ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「刑事の子」

2011年11月15日 | 書籍関連

*****************************

中学1年生の八木沢順は、刑事で在る父・道雄が離婚した東京下町に引っ越す事となった。開発が進む其の町で、優しい家政婦のハナとの3人の生活に慣れた頃、奇妙な噂が流れ込む。近くの家で人殺しが在ったと言うのだ。

 

そんな噂と共に、バラバラ殺人事件が実際に発生。町が騒然とする中、順のに事件の真犯人を知らせる手紙が届く。刑事の子・順は、友人の慎吾と共に捜査に乗り出すが・・・。

****************************

 

9月に刊行された宮部みゆきさんの小説「刑事の子」 は、1990年に刊行された小説「東京(ウォーター・フロント)殺人暮色」を改題した物とか。記述面で「古さ」を感じたのは、其の為なのだろう。

 

宮部さんの作品は此れに「模倣犯」、「英雄の書」、そして「小暮写眞館」の3作品しか読んでいないが、何れも自分の総合評価は高くない。文壇では「大御所」と言っても良い立場に在り、超人気作家の1人でも在る彼女の作品に対して「ああだこうだ。」言うのは僭越なのだけれど、自分にとってはどうにも肌合い宜しくない作家なのだ。

 

其の主たる理由は、くどくどしさを感じる文体に在る。ストーリー的には面白いのだけれど、くどくどしい文体が、スイスイと読ませる事を妨げてしまう。今回の「刑事の子」もそういった傾向が在り、尚且つデビューから3年後に刊行された作品」という事も在ってか、記述に(今と比べると)稚拙さを感じたりも。

 

古い映画が好きな人間ならば、思わずニヤッとしてしまうで在ろう程、名作のタイトルが幾つか登場する。宮部さんは、相当な映画好きなのだろう。去年マリエンバートで」の使われ方なんぞは、実に上手いと思った。

 

ストーリー的には面白さを感じるが、矢張り「くどくどしい文体」が興醒めさせた。総合評価は、星2.5個とする。


コメント    この記事についてブログを書く
« 同窓会で遣ってはいけない事 | トップ | 発見された遺体 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。