目の力はまだ回復していない。車中で読み始めたところ、目が痛くなり、そのままにして
ぶらぶら日を過ごしながら読みかけの「巻き貝はなぜらせん形か」という本を再び読み始めた。
当時とは違って科学技術は発展しているけれど、バットが折れるのはなぜ?とか、先端科学へと発展した折り紙、雪の結晶を作った話・
大型恐竜は軽快に走れたか?など非常に面白い話題で古い本ではあるけれど、〇コちゃんに教えたくなったほどの本である。
著者は博識で、庭の形から平安時代に書かれたそうな「作庭記」にまで及ぶ「形」の哲学について、遊び心から発展した
話題が続いていく。尚、著者のホームページにはブッダが描かれ、地域の特徴をつかんでいるように感じた。造形にしても、気候やら地域は関係があるだろうか。
(森が深い場所では宗教建築物は尖塔のように高くなるし、空気が澄めば日本の寺院のように高くなくても横広がりの建築物になるとか、別の本が伝えていた。)
極めつけは、徒然草の引用 「すべて何も皆、ことのととのほりたるはあしき事なり。しのこしたるを、さて打置きたるは面白く、生き延ぶるわざなり」
トマス マン の「魔の山」から「これは、あまりにも規則的すぎる。生き物はこれほど対照的ではない。これほど完全な物は、死のにおいがする。想像主は、
この世のほとんどのものを、完全な対称性からすこしずらせて設計しているようだ」とある。
寺田寅彦さんのことも著者から新たに知り、興味深く読んだ。
「形の科学」とは、面白そうだ。これもフィボナッチを知ってから探し当てた本だった。