就職活動をしていた頃は、未だ「売り手市場」の余韻が残る時代だった。だからこそ自分の様な落ち零れ学生でも、メーカーを中心に幾つかの内定が貰えたのだ。それを考えると、最近の学生が気の毒になる。自分なぞとは違い、遥かに優秀な学生が内定をなかなか得られないばかりか、やっと得た内定が「経営悪化」を理由に取り消されてしまったりするのだから。
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鷲田大学3年生の水越千春は、自分と同じくマスメディアへの就職を志望している学内の仲間達と「就職活動プロジェクト・チーム」、略して「シューカツ・プロジェクト・チーム」を結成した。そのメンバーは「頭脳明晰にしてクールなイケメンの富塚圭」をリーダーとし、「才色兼備な佐々木恵理子」、「女性誌の編集者になる夢を持っている犬山伸子」、「理論派の倉本比呂氏」、「体育会柔道部の小柳真一郎」、そして「軟派なテニスサークル副部長・菊田良弘」という男女7名。超難関とされるマスメディアに就職する為には、一体どうすれば良いのか?メンバーでグループ・ディスカッションディスカッションのシミュレーションを行ったり、どうすれば採用担当者の関心を惹くエントリー・シートになるかを話し合ったり、インターネット等で採用試験の実状をチェックしたりと悪戦苦闘。「全員揃ってマスメディアへの就職を果たす!」という目標を掲げ、シューカツに励んだ彼等の結果は・・・。
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石田衣良氏の近刊「シューカツ!」を読んで、今からウン十年前の自身の就職活動を思い出してしまった。当時は世の中に「イケイケの風潮」が残っており、浅学非才な身にも拘わらず、イケイケで新聞社や放送局、出版社を受験した無鉄砲な自分。一次試験であっさり落とされた所も在れば、何の間違いか最終面接の手前迄漕ぎ着けてしまった所も。結局は全て落ちてしまい、マスメディアとは全く無関係なメーカーに就職したのだが、就職活動の日々で様々な経験をさせて貰った。
「エントリー・シート」なんていう気取った表現が無かったあの頃、手書きで履歴書を何枚も書かなければならないのが本当に嫌だった。アピールする内容が殆ど無かった事も在るが、何よりも「己が字の汚さ」によって不合格にされそうな気がしたからだ。インターネットが普及していなかった時代なので、就職マニュアルを読み漁ったり、就職セミナーに参加したりして、様々な情報を掻き集めた。「Aで在れば合格間違い無し!」と断言する人が居る一方で、「Aだったら安直過ぎて不合格になる。」とする人も居たりと、相反する情報に振り回される事も。散々振り回された挙句、「幾ら取り繕っても襤褸が出るだけ。自然体で行くのが一番。」という思いに。
記述試験や面接試験で強い手応えを感じるも、敢え無く不合格となるケース。逆に「これは駄目だ。」と思ったのに、何故か次のステップに進めてしまったケースも。周りを御偉いさん十数人に囲まれ、矢継ぎ早に質問、それも中には意地の悪い質問を浴びせられ、全身に冷や汗をかいた事も在ったっけ。一喜一憂ならぬ、一喜“十”憂の日々を送ったのが、マスメディアに対する我が就職活動だった。就職活動のスタイルは違えども、「あの頃の自分」と「この作品に登場する学生達」の悪戦苦闘振りには変わりが無い。先が見えない事に懊悩する姿に、嘗ての自分を重ね合わせてしまう。
大学を卒業後、暫くはフリーター生活を送っていた石田氏。広告制作会社に勤務するも、作家となる迄には何度かの転職経験も在ると言う。そんな彼だからこそ、「自身の進路を切り開こうと懊悩している者達へのエールで溢れた作品」という印象を受けた。特に第2章「働くって、なに?」の最後には、ホロっとさせられる。
総合評価は星3.5個。
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鷲田大学3年生の水越千春は、自分と同じくマスメディアへの就職を志望している学内の仲間達と「就職活動プロジェクト・チーム」、略して「シューカツ・プロジェクト・チーム」を結成した。そのメンバーは「頭脳明晰にしてクールなイケメンの富塚圭」をリーダーとし、「才色兼備な佐々木恵理子」、「女性誌の編集者になる夢を持っている犬山伸子」、「理論派の倉本比呂氏」、「体育会柔道部の小柳真一郎」、そして「軟派なテニスサークル副部長・菊田良弘」という男女7名。超難関とされるマスメディアに就職する為には、一体どうすれば良いのか?メンバーでグループ・ディスカッションディスカッションのシミュレーションを行ったり、どうすれば採用担当者の関心を惹くエントリー・シートになるかを話し合ったり、インターネット等で採用試験の実状をチェックしたりと悪戦苦闘。「全員揃ってマスメディアへの就職を果たす!」という目標を掲げ、シューカツに励んだ彼等の結果は・・・。
