未然 7

2022-03-15 09:30:50 | 日記
真央さんの恋の話しを聞いていた。

一目惚れをしてしまったお相手だが、進展させるつもりは無かった…と。

ダイビングスクールで出会って、時々一緒に海に行くようになった…とか。

「趣味が一緒だなんて、いいじゃないですかぁ~!」

「ですよね!久しぶりの恋愛なんで、正直戸惑っていますが、週末が楽しくなってきていて、うれしいんです!」

「真央さん、キラキラしてますね~✨」

「はい、とっても充実しています。」



未然 6

2022-03-13 08:52:54 | 日記
ある時、元気いっぱいの女性が訪れた。

彼女の名前は真央さん。

保育士さんで、お子さんに話しかけるように話す人なので、いつもちょっとテンション高めに感じる。

実は真央さんは何度かお会いしてるので、
過去の恋愛遍歴も聞いていた。

今は、彼と別れて一年近くフリーで、趣味のダイビングを楽しんでいる様子でした。

「最近は、すっかり恋もしていなくて…」
と、笑う笑顔がキラキラしていました。

「ところが、最近、ちょっと気になる人が現れたんです。」

「わぁ!いいことじゃないですか!」




未然 5

2022-03-12 09:08:30 | 日記
ある時、沙友理さんが、優太さんと一緒の写真を見せてくれた。

確かに長身でイケメン。

「それに彼、優秀で、最近昇進したんですよ。」

沙友理さんは、それを自慢気にではなく、不安げに話す。

切れ長の目は、優しそうで、口角がキリッと上がった笑顔は、かなり好感度が高そうだ。

非の打ち所がない…とでも言おうか…。

確かに、沙友理さんのように不安になる人もいるかも知れない。

イケメンほど、彼女がいない…なんて言葉を言った人がいたけど、これなら頷ける。

そんな彼に寄り添う沙友理さんの笑顔が、心なしか、少し不安げな表情に見える。

「素敵な彼ですね。」

「…そうなんです。だけど、私、彼と居るとコンプレックスばかり感じて、なんだか幸せな気がしなくて…」

「あまり難しいことを考えないで、素直に今を楽しんでみては?」

「…そうですよね。最近彼が、『どうしたの?』とか、『楽しくない?』とか聞いてくるんです。さすがにまずいですよね。」

なんとも、答えに困ってしまいました。





未然 4

2022-03-09 09:29:08 | 日記
その後も、トントン拍子に二人は接近…。

…というより、優太さんの方が沙友理さんを気に入っていて、アプローチしている…という様子でした。

沙友理さんは…というと、

「私、本当に自分に自信が無いんです。私のような地味なタイプは、優太さんのような活発でモテる男性には似合わないと思うんです」


本来なら喜ぶべきシチュエーションなのに、物事が順調に行くと、ただただ不安になるタイプの人っています。

なので、とてもよく理解出来るし、あまり無理をせず、じっくり、ゆっくり進展させて欲しいと思っていました。

だけど、相手は待ってくれません。

「今度、○○に行こう!よく釣れるらしいよ!」

「釣りに行く話しをまとめるために、今夜食事をしよう!」

…優太さんさ、グイグイくるタイプ。

かなり戸惑いながらも、"今あるチャンスを逃したくない"と、心ならずも、断わることが出来ずに、前に前に進んでいました。

しかし、沙友理さんの不安は続いた。

未然 3

2022-03-08 09:41:01 | 日記
カフェでお茶をした二人。

すっかり意気投合して、楽しい時間を過ごした。

「あ、そういえば、沙友理さん、釣りが好きなんだって?」

「え?なぜ知ってるの?」

「同期だし、そんな話は聞こえてくるよ」

「女性で珍しいかな?」

「そんなこと無いよ!実は僕も釣りが好きなんだよ。今度ぜひ、一緒に行こうよ!

「え?うれしい!」

これは、もう、前進あるのみ!

…と、思いたいところですが、

沙友理さんは、それでも前進出来ないタイプでした。

『物事があまりスムースに進むことへの不安』を感じるタイプのようでした。