気分はガルパン、ゆるキャン△

「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

「倉野川」の倉吉をゆく シーズン3の1 「りんりん先生」

2016年07月04日 | 倉吉巡礼記
 鳥取県倉吉市の「ひなビタ」イベントキャラクターパネル探しが思った以上に難航したため、二回行っても全てのパネルを発見出来ませんでした。そこでGW期間の後に三度目の探索をやろうと決めましたが、その前に、鳥取市に住んでいた時期に色々お世話になったK氏に電話をかけました。
 驚くべきことに、私がまだ何も話さないうちに、向こうから「伯耆守か?」と訊いてきました。

「因幡守、なんで分かった?」
「簡単や。この番号を知ってるのは、今ではお前だけやからね」
「えっ・・・」
「久し振りやね。毎年の年賀状は頂いておったが、電話は五、六年ぶりかね」
「そうやなあ、最後に電話したんは、奈良市におった時やからな・・・、そうや、平城遷都1300年の式典に行こうって話やったか」
「そうそう。電話はそれ以来やがね、でもお前のブログは毎日読んでるから、そんなに距離感は無かったね。いつのまにか、また倉吉に行きだしてるから、いずれは連絡くれると思ってたね」
「ちょっと遅れて済まない」
「いや、こっちも4月に引っ越したばかりなんでバタバタしてたの。最近ようやっと落ち着いたね」
「どこに引っ越したの?」
「湯梨浜」
「湯梨浜・・・?」
「ああそうか、お前は知らなかったね。平成16年の市町村合併で東郷と羽合と泊を合わせて出来たんや」
「そういえば、先週に倉吉に行った時に湯梨浜学園ってペイントされたスクールバスを見た」
「ああ、湯梨浜学園なら近くだね」
「昔の行政区でいうとどの辺なのか?」
「東郷だ。山陰線の駅で言うと松崎」
「ああ、やっと分かってきた。東郷湖の南西やな、北へちょっと行くと倭文神社か」
「そうそう」
「ええとこに引っ越したね。一度遊びに行きたいなあ」
「来いよ来いよ、ただし今月いっぱいは用事がつまってるからちょっとね・・・、倉吉で会うのもええがね、来月ぐらいからならいけるよ」
「そうか、じゃあ、6月になったらまた電話する」
「分かった。で、また倉吉に行くのかね?」
「ブログに書いてるとおり、ひなビタのパネルを全部見つけてないんでね」
「そのようやね。しかし何だな、昔とはえらく違った趣味に没頭してるんやね」

 そう言ってK氏が笑ったのも無理はありませんでした。20年余り前に鳥取市に居た頃の私は、在野の歴史考古学の学徒としてひたすら研究三昧の日々を送り、K氏と共に「因伯古代寺院研究会」という研究サークルに参加し、専門の仏教美術史学を基盤にしての地方古代仏教文化へのアプローチを情熱的に行なっていたからです。論文も幾つか書きましたし、一部は研究雑誌などに掲載していました。

 それが、現在はガルパンのファンであり、ガルパン戦車プラモデルの製作を好み、倉吉では「ひなビタ」関連に興味を示しているわけです。えらい変わりようや、と呆れられても仕方がないところです。自分でも、苦笑せざるを得ません。


 ともあれ、K氏との再会は後日に期し、5月8日に倉吉に行きました。三度目なので、今度こそは残りのパネルを全て見つけなければ、という気持ちでした。

 ガルパンの大洗でも、全てのキャラクターパネルを見たのは三度目の訪問時でした。が、大洗のほうではパネルの数や位置情報が事前に分かっていましたし、パネルの移動や変更がありませんでしたから、見つけるのに苦労はありませんでした。

 しかし、ここ倉吉では、パネルの総数さえも分からないのです。30枚未満であろう、との推測しかありませんし、位置情報はまったく示されていませんでした。


 それでいつものように観光駐車場から街並みに進んで本町通りの交差点に着きました。足を止めて上図の春日咲子のパネルをしばらく見ていました。どこから始めてどのように探したものか、と思案しましたが、これといって良い案も浮かびませんでした。


