<日経ネットから抜粋>
★海外からの単純労働者受け入れ推進を、同友会が提言
経済同友会は人口減少や国際化に対応した「日本の競争力強化のための提言」をまとめた。政府が受け入れに慎重な海外からの単純労働者について「積極的に受け入れを推進すべきだ」と前向きな議論を求めたほか、海外からの投資も「進んで受け入れるとの姿勢を堅持すべきだ」とし、外資規制などは極力排除するよう訴えた。
提言では日本について「外なる国際化は進んでいるが内なる国際化は遅れている」と指摘。経済連携協定(EPA)を通じて海外からの単純労働者を受け入れるなどし、内外の人の流れを 円滑にするよう求めた。金融市場でも「外国人投資家を黒船や破壊者のごとく過度に警戒してはいけない」とし、活性化には積極的な受け入れが不可欠とした。
また、過去にも類似の提言が各方面から出ているが実現していないことについて「我々ひとりひとりが変革の実行者になる覚悟を持てきれなかった」と分析。「グローバル化の流れに食らいついていくという覚悟を持って、自らの『意識改革』を図るべきだ」と強い調子で改革を求めている。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080406AT3S0402506042008.html
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春は揚々、散り行く華は、川に水面をつくり、何処(いずこ)へ流れゆくのだろうか。
桜の花も満開の季節。新入社員や進学、転職によって春の陽気を受けて、心新たにする季節。それにも拘(かかわ)らず、今の日本の構造は、かつての一億総力戦で戦った高度経済成長期からバブル期というお祭り安定期を向かえ、現代は弱小強大社会へと変貌しつつある。弱い会社、弱い人間はより弱く。強い会社、強い人間がより強く。まさにそうした搾取状態がまかり通り、弱小企業に勤めるものは、強い大きな会社よりその命を削り取られながら生きているのである。無論、国際競争力というのは必要で、かつての日本製品は良いから高く売れる、高くても買うだったが、今はそれでは他の国にその市場を取られてしまうと言う事態になったことが、大きく響いている。
あえて、例を出すのであれば、約13年前に遡(さかのぼ)る。当時、RAMやフラッシュメモリといった市場で、東芝は非常に高品質で安定した価格で販売し、市場を独占していた。それに目を付けた韓国の財閥会社 三星電子が東芝と提携を申し出た。東芝は、それを快諾し、共同開発を行った。しかし、その結果はどうだったか?東芝の市場であったフラッシュメモリ市場は、数年も経たぬうちに、あれよあれよいう間に三星電子がトップシェアを築くと言う結果になった。何故か?東芝の特許を三星電子が使用するライセンスを取得したことに寄与する。技術を言葉巧みに盗み、そして、それに加担し、日本という国を売り飛ばした東芝。そして、自らの首を絞め、辛酸を舐める現在がある。
<以下は、東芝と三星電子の提携記事のアドレス>
http://www.toshiba.co.jp/about/press/1995_04/pr_j1801.htm
要するにお人好しで、他所(特に韓国や中国)の国に自分のところの宝を分け与えた結果、こうした事態を招いているのだ。これは、現在の本田技研工業にも言えることだろう。他所(韓国や中国)の国に寄与した知的財産が、そのまま運用され、自らの首を絞めているのだから、これほど滑稽な事は無いだろう。海外に出かけて、技術を切り売りしている他のメーカーでも同じだ。世界と協調して生きていくべきではあるが、他所の国に寄与してしまった技術は、取り戻す事ができない事をどうして判らないのだろうか?日本と同じ技術レベルであれば、コストが安い方が、確実に儲かる。こんなこと当たり前のことだろう。
こうした技術者の流出を止められない日本政府と企業が、今の日本をダメにしていっている。経済同友会の「海外から人を流入すればよい。」といった考えは、まさに売国状態だ。自分達の目先の財産だけを守ろうとするような老人達の意見に何時までこの国は振り回されるのだ。”老害”と言う言葉でも少しはかみ締めて欲しい。それが、異常な状態であると考えられないのであれば、この国は終焉に向かうだろう。
これから10年後どのような未来が日本に待ち受けているのか、それを本気で考えているだろうか?いくら財産があっても、技術が無くなれば、投資する以外での大量消費は見込めなくなるだろう。技術が売りである日本が、売るものが無い状態になったら、日本と言う国は遅かれ早かれ渇水するだろう。だからこそ、それを見越して”今”を考えるべき時に来ている。国を売る技術者(売国奴)を処分する法律を作成し、技術者保護の法案とセットで国会提出すべきだ。企業も技術者に対してその対価をきちんと払う義務があるはずだ。今後は開発者、技術者を安く使用するような会社は潰れるべきだと思う。”社員あっての会社”。そう宣言して欲しいと思うのである。
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以下は、東芝の社員が「うつ病」を発症し、自殺したことを受けての裁判結果である。夢見る会社が、実は地獄の一丁目であったとは、全く皮肉にもならない。
<東芝社員の自殺「過労でうつ病」労災認定 埼玉>
・東芝深谷工場(埼玉県深谷市)で働いていた男性(当時37)が自殺したのは過労によるうつ病が原因だとして、熊谷労働基準監督署が労災認定していたことが1日分かった。 会見した代理人は「同じ職場で同時期に別の社員が精神疾患になり、労災認定を求めて裁判中で、関連会社員も1人自殺している。東芝には労働環境の改善を強く求めたい」と話した。
代理人の川人博弁護士によると、男性は90年に技術職として入社し、00年10月に深谷工場に異動。01年1月ごろに液晶ライン立ち上げの業務に携わり始めてから、残業が月100時間を超え、多い月では約150時間に及んだ。同年10~11月にうつ病になり、12月6日(推定)に自殺。遺族が06年10月に労災申請し、今年3月14日に認定された。
東芝広報室は「労災認定されたことについて、これを事実として受け止め、今後対応していきたいと考えている」とのコメントを出した。
http://www.asahi.com/national/update/0401/TKY200804010350.html