお店に居ます」

30年後もここにいるのか…。

社長はこのお店は10年後は撤収して、もっと大通りに大きなお店を出したいと言っていた…。

「…そうなんだ~。30年もここにしがみついているんだ、私」

苦笑いしながら、私の顔を見た。

「次の質問、いいですか?」

「はい」

「子供が欲しいんだけど、出来ますか?」

「う~ん」

フランス人形さんは、唸るとしばらく沈黙…、そして言いにくそうに話し始めた。

「難しいのじゃないでしょうか?」

「難しい…?」

社長はため息をついた。

「そうだよね。この年齢だし、厳しいよね」

社長の落ち込み具合に、フランス人形さんは、少し慌てた。



謎の。。。43

2021-06-21 07:41:50 | 日記
「こんにちは」

「いらっしゃいませ」

「外の貼り紙を見て…。」

また、面接希望の方がいらっしゃった。

髪を大きなお団子にして、頭にかんざしを差し、首から上は、『和』なのにヒラヒラのヒダの多いワンピース。
色白な顔つきで、フランス人形のような年齢不詳な女性が現れた。(ドラクエの『モンスターが現れた』みたいですよね💦)

見るからに不思議な雰囲気を漂わせている女性なのだが、コンセプトかわからない。

「こんにちは。面接ですか?」

社長が現れた。(ラスボスが現れた)

フランス人形のような女性は、社長の呼び掛けにもキチンとした挨拶もせず、誰にともなくゆっくりと頭を下げた。

…こういう人なんだろうか…。

「奥へどうぞ!」

フランス人形さんは、用意された椅子にあっさり座ると、カバンの中から、謎のステッキを出した。

…え?杖?魔法使い?


あ、良く見ると、だいぶ前にお店で売っていた事がある商品だ。

ステッキの先に水晶が付いている。

社長は、その商品をお店に並べたものの、「こんなモノ、誰が買うの?!」
と言って、すぐに撤去したものだ。

…そうか、こういう人が買うのか…と、社長と顔を見合わせた。

そのステッキをどう使うのか、私の目はステッキに釘付けになった。