未然 16

2022-03-26 08:06:21 | 日記
真央さんのダイビング仲間の画像の中に、やはり優太さんを見つけた。

仲間の誕生日を祝っているらしい画像だった。

「先月の3日」

…と、聞いて、『あれ?』っと思った。

先月の頭…、3日あたりじゃなかったっけ?
沙友理さんと旅行を予定していた日。

沙友理さんは、優太さんと旅行に行く予定をしていたのに、先輩の都合で急遽旅行がキャンセルになってしまっていた。

う~ん、3日でなければいいんだけど…。



そして、沙友理さんが来た。

聞こうかどうか…戸惑いながらも、聞かないワケにもいかず、思いきって聞いてみた。

「優太さんと旅行へ行く予定だった日って、先月だったっけ?」

「はい。3日です。」

………やっぱり…。

「それが、どうかしたんですか?」

「ううん、なんでもないの…」

言えない…。



未然 15

2022-03-24 10:08:48 | 日記
「もう、別れようかな?」

真央さんがつぶやいた。

「え?どうして?」

「私、待つの苦手なんです。」

「…だけど、まだ、お付き合いが始まったばかりじゃないの?

「…そうなんですが…。私、我慢が足りないって、親からもよく言われるんです。いつもいつも、彼からの返信を待つ自分にイライラして…」

「『待つのがイヤ』と、彼にきちんと話したら?」

「…そうですね。確かに、ちゃんと話をしてみて…それでもダメだったら、その時でもいいかも知れませんね。」

「真央さんは、ダイビングの趣味もあるし、待つ時間に気をまぎらわす方法もあるじゃない?」

「…そうですよね。
…ところで、海の写真見てください。キレイですよ~✴️」

真央さんが取っておきの海の画像を見せてくれた。

「ひとりで行ったの?」

「いいえ、仲間も一緒です。」

仲間たちの画像も見せてくれた。

…やっぱり…、優太さんがいた。

「先月3日に、仲間の誕生日で、海でお祝いしたんです」

「へぇ~そうなんだ」

あれ?先月の頭は…、沙友理さんと旅行の予定があったんじゃ…?



未然 14

2022-03-23 13:13:28 | 日記
しばらく沙友理さんは、来なかった。

連絡は普通にとれたのだろうか…。

イベントには行けたのだろうか…。


そして、また、真央さんが訪れた。

いつもキラキラしている元気な真央さんが、今日は沈んでいる。

「…何かあったの?」

「彼と最近、会ってないんです…」

「あらま…どうしたの?」

「彼の様子が変なんです。」

「変?…どんな風に?」

「私との約束は忘れるし、最近では、LINEのやりとりも、すぐに既読が付かないし…」

「忙しいんじゃないの?」

「ひどい時は、2日も既読しないで放置されるんですよ💦まぁ、急ぎのLINEじゃなかったからいいけど…」

…なんだか、男性の方が女性に対しておざなりな対応になっていくのが多い💦
それとも、女性の方が求め過ぎるのかな…?💦







未然 13 

2022-03-22 10:10:12 | 日記
「結婚の話題はどちらから?」

「はじめは、優太さんのお友達が結婚する…という話題から、私たちの話しになったんです。だから、自分たちの結婚の話しを持ち出したのは、私です。

「…そうなんだ…」

「早かったのかな?結婚の話題は…」

「…優太さんの考え方は、じっくり派なんでしょうね…。どのくらい、連絡ないの?」

「最初の頃は、毎日連絡を取り合っていたのに、だんだん一日おきになっていって…、今は一週間…。ただ、連絡とれなくなった最後の会話は、『今度イベントに行こう』って、何でもない会話たったの…。」

「そのイベントは?」

「明後日なんです。待ち合わせもしたいし…。」

「『どうして、連絡が少なくなったか…』とか、余計な事を一切書かず、待ち合わせの約束だけの連絡をしてみたら?」

「そうですね」

「ちなみに、今までは、待ち合わせの時間や場所は、優太さんが決めていたの?」

「…はい」

「出来たら、沙友理さんが、場所も時間も決めてしまえば?」

「え?」

「今、優太さんが忙しかったりすると、『時間や場所…どうしよう…。後にしよう!』となるかも知れないし…。」

「……そうですね。」



未然 12

2022-03-21 08:39:36 | 日記
「あ、バーベキューの画像見てください」

真央さんは、スマホを開いた。

見せてもらった画像には、優太さんはいなかった。

…良かった。私の勝手な想像でしかなかった。

「楽しそうね」

「そうなんです。仲間って、いいですね。」

「そうね!」



その後しばらくは、沙友理さんも真央さんもお会いすることはなく、それぞれに平和に過ごされていることと思っていた。

数ヶ月後、沙友理さんが現れた。

「優太さん、最近、連絡をくれなくて…」

「何かあったの?」

「何も無いんです。とてもうまくいってると思っていたんです。『結婚』の話題も出てきたし…」

「そうなの…」