 あるお店のウインドーに貼ってある、ひなビタ公式のちくわメニュー案内です。ひなビタの倉野川市民は同時に「ちくわ軍」でもありますので、倉吉に行ったら必ずどこかでちくわメニューを食べるわけです。


 そういえば、朝から何も食べて無かったな、と気付きました。朝6時に家を出て、ずっと車で走り続けて倉吉に入ったばかりだったからです。
 よし、まずは朝食を食べよう、と思い、朝食がいただけるお店の一つを目指しました。


 この「あじくらや」が、打吹玉川地区の街並みにおいて朝食がいただけるお店の一つです。一般の観光ガイド類では、ラーメン店として紹介されていることが多いので、朝食メニューがあることは余り知られていないようです。


 席からは、連子窓越しに街並みの景色が楽しめます。店舗の建物も古いものを改装しているようですが、外観も内装も古建築の風味を保ったままなので、自然と心が落ち着きます。


 店内を見回した途端、目にとびこんできたのが「りんりん先生」こと霜月凛のパネルでした。しかも演奏姿です。これにはびっくりしてしまいました。


 それで写真を撮っていると、店の若主人が笑いながら「本当は外に出して皆さんに気軽に見ていただきたいんですけどねえ、ちょっと事情がございましてね・・・」と話しかけてきました。
「ああ、分かりますよ。重伝建のあれでしょう」
「あっ、御存知でしたか。そうなんですよ、町並み景観の維持ってやつでしてね」
「今まで色々パネル見てきてますけど、みんな店のウインドー内とかにセットされてますもんね。外に立てて出したらアカンのやろな、というのは大体察しがつきますんでね、でもこういう形で店内の奥にあったりすると、外からは全然見えないですね」
「それなんですがね、本当に申し訳ないんですがね、ここしか置ける場所が無いわけでして」
「分かります。見つけた時はびっくりしましたが。・・・もしかして、他にもこのように奥に置いたりしている店がありそうですね」
「ああ、それはありますよ。ウチの他に二軒ぐらいあると聞いてます。外から見えないので、中に入っていかないと分からないのがね」

 そういうことか、と納得しました。今まで見つけられなかったパネルは、おそらく設置店舗の内部の奥に置いてあって、その店で食べるか買い物するかしないと、パネルの位置も分からない仕組みなのかもしれない、と気付きました。これは重要なヒントだ、と思いました。


 霜月凛は、日向美ビタースイーツではボーカルおよびギターを担当しています。その愛用ギターは御覧のとおり「Fender Jazzmaster」です。1958年発表モデルならばでの渋い黒檀カラーが「りんりん先生」の黒のイメージにマッチしています。

 いずれにせよ、ようやく未発見のパネルの一枚を見つけました。これは朝から幸先がいいぞ、と思いました。重要なヒントもいただけたし、頑張れば更に見つかるかもしれない、と心が躍りました。


 今回いただいた朝食は、この「チャーシュー目玉焼き定食」です。お値段は550円なり。


 朝から肉と卵を食べれば、元気も出てまいります。これにチーズを加えれば、話題のMEC食に近いメニューになりますね。
 「あじくらや」の案内情報はこちら。 (続く)

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6 コメント

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Unknown (おかあき)
2016-07-04 17:50:23
チャーシュー目玉焼き定食ですか?!
いかにもラーメン屋さんの朝ごはん(まかない)といった感じで、東京ではありそうでないメニューですね。
食文化も、地方を訪ねる楽しみのひとつですね!
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ラーメン屋さんの朝ごはん (ホシノ)
2016-07-04 18:33:58
東京のラーメン屋では見かけませんか。
鳥取や倉吉では、ラーメン屋というのは大衆食堂に近い形態のところも多いので、朝食や夕食で定食メニューをいただけるところがありますよ。

