未然 34

2022-04-14 14:13:33 | 日記
「私、この隣にいる女性も知ってます」

…え?

まさかの展開に言葉が出ない。

「ずいぶん前ですけど、ダイビング仲間が勤めている会社の飲み会に誘われて行ったことがあるんです。その会社って、彼の会社です。まだ、彼ともお付き合いをする前でした。彼は、その仲間に誘われてダイビングを始めたと言ってました。」

「その時に、彼女もいたのね」

「はい。人数はたくさんいたので、彼女は私のことを覚えていないかも知れないけど、私と同じイヤリングをしてたので、覚えてるんです」

まさか、真央さんが沙友理さんを知ってたなんて💦

「…偶然見つけたんです。フェイスブックの写真。まさか…と、思ったけど、彼女の顔も覚えてたので、逆光の彼も間違いなく優太さんだと確信しました。女の勘なのかも知れませんが、飲み会で会った時、彼女は優太さんのことばかり見てる気がしてましたから、彼女、優太さんを好きなんだろうなぁ…と、思ってたのを思い出しました。」

「…そうだったんですね…💦

とにかく、びっくりです。

未然 33

2022-04-13 09:40:58 | 日記
「頭痛が続いていて…、疲れてるのかも…」
いつも元気な真央さんが、体調不良を訴えた。
…今はそのタイミングではないのかも…。

それでも、その日の私は、なぜかしどろもどろで、話が混乱していた。

すると、真央さんが、スマホを取り出した。

「もしかして…」

「え?」

「これのせい…ですか?」

なんと、沙友理さんがフェイスブックに載せた優太さんとのツーショットの画像を開いた。

「………」

突然の展開に、言葉が出なかった。

「やっぱり…。これ気付いてたんですね」

「……はい」

「逆光で見えにくいですが、この男性は、間違いなく彼です」

「いつ、気づいたんです?」

「つい、先日です。

……私、この隣にいる女性も知ってます」

「え?!💦」

未然 32

2022-04-12 10:42:14 | 日記
「何かありました?」

私の様子がいつもと違う…という事を真央さんは気にしていた。

『このままでは良くない…、前向きで強い真央さんになら言えるかも…。』

…とは思ったけど、真央さんは前向きで強い…と言っても、人を好きになる思いは他人が簡単には図れない。

「私、変だったかな?」

…私の判断が正しくなかったら、真央さんを傷付けるのは間違いない。

「体調が良くない…といえば、最近私も、頭痛が続いていて…。時々めまいもするんです。」

「あら、大丈夫?」

「病院には行ってみたんですけど、何ともない…って。疲れてるのかな?」

…まだ、言うタイミングではないのかも…。










未然 31

2022-04-11 11:36:43 | 日記
優太さんは、真央さんとの"将来"を考えている…という。

将来、二人で海外に行こう…とか?

…でも、うまくいっているカップルの将来とは、やはり、結婚…だよね。

またしても、優太さんの冒険…というか、危険な冒険が進んでいるようだ。

「将来…とは、結婚…だよね。」

「はい。」

「…そうなんだ…。良かったね!」

「………。」

「……?」

「……何かあったんですか?

「…え?どうして?」

しまった…💦💦

『良かったね』…に、心がこもらなかったかも💦💦

「今までなら、本気で喜んでくれたり、心配してくれたりしましたよね。元気がないから…体調でも悪いんですか?」

「…あ、いいえ、そんなことないよ」

このまま、真央さんに本当のことを話してしまおうか…。

依存体質の沙友理さんと違って、真央さんなら言えるかも…。





未然 30

2022-04-10 10:01:03 | 日記
さらに、沙友理さんは、不安げに話す。

「彼、お母さんの件もあって、忙しく過ごしているのに、転職も考えてるらしくて。

「転職?」

「仕事場が一緒だから、週のうちの3日が帰って来なくても安心していたのに、転職をしたら、帰って来ない3日が心配になってしまう…」

沙友理さんは、依存体質のようだ。

「彼、次の仕事、見つけたの?」

「なんでも、スポーツクラブ的なところで働きたいって…」

「スポーツクラブ?インストラクターとか?」

「いいえ、わからないんです。」

…ダイビング関係だろうか…。

「あ、一泊だけど、二人で旅行には行ってきました。その時の写真をフェイスブックに載せたんです」

…え?フェイスブックに?優太さん的には、載せて大丈夫なんだ…?

見せてもらった。

二人の画像が載っていたが、優太さんは逆光で顔が見えにくくなっていた。




真央さんが来た。
もう、絶対、優太さんとの事の進捗状況を聞きたい!

沙友理さんと一緒に暮らす…という状態なら、真央さんに会う時間は少なくなっているはず。

「こんにちは!」

相変わらずキラキラしている。

「いいことあった?」

「いいえ、特にいいことがあったワケではないけど、悪いことも起きていないです」

「いつも、明るくていいね!…仕事も恋愛もうまくいってるのかな?」

さりげなく恋愛の話題に触れた。

「仕事は、思う以上に順調です。それは、恋愛もうまくいってるからかも」

「あ、なるほどね…。」

恋についての悩みが無いのに、そこら辺ばかりを掘り下げて聞くことはできにくい💦

「…でもね、彼、将来のことを考えてるみたいで…、取り立てて問題なく順調って感じかな?」

「将来?!」

少し声が大きくなってしまった。