ポール牧さんが亡くなった。飛び降り自殺という形で、自らの人生に幕を引いてしまったのだが、一報を耳にした時には「まさか!?」という驚きと共に、心の中を喪失感で覆われてしまった。
御笑い大好き人間である事は、此処でも何度か触れているが、好きな芸人の一人がポール牧さんだった。最初に彼を知ったのは、30年以上前のTV番組だった。大正テレビ寄席か何かだったと思うが、今は亡き関武志さんと組んだコント・ラッキーセブンとしての舞台だったのだが、兎に角、面白くて腹を抱えっ放しだった。キザで詐欺師チックな風貌のポールさんが、指を鳴らしながらクルクルと実にキザに回転しながら登場し、軽く自己紹介すると、客席から工事現場のおっさんの格好をした関さんが、酔いどれた足取りで舞台に這い登って来て、それをポールさんが「御客様、御客様、舞台に上がって来られては困りますよ。」という静止する御決まりのパターンが、読めてはいるものの何度見ても爆笑モノだった。*1
絶妙のボケをかます関さんに、キザなポールさんが鋭く突っ込みを入れる。これぞ昭和の芸人と言える、素晴らしい芸だった。飲んだくれた役の関さんが、時折ドキッとする様な世相風刺を漏らす所等は、身内いじりや客いじり、団体感動モノ企画等で御茶を濁している芸無し芸人が幅を利かせている今、見習って欲しい所で在る。「正しい日本語講座」や「タクシー運転手と客」といったコントは、本当に絶品だった。
関さんが亡くなられて以降、ポールさんは役者の仕事もする様になったのだが、常に浅草芸人としての矜持を持ち続け、笑いの場に軸足を置き続けていた人だった。御笑い番組で「指パッチンを10秒で何回出来るか?」というクイズが出され、相変わらずのキザな回転技を交えてトライしたポールさん。*2
「ビートたけしのオールナイトニッポン」では、「村田英雄のデカ頭コーナー」や「ガッツ石松コーナー」と並んで、ポールさんのキザなエピソードをリスナーが創作投稿した「ポール牧大先生コーナー」が大人気で、自分も毎週夢中になって聞いていたのが懐かしい。
ポールさんが座右の銘とし、好んで色紙に書いていた言葉は「どうらんの下に涙の喜劇人」だった。
どんな時でも、自分を殺して客に笑いを提供しなければならない御笑い芸人。近しい者の死に直面しようが、どれだけ辛い事を抱えていようが、一度舞台に上がればそんな姿を客には全く見せる事無く、笑わせる事に徹する因果な商売。どうらんが塗りたくられた顔の下で、幾つもの涙が人知れず流されていたのだろう。だからこそ、芸人の死には一般人以上の寂しさが漂う。ましてや、愛人に刺殺された佐々木つとむさんや、今回のポールさんの様に、無念の内に生を終えなければならなかった場合、一層その思いが募る。
又、一人大好きな芸人が逝ってしまった。
合掌。
*1 地方の舞台で、客席から這い上がって行こうとする関さんを、本物の客と勘違いした客席のヤクザが、「芸人さんが一生懸命舞台やってるのに、失礼だろ!」と一喝。御蔭で、関さんが舞台に上がれなくなってしまい、ポールさんが舞台でどうして良いのか、オロオロしするばかりだったというのは有名な話。
又、ピップエレキバンの「ダッダーン、ボヨヨンボヨヨン」というCMの振り付けも、確かポールさんが担当したと記憶している。
*2 「つれづれフォト日記」様の記事内動画で、ポールさんの雄姿を見る事が出来る。指パッチンのし過ぎで、ポールさんの指紋が無くなってしまったという伝説は本当なのかも(笑)。
御笑い大好き人間である事は、此処でも何度か触れているが、好きな芸人の一人がポール牧さんだった。最初に彼を知ったのは、30年以上前のTV番組だった。大正テレビ寄席か何かだったと思うが、今は亡き関武志さんと組んだコント・ラッキーセブンとしての舞台だったのだが、兎に角、面白くて腹を抱えっ放しだった。キザで詐欺師チックな風貌のポールさんが、指を鳴らしながらクルクルと実にキザに回転しながら登場し、軽く自己紹介すると、客席から工事現場のおっさんの格好をした関さんが、酔いどれた足取りで舞台に這い登って来て、それをポールさんが「御客様、御客様、舞台に上がって来られては困りますよ。」という静止する御決まりのパターンが、読めてはいるものの何度見ても爆笑モノだった。*1
絶妙のボケをかます関さんに、キザなポールさんが鋭く突っ込みを入れる。これぞ昭和の芸人と言える、素晴らしい芸だった。飲んだくれた役の関さんが、時折ドキッとする様な世相風刺を漏らす所等は、身内いじりや客いじり、団体感動モノ企画等で御茶を濁している芸無し芸人が幅を利かせている今、見習って欲しい所で在る。「正しい日本語講座」や「タクシー運転手と客」といったコントは、本当に絶品だった。