夏に倉吉に行かれるんですか?
当方は、8月6、7日の「倉吉打吹まつり」に行きます。倉吉では一番の夏祭りイベントですが、今年からひなビタとのコラボもやるらしいので。
返信する
パネル情報 (トオル)
2016-07-08 13:26:12
大洗と違ってパネル情報がない倉吉市で全てのキャラPOPを探すのは容易ではないですね…。自治体の規模の大きさといい、キャラPOPの少なさからくる集中密度の低さ、重伝建による 表に出せない事情、定期的に移動するキャラPOP…。ここまでくると定期的に来訪してくれる施策と云うよりも寧ろゲームを楽しむ感覚に近いですね。トレジャーハントの様な感覚とUFOキャッチャーの様に目標を捉えた時の達成感に近いものを感じますね…。
位置事情が存在しないのはマンネリ化を防ぐ意味と文化材を持つ市内を隅々まで 回覧して貰う意味では効果的な成果を上げられるのかもしれませんが、大洗の様にリピーター層を培養していく点でどこまで効果を上げられるかが今後の課題ですね…。
ところでキャラPOPは倉吉市で管理されているものなので、過去に貸し出された店舗リストがあったり閲覧が出来ても良さそうだと思うのですが、実際どうなんでしょうか?こうした過去の位置事情からぎゃくに傾向を読み取ったり予想出来ないものですかね…。遠方巡礼者にとって位置事情無くして歩き廻るのは成果無くして徒労に終わる様なものですからね。何か分かった点がありましたらまた教えて下さい。
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Re. パネル情報 (ホシノ)
2016-07-08 14:38:00
いやー、倉吉でのパネル探しは本当に手間取りました。でも探す楽しみというのが大洗の時とは比較にならない深さでして、まさにトオル様の言われる「トレジャーハントの様な感覚とUFOキャッチャーの様に目標を捉えた時の達成感」が味わえました。

ただ探すだけでなく、街の人々と話したりしながら情報を得てゆくケースもあったので、アドベンチャーゲームのような感覚がありました。
街の人々も正確な情報をあまり知らずに伝聞や推測をまじえて語られるので、そこをどう考察して判断して探すかという、探偵小説みたいな流れになります。

巡礼ファンは圧倒的に20代、半数は女性、関東地区から夜行バスで何度も訪れている人が多いです。顔見知りの人も数人出来ました。リピーターも意外に多いみたいですよ。
前回も千葉県市川市の女性巡礼の方と倉吉で会って挨拶して少し話したりしましたが、その人は月一回、品川からの夜行バスを利用し、倉吉行きは七度目だったそうです。大阪や京都へ行くよりも倉吉の方が近い感じがするとか言ってました。

トオル様はあまり御存知ないかもしれませんが、東京圏から倉吉へは夜行バスの直行便がありますが、大阪圏からは全く無いのです。列車利用でも三時間はかかりますし、高速バスの便すら無いという不便さです。車でないと行けない、というアクセスの悪さがネックとなって、倉吉巡礼ファンの半数以上を東京および関東圏の方が占めると言う現象が出ています。
私が京都から水戸まで夜行バスで行ってるのと同じような感覚なのでしょう。

>キャラPOPは倉吉市で管理されているものなので、過去に貸し出された店舗リストがあったり閲覧が出来ても良さそうだと思うのですが

それが全く有り得ないのですね。倉吉市観光交流課の広報でもツイッターでもパネルの情報は一切出ません。配置店舗リストは、ファンの方で臨時的に作ってるのがたまにありますが、位置が時々変わりますから、あんまりアテにされていないようです。

でも、ファンの大多数は、倉吉市のたたずまいに「倉野川市」を疑似体験出来ればもう最高なわけですから、パネルが見つからなくても気にしないようです。たまたま見つけて、あっラッキー、程度で終わってるみたいですし、それよりは「ちくわパフェ」が食べたい、「ちくわ軍戦闘食糧」が食べたい、となるようです。

なので、大洗のガルパンファンとはまた違った形で、ひなビタ「倉野川市民」は倉吉に魅力を感じて何度も訪れていくようです。

やっぱり年齢層が全然違いますから、ガルパンさんとは行動パターンや思考も異なります。女性が多いので、「あっコレ可愛い」「あれとても綺麗」というのがあれば飛びついているわけです。
アニメじゃなくて音楽配信コンテンツですから、自分で機器を持参して聴きながら散歩している方も多いです。パネルは、たぶん「倉野川市」演出のパーツに過ぎないのだろうと思います。

