2000年代初めより、公園から“動く遊具”が次々と撤去されている。少なからずの子供が毎年、動く遊具にて怪我をしたり、最悪の場合亡くなったりしている事を受け、リスク回避の観点から行政側が撤去に走っているのだそうだ。実際、近所の公園でも、動く遊具を撤去してしまった所が在る。
子供の頃に良く遊んだシーソーや回転ジャングルジム、ブランコ等が、「危険だから。」という理由だけで撤去されてしまうのは、個人的に寂しく思ったりする。「どんな物で在っても、利用の仕方によっては危険に成り得る。子供達が危険な目に遭わない様、大人達が普段から指導&監視する事が大事なのだろうに。」と思ったりするけれど、共働き等で子供達の行動に目が届き難くなっている等、複合した理由が在るのだろう。
「どんな物で在っても、利用の仕方によっては危険に成り得る。」と書いたけれど、其れを改めて感じる記事を目にした。昨日の朝日新聞の記事だ。
昨年6月、大阪市西区の靱公園内に在る人工池(深さ約20cm)で、4歳の女児Aちゃんが父親と遊んでいた。池には、数10秒間隔で水柱を作る噴水が在り、Aちゃんはパンツ姿で、水中に在る噴き出し口を跨ぐ様にしてしゃがんでいた所、直後に水が噴出。Aちゃんは「痛い!」と叫び、股を閉じて泣き始めた。パンツは、血で赤く染まっていたと言う。
両親は直ぐにAちゃんを近くの病院に連れて行くも、其処では「止血出来ない。」と言われ、Aちゃんは別の病院へ緊急搬送。止血手術を受け、4日間の入院となった。
手術をした病院によると、「パンツは破れておらず、傷は体の表面では無く、陰部の中に在り、体内から小石等の異物も見付からなかった事から、水流による傷と判断した。」そうだ。「水圧や水の角度、噴き出し口との距離等、様々な条件が重なった事による怪我。」とも。
当該する池は普段から立ち入り禁止となっており、尚且つ「危険です 入らないで下さい。」という貼り紙が貼られていたと言う。そうした上で、子供を池に入れていた親に問題が在る訳だけれど、「まさか、水流で怪我をするなんて。」という父親の気持ちも理解出来る。子供達だけなら、貼り紙に気付かずに入ってしまう事も在るだろうし、気付いたとしても「何で危険なの?」と入ってしまう事も、充分考えられる。
楽しい場が一転して、危険な場に変ってしまう。危険は、何処にも潜んでいる。「危険だから。」と、何でも彼んでも排除してしまうスタンスはどうかと思うが、子供が対象の場合は、難しい問題を含んでいるのも事実だ。