紅白改革する前に

今年の紅白歌合戦の出場歌手に付いて、半数を一般からの世論調査で選抜するのだとか。年々下がる視聴率のアップと、相次ぐ局員の不祥事で受けたダーティーなイメージ払拭を企図したものであろう事は容易に見当がつく。しかし、どんなメンバーを選んだ所で、紅白特有の”ベタ”な演出を続けるのであれば、自分の様に気恥ずかしくなって、チャンネルを切り替えてしまう視聴者多いのではないだろうか。さしずめ、今年は「冬ソナ」人気にあやかって、関連コーナーが設けられるのが予想される。前川清辺りが、カツラ＆眼鏡で微笑みながら出て来て、他の歌手達が「あんた誰？」と聞き、「僕、ヨン様。」と答える前川に、全員がずっこける。その後、本物の冬ソナ・メンバーが登場という様な展開が安易に思い浮かぶ。紅白では、こういったベタな演出が百年一日の如く続けられているが、或る意味、これは定型化された「様式美」の範疇なのだろう（笑）。もっと、洒落た演出をすれば、より広い層に受け入れられる気がするのだが。

しかし、紅白改革をする前に、ＮＨＫ自体の腐った体質を抜本改革する必要があると思う。相次ぐ局員の不祥事だけではなく、トップの海老沢会長自身にもブラックな噂が多く聞かれる。トップが腐ると、末端も腐るというのは世の常だが、実質的な特殊法人であるＮＨＫには、より高度な透明性＆健全性が求められるべきである。天下り機関や利権の温床になってはならない。

今回の一連の不祥事で、会長たる海老沢氏が受ける処分は「減給３０％、３ヶ月」というもの。”海老沢天皇”とまで呼ばれ、ＮＨＫを牛耳っている状況を鑑みると、処分の軽さが否めない。ここは、海老沢氏の辞任を含む人心一新と、徹底的な組織改革が必要と思う。愚直にも、受信料を欠かすことなく払い続けている自分には、この様な意見を述べる資格があると思うのだが。