<JR車内で強制わいせつ:京都新聞より>
米原署は19日、強制わいせつの疑いで、大阪市平野区平野西5丁目、自称 派遣工員 安岡 栄次容疑者(33)を逮捕した。
調べでは、安岡容疑者は18日午後3時半ごろ、JR東海道線の大垣-関ケ原間(岐阜県)を走行中の米原行き快速電車内で、隣席の大阪市内の専門学校生の女性(19)の右腕や腹を殴り、「言うことを聞かなかったら殺したるぞ」などと脅し、服の上から胸を数回触った疑い。
米原署によると、女性が車掌に被害を訴え、終点の米原駅で駆け付けた同署員に引き渡した。車両に乗客はおり、女性が「痴漢です」と助けを求めたが、通報する人はなかったという。調べに対し、安岡容疑者は「胸に手が触れただけで、故意でない」と容疑を否認している、という。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008051900069&genre=C1&area=S00
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いやはや、嫌な事件ですね。この事件を見た時に、昨年の四月、特急サンダーバード内で起きた事件を彷彿とされた方も居られるかもしれません。今回は、強制わいせつだけに留まりましたが、こうした犯罪を未然に防ぐ手立ては無いものかと考えると、女性側のみが多くの負担を背負うだけなような気もします。
かといって、アカの他人がそれを止めるのも、実際の話、なかなか勇気がいるわけで、そうした勇気を出せる人間が、乗車していないとなると自分に危険が及ぶ可能性があるので、皆知らん顔するんでしょうかね。取り分け、この日本では、事なかれ主義が蔓延しており、そうした正義感よりも自己防衛のみに走ってしまっていることが問題であるような気がします。
そうした意味でも、日本人が一丸となるべく徴兵制なんかがあると、そうした犯罪者どもを蹴散らすこともできるので、犯罪抑止の力としての一面もあるのでは、と考えてしまいます。
力が無いにもかかわらず、相手の暴力を止めようとしても、返り討ちに遭うのは目に見えてる訳で。
相手が刃物を持っていた場合、相手に刺し殺されてしまう危険性もある訳で。
乗務員や警察に通報しようにも、通報しようとしている様子を相手に見られて暴行を受ける可能性もあり。
仮に通報が成功し、相手が逮捕されたとしても、相手の逆恨みによる「お礼参り」に遭う危険性もあり。
それらの脅威から身を守る術が無いから、何も出来なかったのだ…自分はそう思います。
結局は「力無き正義は無力なり、正義無き力は暴力なり」なんですよね…。
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……。
………。
自分は、外出の際、特殊警棒・スタンガン・催涙スプレー・フラッシュライト・鉛入り防刃グローブ・安全靴…などを、肌身離さず持って出てますが、それでも、同じ場面に出くわした時、はたして、この女性を助ける事が出来たかどうか…。
確かに、この手の報道で思うのは、一番悪いのは犯罪者なのに、その犯罪者自身よりも、この犯罪者に対して、何らかの処置を取らなかった乗客達を暗に批判していることなんですよね。
でも、先日のニュース漬け3でお伝えしたように、女子高校生に乱暴しようとした男を勇猛果敢に成敗した中学校教師が居るという事実を見るにつけ、どうしてもそれを比較してしまう人間心理はあると思います。
それでは、自分も力があるかと問われれば、あるとは断言できません。ただ、人には知恵があり、それを使えば、困難もうまく切り抜け、突破口も見えると思うのです。
例えば、この電車内での痴漢行為を止めれるかと言えば、一人で立ち向かって、直に止めるのは難しいでしょう。それは自らを危険に晒す行為でもあるからです。それでも、別の車両に移って、携帯電話で警察に通報する事は、容易いはずです。また、JRでは異常を車掌に知らせるボタンがあるはずなので、それを押すことがそんなに困難であるとは、言い難いと思います。
寧ろ、今回のケースでは、自分は拘りたくないと、見てみぬ振りをして、他人事として思考を停止させてしまう集団心理の方が自分は気になります。一人で立ち向かえなんて、言う気は更々ありません。ただ、思考を廻らせ、知識と知恵を融合し、最善を尽くす必要はあったのではないかと思う次第です。