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或る朝、コルター・スティーヴンス(ジェイク・ジレンホール氏)は列車の座席で目覚める。目の前の女性(ミシェル・モナハンさん)が、親し気に話し掛けて来る。だが、コルターには自分が何故此処に居て、彼女が誰なのか全く判らなかった。陸軍大尉のコルターは、アフガニスタンで戦闘ヘリを操縦していた筈だったから。 戸惑い乍ら鏡を覗き込んだ彼の眼には、見知らぬ別人の顔が映っていた。所持していた身分証明書に記されていたのは、「ショーン・フェントレス:教師」という文字。其の時突然、車内で大爆発が発生し、コルターは為す術も無くなく炎に飲み込まれて行った。 意識を取り戻した彼が居たのは、見覚えの無い薄暗い密室。そしてモニターには軍服姿の女性、グッドウィン大尉(ヴェラ・ファーミガさん)が映し出されていた。列車の爆発事故に付いて彼女から質問されるが、コルターは状況が全く飲み込めず、回答する事が出来ない。彼女が“包囲された城”と呼ぶ此の空間は、何かの研究室らしかった。朝7時48分に列車爆破事件が発生した事は事実で、コルターの任務は、乗客で在るショーンとなって車内を捜査し、爆弾魔を特定する事だと言う。 何故か再び列車に戻されたコルターは、次第に状況を理解して行く。目の前の女性の名はクリスティーナ。コルターが繰り返し列車に戻るのは、“ソースコード”というラトレッジ博士(ジェフリー・ライト氏)が開発中の極秘実験による物。此れによってコルターの意識はショーンの身体とリンクし、「死亡する迄の8分間」を繰り返し体験出来るのだ。 5回目のスリップで彼は、アフガニスタンに向かったコルターに付いて調べてくれる様、クリスティーナに依頼する。そして明かされる衝撃的な真実。“ソースコード”には、未だ知らない秘密が隠されていた。 様々な疑問が浮かぶ一方で、コルターはクリスティーナに特別な思いを寄せる様になる。彼女を救う為にも、爆弾犯を捜し出そうと8分間のミッションを繰り返すが、其の先に待ち受けていたのは、想像を絶する運命だった。 ***************************** 映画「ミッション:8ミニッツ」を見始めてから暫くの間は、登場人物のコルター同様に、自分もどういう状況なのかがさっぱり判らなかった。徐々に状況が判って行く訳だが、コルターがスリップを繰り返す毎に「其の時の状況」が微妙に変化して行き、「タイム・パラドックスではないのか?」と思ったりもしたが、「現実」と「ヴァーチャル」の境界線が曖昧昧な感じも在ったりで、其れは其れで面白かった。
「今のコルターが、どういう状況に在るのか?」は話の中程で大体察しが付いたけれど、「今のコルターの姿」を目にした時は結構なインパクトが。
一応はハッピーエンドの形。でも、判った様で良く判らない結末とも言える。総合評価は星3つとしたい。