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石田衣良氏の近刊「シューカツ!」を読んで、今からウン十年前の自身の就職活動を思い出してしまった。当時は世の中に「イケイケの風潮」が残っており、浅学非才な身にも拘わらず、イケイケで新聞社や放送局、出版社を受験した無鉄砲な自分。一次試験であっさり落とされた所も在れば、何の間違いか最終面接の手前迄漕ぎ着けてしまった所も。結局は全て落ちてしまい、マスメディアとは全く無関係なメーカーに就職したのだが、就職活動の日々で様々な経験をさせて貰った。
「エントリー・シート」なんていう気取った表現が無かったあの頃、手書きで履歴書を何枚も書かなければならないのが本当に嫌だった。アピールする内容が殆ど無かった事も在るが、何よりも「己が字の汚さ」によって不合格にされそうな気がしたからだ。インターネットが普及していなかった時代なので、就職マニュアルを読み漁ったり、就職セミナーに参加したりして、様々な情報を掻き集めた。「Aで在れば合格間違い無し!」と断言する人が居る一方で、「Aだったら安直過ぎて不合格になる。」とする人も居たりと、相反する情報に振り回される事も。散々振り回された挙句、「幾ら取り繕っても襤褸が出るだけ。自然体で行くのが一番。」という思いに。
記述試験や面接試験で強い手応えを感じるも、敢え無く不合格となるケース。逆に「これは駄目だ。」と思ったのに、何故か次のステップに進めてしまったケースも。周りを御偉いさん十数人に囲まれ、矢継ぎ早に質問、それも中には意地の悪い質問を浴びせられ、全身に冷や汗をかいた事も在ったっけ。一喜一憂ならぬ、一喜“十”憂の日々を送ったのが、マスメディアに対する我が就職活動だった。就職活動のスタイルは違えども、「あの頃の自分」と「この作品に登場する学生達」の悪戦苦闘振りには変わりが無い。先が見えない事に懊悩する姿に、嘗ての自分を重ね合わせてしまう。
大学を卒業後、暫くはフリーター生活を送っていた石田氏。広告制作会社に勤務するも、作家となる迄には何度かの転職経験も在ると言う。そんな彼だからこそ、「自身の進路を切り開こうと懊悩している者達へのエールで溢れた作品」という印象を受けた。特に第2章「働くって、なに?」の最後には、ホロっとさせられる。
総合評価は星3.5個。
「荒野へ」という作品をぐずぐず読み終えないままでいます。 ノンフィクションで、アラスカで餓死した青年が自分に似ているので、心理を知りたくて読みましたが他人に行動を指示されたりアドバイスされることを極端に嫌う、たくさんの人間関係を嫌いながらも完全に社会とのつながりを完全には断てない性格がもうこれでもかというくらい長々と記述されているだけです。 金や贅沢な消費を嫌悪しているにも関わらずリベラルでもない、当時のレーガンを強く支持しながら、次の大統領には民主党のジャクソンを支持し、しかしソビエトの脅威にたいする警告を強く呼びかけるなど、一人の頭のなかで多様な考えが共存していることに驚かされます。 また、日本の捕鯨を強く非難していながら、愛車は日産のサニーでカメラはニコンです。 物欲を捨てながらも金儲けの才能に長けており、孤独を愛しつつも決して一人っきりではいられない、人間はみな矛盾をはらんだ生き物で、簡単にはわりきれないところがあるものですね。 自信のないことに対しては逆に強気の態度にでてしまうことなどが自分にそっくりだと思ってしまいました。 おもしろくない作品なので全くお勧めできません。
テレックスって在りましたね。自分が社会人になった頃は既に“歴史の遺物化”しておりましたが、今では全く見なくなりましたね。昔は英文タイピストが重用されたという話を聞きますが、時代と共に求められて行く物は変わって行くんですね。
中学時代の自分は英語が大の苦手で、ハッキリ言って劣等生の範疇。そんな自分が英語を使用する仕事に就いているのですから、全く不思議な物です。当時の友人からは「御前が海外関係の仕事をするとはねえ・・・。」と驚かれますし。