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「都立高校の教員が体罰 生徒引き摺る動画がネットで拡散」(1月18日、朝日新聞)
東京都立町田総合高校(町田市)で、男性教員が生徒に暴力を振るっていた事が18日判った。
其の際の様子を映したと見られる動画【動画】がツイッター上で拡散。学校側は、動画の内容を把握し、「教員が体罰をした。」と取材に認めた。都教育委員会も報告を受けており、処分を検討する。
同校によると、校内で体罰が在ったのは15日。ツイッター上の動画では、教員と見られる男性が口論の後、生徒の顔に手を出し、倒れた相手を掴んで引き摺る様子が撮影されていた。男性が「巫山戯んじゃねえよ。誰に言ってるんだよ。」と怒鳴り、他の生徒が止めに入る様子も在った。
同校によると、生徒は口の中が切れる怪我をした。男性教員は「感情的になってしまった。反省している。」と話し、現在は生徒指導から外れていると言う。信岡新吾校長は「体罰は駄目だと常々、教員に指導して来た。生徒に申し訳無い。」と話した。
都教委にも15日、学校側から「体罰が在った。」と報告が在ったと言う。
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又、13年前の記事「教育再生」の中で、自分が学生だった頃の“度が過ぎた校則”及び“教師の過ぎた体罰”に付いて、そして15年前の記事「教師の恐喝事件、闇に葬られる」では、恐喝事件を繰り返していた教師が“野放し状態”になっている事を記した。
だから、教師を一方的に擁護する気は全く無いけれど、どんな組織にも“問題人物”というのは、昔も今も存在している物だし、教育現場だけが突出している訳では無いとも思っている。
何度か過去に書いた事だけれど、教育現場に従事している知人が何人か居り、教育現場の現状を聞く機会が結構在る。“教師自身の質の低下”を感じる事も無い訳では無いが、話から強く窺い知れるのは「生徒、そして其れ以上に親の質が低下しているなあ。」という事。勿論、きちんとした生徒や親も少なからず存在しているとは思うが、異常としか思えないレヴェルの生徒や親も又、少なからず存在している様だ。
詳しくは書けないけれど、親に関して言えばモンスター・ペアレントも然る事乍ら、子にドメスティック・ヴァイオレンスを振るう親の多さには愕然とさせられた。こんな親に育てられた子供は、不幸としか言い様が無い。
で、話を冒頭のニュースに戻すが、暴力を振るわれたのは、高校1年の男子生徒・A君。暴力を振るったのは、生徒指導を担当する50代の男性教師B氏。A君とB氏は生徒指導を巡って対立する関係に在り、A君が学校にピアスを着けて来た事をB氏が注意し、今回の暴力事件に到った様だ。
過去に書いている事だが、「原則として、体罰は許されない。」というのが自分のスタンス。だから、今回A君に暴力を振るったB氏は、決して許される事では無いと思う。でも、「じゃあ、暴力を振るったB氏だけが悪いのか?」という思いも在る。
自分は当事者では無いので、今回の事件に関する“様々な報道”及び“拡散された動画(ノーカット版)”で判断するしか無いのだが、「B氏に反感を持つA君(及び其の取り巻き)によって、B氏が嵌められた可能性“も”在るのではないか?」という気がする。
「動画が絶妙の角度から“隠し撮り”されており、“撮り手”の『ツイッターで炎上させるぞ!』という発言や笑い声が入っている。」、「A君が意図的にB氏を挑発し、暴力を振るう様に持って行っている様に感じられる。」というのが、「嵌められたのはないか?」と感じる理由だ。
2年前の記事「『教員のスキル・アップを図る。』という問題か?」で取り上げた事件の様に、面白おかしく撮影している連中は論外。又、どんな理由が在るにせよ、暴力を振るった教師が許される訳では無い。でも、今回暴力を振るわれた生徒も、問題が無かったとは思えない。「生徒からの信頼も厚く、とても暴力を振るうなんて考えられない。」という、同校の卒業生の声がニュースで報じられてもいたし。
確かに「暴力沙汰」を想定して予め撮影体制に入っているから、偶然撮ったのではないでしょうね。
一連の経過から「嵌められた」という印象は否定できないと思います。
校長等学校側は教師に一方的に非があると指摘しているようですが、前後の経過をきちんと調べたうえで総合的な判断を下さないと、いじめ事案に蓋をするのと同じで問題の解決にはならず、むしろ子供たちに「気に入らない教師は挑発して追い込み辞めさせればいい」と、間違ったメッセージを発信することになるでしょう。
昔のように教師が一方的に体罰を加えるのは論外ですが(私にもビンタされた経験あり)。
自分も悠々遊様と同様、学生時代に(一部の)教師の理不尽な対応に憤りを感じた人間ですので、教師の暴力に関してはどうしても受け容れられない物が在ります。
でも、今回の件に関して言えば、「生徒に嵌められたな。」と、件の男性教師に同情の思いが在りました。案の定と言うべきか、昨日辺りから“生徒サイドの陰謀”を示唆する証言が、生徒達の間からも出て来ている様ですね。
件の男性教師の暴力は絶対に許される物では無いけれど、“冤罪”の部分はきちんと救済しないと、性質の悪い(一部の)生徒達を増長させるだけ。其の辺は、きちんと対応しないといけないと思います。
で、今回の一件を受け、気になる点が。「切り取った動画を放送し、男性教師に対して批判的な姿勢を見せた番組が在った事に対し、『だから、“マスゴミ”は駄目なんだ。矢張り、YouTubeの様なメディアじゃないと、正確な情報は得られない。』という声が出ている事。」です。自分が知る限り、きちんと全てを報じていた番組も在りましたし、十把一絡げにマスメディアを批判するのはどうかと思うし、今回は“加工されていない動画”も在ったけれど、じゃあYouTube等で取り上げられている動画が、全て加工されていないかというと、そうではないと思うから。」です。アメリカも日本も為政者側は、自分達に不都合な報道は「捏造だ!」と叫んでいる昨今。「マスメディアは全て捏造で、個人が発信している情報だけが正しい。」とするのでは、おかしな為政者達に“免罪符”を与えるだけだと考えます。