関さんが亡くなられて以降、ポールさんは役者の仕事もする様になったのだが、常に浅草芸人としての矜持を持ち続け、笑いの場に軸足を置き続けていた人だった。御笑い番組で「指パッチンを10秒で何回出来るか?」というクイズが出され、相変わらずのキザな回転技を交えてトライしたポールさん。*2
「ビートたけしのオールナイトニッポン」では、「村田英雄のデカ頭コーナー」や「ガッツ石松コーナー」と並んで、ポールさんのキザなエピソードをリスナーが創作投稿した「ポール牧大先生コーナー」が大人気で、自分も毎週夢中になって聞いていたのが懐かしい。
ポールさんが座右の銘とし、好んで色紙に書いていた言葉は「どうらんの下に涙の喜劇人」だった。
どんな時でも、自分を殺して客に笑いを提供しなければならない御笑い芸人。近しい者の死に直面しようが、どれだけ辛い事を抱えていようが、一度舞台に上がればそんな姿を客には全く見せる事無く、笑わせる事に徹する因果な商売。どうらんが塗りたくられた顔の下で、幾つもの涙が人知れず流されていたのだろう。だからこそ、芸人の死には一般人以上の寂しさが漂う。ましてや、愛人に刺殺された佐々木つとむさんや、今回のポールさんの様に、無念の内に生を終えなければならなかった場合、一層その思いが募る。
又、一人大好きな芸人が逝ってしまった。
合掌。
*1 地方の舞台で、客席から這い上がって行こうとする関さんを、本物の客と勘違いした客席のヤクザが、「芸人さんが一生懸命舞台やってるのに、失礼だろ!」と一喝。御蔭で、関さんが舞台に上がれなくなってしまい、ポールさんが舞台でどうして良いのか、オロオロしするばかりだったというのは有名な話。
又、ピップエレキバンの「ダッダーン、ボヨヨンボヨヨン」というCMの振り付けも、確かポールさんが担当したと記憶している。
*2 「つれづれフォト日記」様の記事内動画で、ポールさんの雄姿を見る事が出来る。指パッチンのし過ぎで、ポールさんの指紋が無くなってしまったという伝説は本当なのかも(笑)。
私も癖でよく指パッチンをしているんですが、指紋がなくなってしまうんでしょうか??
芸人さんの自殺はかなしいですね。
その原因が仕事がすくなってきたということですが、
芸で生きてきた人にはつらかったと思います。
また芸人の匂いのする人がいなくなっちゃいました。
「お笑い」テレビタレントは有象無象増えましたけど、興味ないですねえ。
基本的に、書き込みして下さった方のブログへ、直接レスを付けさせて戴く形を取っているのですが、貴ブログのURLを失念してしまった為、こちらに書き込む失礼の段を御許し下さい。
ポール牧さんが自ら命を絶たれた背景には、彼が抱えていた病気が大きく影響していた様です。前夜に治療薬と御酒を一緒に飲んでいた様で、「判断力を失わせる、非常に危険な行為。」と語る医師のコメントも在りました。
コント・ラッキーセブン時代からのファンでしたし、御笑いタレントというよりも、”(浅草)芸人”という呼称の方がピッタリ来る、真の意味での芸人の香りを持った方でした。本当に寂しいですね。
これからも宜しく御願い致します。
好きな芸人が、次々と鬼籍に入られ、とても寂しい気持ちです。
ウルトラクイズ見たいっすね。
合掌
基本的に、書き込みして下さった方のブログへ、直接レスを付けさせて戴く形を取っているのですが、貴ブログのURLを失念してしまった為、こちらに書き込む失礼の段を御許し下さい。
HNの「ニートきよし」、センスの良さに脱帽です(笑)。あの山形弁が思わず脳裏に浮かんで来ました。本物のビートきよしさんは、タレント活動と平行して(実際には開店休業状態(^o^;;;?)、ラーメン屋を営業しているのだとか。そのお店で自分も働いていると、先日TV番組で話されてました。松本竜介さんも風俗関係の仕事をしていると以前雑誌で取り上げられていましたが、漫才コンビって得てして一方が残り(ビートたけしさんや島田紳助さん等。)、片方は消えちゃうってケース多いですね。
ウルトラクイズは、ダチョウ倶楽部が世に知られるきっかけとなった番組でしたよね。「天才たけしの元気が出るテレビ」やこのウルトラクイズ等、昔の番組はハチャメチャでしたがオリジナリティーやパワーを感じさせるものが多かった様に思います。自分もあの番組、又見たいですね。
これからも宜しく御願い致します。