未然 39

2022-04-19 10:05:33 | 日記
「猫のお世話することを、申し出たら?」

…なんて、またいじわるな提案をしてしまった。

とにかく、優太さんは、嘘をついているだろうから、実家に来られたら困るはず。

いい加減、優太さんが、追い詰められてどうにもならなくなって、今の滅茶苦茶な状況を精算するなり…のことをして欲しい…とは思う。

…けど、間違いなく、沙友理さんは傷付く…。

やはり、いよいよとなって、沙友理さんが傷付いて悲しんで…どかにかなるのを、静観するしかないのか…💦



真央さんが来た。

「今日は、何だかテンション低めね。大丈夫?」

「…ちょっと…。」

いつもキラキラの真央さんの表情が沈んでいる。

彼と別れたんだろうか…。

「……実は私、昨日、思いきって彼に別れ話をしたんてす。」

いよいよ…。

「…そしたら、『別れたくない』と、泣き出して…💦」

「…え?!泣き出したの…?💦」

「はい…。」

「例のフェイスブックの画像を見た話はした?」

「いいえ、そこらへんは、あらためて浮気していたことを彼が認めるのを見なくないので、曖昧なまま、とにかく別れ話をしたんです」

「…泣き出したのね…💦💦」

策略なのか、本音なのか…。

ますます彼は、いろんな意味ですごい💦



未然 38

2022-04-18 10:18:19 | 日記
「一緒に暮らす…というのは、現時点では続けるつもり?」

「え?どうしてですか?」

「あ、いいえ、素朴な疑問なの💦」

優太さんとの『同棲反対』のキーワードが、私の頭の中でチラつく。

…なので、つい、本音が出てしまった。


「何も今すぐに結婚して欲しいとか言ってないのに…。とにかく、もう少し優太さんとの関係を進展させただけなのに。
優太さんの本心を知りたいだけなのに…。
疲れちゃいました。
お母さんのお見舞いもしたい…と言うと、あっさり断られるし…。どうやっても前に進んでくれない優太さん。私の何がいけないんだろう…。」

上手くいかない状態にため息をつく沙友理さん。

「沙友理さん、猫は好きでしたよね。」

「はい。大好きです。」

「猫のお世話することを、申し出たら?」


「あ、そうですね!それ、いいかも!そしたら、」


そして、今回も沙友理さんには"事実"を告げることが出来なかった。



未然 37

2022-04-17 10:46:30 | 日記
翌々日、めずらしく時間を開けずに沙友理さんが来た。

「お母さんのお見舞いに行けそう?」

「それが…、お母さん、入院したそうです。」

…え?入院?!

……そう来たか…。

あ、いやいや、ハナから"嘘"と決めつけるのはいけないが…。

嘘かも知れないお母さんの病気、そのお母さんに会わせて欲しいという沙友理さんの提案をどう乗り切るのか…と思っていたら、…まさかの入院…。

「それじゃ、お見舞いに…というか、お母さんに会わせてもらう件は、おあずけになったのね…。」

「そうなんです。病院へのお見舞いは遠慮して欲しい…って。」

「お母さん、入院されたってことは、実家には誰もいないんでしょ。そしたら、毎日沙友理さんのところに帰れるね」

…私も、ちょっといじわるだなぁ…と、思った💦

「…それが、猫がいて…、見てあげないといけないらしくて…。だから、今までと状況は一緒です。」

…そうか…、そう来たか…💦💦

彼はなかなかの策士なようだ💦

未然 36

2022-04-16 10:57:57 | 日記
真央さんが彼の浮気(?)を知っていた。

とりあえず、第三者の私には何も出来ない。

彼女の判断に任せるしかない。

その日は、重苦しい空気のまま、真央さんは帰って行った。



二日後、沙友理さんが来た。

「彼に話したんです。もっとちゃんと帰って来て欲しいって。そしたら、『心配かけてごめんね。そうするよ。』って言ってくれました。」

沙友理さんの方は、順調(?)のようだ。

「それじゃ、彼、実家に帰らずに、毎日沙友理さんのところに帰るって?」

「毎日は難しいみたい…。お母さんのこと心配しているみたいだし…」

「思いきって、お母さんに会わせてもらったら?」

「え?」

「ご挨拶とお見舞いも兼ねて…」

ちょっと意地悪な提案をしてしまった。

「…そうですね。お母さんに会ういい機会かも知れませんね。お見舞いもしたいし…」

沙友理さんは、私の提案を"良い提案"と受け止めたようだ。

この提案は、優太さんにとっては、かなり困るはず…。

きっと、お母さんの体調が悪いのも、本当ではないんじゃないか…と思う。

どう回避するんだろう…。





未然 35

2022-04-15 09:33:19 | 日記
「…で、どうするんですか?」

唐突に聞いてみた。

「…どうするか…。」

真央さんは悩んでしまった。

「変な質問してごめんなさい💦私も、少し前に、この事実を知って、どうするのがいいのか、ずっと心配していたんです。」

「…そりゃそうですよね。この状況を知ったら、戸惑いますよね…」

真央さんは、フェイスブックの画像を見つめたまま、しばらく黙ってしまった。

まさかの3人目の存在までは証せない💦

「本当は、この画像を見てから一度彼に会ってるんです。」

「え?!」

「…で、結局何も言えませんでした。元々問い詰めるつもりもありませんでしたけど…。ただ、このまま黙認も出来ないので、何かしらの答えは出そうと思ってます」

「…そうですね…」