次のイベントは8月6、7日の「倉吉打吹まつり」ですが、既に宿泊施設はほぼ満員らしく、4月の桜まつりに集まった6000人を超える人数が集まるものと予想されています。今度は私も乗り込みますので、たぶんレポートもお送り出来るかと思います。
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コンセプトの違い (トオル)
2016-07-09 00:56:21
なるほど…。確かに私が言っていたものよりもホシノ様が仰っていた“アドベンチャーゲーム”の方が核心をついたものがありますね。
自分自身が参加し、旅や散策をし、キャラPOPや行く先々のお土産やご当地の特産物をGETする。プレイフィールドが倉吉市で自分自身がキャラ(プレイヤー)と考えれば分かりやすいですね。ゲームの世界でもアドベンチャーゲームは面クリアするのに時間も掛かるし、難しいのに実世界の“アドベンチャーゲーム”はかなりの時間と労力とお金(巡礼地旅費・宿泊費)を要しますね。ただゲームオーバーはありませんから様々な形の物語やシナリオが生まれますね。
アニメキャラPOP巡礼地とはまた違った取り組みですね。本来の観光の在り方から見ればコンテンツ産業のキャラPOPは巡礼のきっかけとなる誘導物や媒体であってそれ以上でもそれ以下の役割でもありません。あくまでキャラPOPは町の宣伝告知の役割の脇役でしかありません。要は観光地としての本来の魅力をいかに引き出して伝えられるかに心掛けている様ですね。倉吉市は“ゲーム参加型”の巡礼地としての成功を収めつつある様です。

一方大洗町は実在する街を舞台に巡礼者が身を置き、架空の物語やキャラの足取りや想い入れを“共有”する、また“疑似体験”すると云った事に尽きると思います。いわば“テーマパーク型”に分類出来るのではないでしょうか?

東京ディズニーランドやユニバーサルスタジオが非日常世界を演出する為に人工建造物を用意して来場者がキャラクターを“疑似体験”する様にガルパンの世界では実在する大洗町が“疑似空間”を演出し、巡礼者がそれを楽しむと云った具合です。両者とも非常によく似た構図ですね。
また大洗で特筆すべき点は巡礼者が単なる“見学者”として身を置くか寄贈品提供してキャラPOP店やお世話なっているお店に肩入れしたり相談役になってサポーターとして身を置く“参加型”のいずれかに分類されるのではないでしょうか?

大洗町も倉吉市も手法や取り組みがそれぞれ異なり、町に根ざした事情も扱うコンテンツも違い、観光地の在り方やコンセプトもまるで違うので成功者としての両者の取り組み方を引き続き見守っていきたいと思います。
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Re. コンセプトの違い (ホシノ)
2016-07-10 21:36:22
御指摘の通りです。倉吉市のケースはゲーム参加型ですね。「ひなビタ」はもともと音楽配信コンテンツ、音楽ゲームのコンテンツですから。
なので、コンセプトの違いだけでなく、ファンの訪れ方や頻度にも違いがありますね。ガルパンの大洗は、別名「ガルパンランド」というらしいですので、トオル様の「テーマパーク型」という表現は的確ですね。そうであれば、何度でも行ってリピーターになる形が多くても不思議はありません。

倉吉「ひなビタ」のほうはゲーム参加型に加えて、ストーリーの舞台が架空の域を出ておらず、元ネタが倉吉市であるというに過ぎませんので、大洗のように劇中に出てきたスポットを回る、という形の巡礼ではなく、街全体に「倉野川市」の面影を追いかけて感じて擬似体験するという、いわばフィーリングゲームの面もあると思います。
そういうのは、二、三度行けば充分に味わえますから、あとは市がしかけてくるイベントに行って楽しめればよい、というのが「ひなビタ」巡礼者の傾向であるように思えます。
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