一昨日行われた日本シリーズの第3戦に関して、昨日の記事「許し難い行為」では一切触れていない。「『1対5』とジャイアンツが惨敗したので、記事で触れる気にもなれなかったのだろう。」と思われていた人も居られるだろうが、真相は全く別。
実は昨日の記事、事前に書いた物を「予約投稿システム」にて「30日の0時ジャスト」に投稿される様にしておいた上で、休みを取って1泊2日の旅行をしていたのだ。旅行中はネット環境の確保が難しそうだったので、そういう形を取らせて貰った次第。
で、訪れていたのは群馬県の万座温泉。初日は結構肌寒かったものの、2日目の昨日は暖かい陽気。草津白根山や吾妻渓谷等を訪れたり、久々の硫黄泉を堪能したりと、楽しい2日間だった。
【湯釜(草津白根山)】
【吾妻渓谷】
そんな訳で今日は、一昨日の第3戦及び昨日の第4戦に関して、チラッと触れてみたい。
ジャイアンツが第3戦を「1対5」で落としたのは、「CSからずっと打撃不振が続いているジャイアンツ打線が、第3戦“も”打てなかった。」というのが一番の理由だけれど、「先発の杉内俊哉投手の状態が悪過ぎた。」というのも大きいだろう。素人目にも切れが全く感じられない投球で、初回からヒットを重ねられ、2回表にはあっさりと2失点。
1点を取るのが極めて難しいジャイアンツ打線という“現実”を考えれば、もう此れ以上の失点はジャイアンツとって致命的。CSの初戦では「何としても勝ちに行かなければ試合と思っていたので。」という理由から、先発の内海哲也投手を「4回投げ切って2失点」という状況で降板させたのだから、当然杉内投手も2失点した時点で降板させると思っていた。しかし彼を続投させ、更に2点を取られてしまう。其処から慌てて2番手投手を登板させたが、案の定、今のジャイアンツには4失点は重過ぎた。杉内投手を2失点の時点で降板させなかった事が、“流れ”を変えられなかった要因の様な感じがした。
湿りっ放しのジャイアンツ打線、第4戦は長野久義選手に当たりが出て来たものの、スタメンで起用された他の選手達は、相変わらず調子が良く無い。坂本勇人&ホセ・ロペス選手等の不振も気になるが、最も気になるのはチーム・リーダーの阿部慎之助選手の大不振だろう。気分転換という事で打順を変えた様だが、「あんなにも大不振の阿部選手を、3番から4番に据え変えた。」というのが、自分には全く理解出来なかった。結果としてチームは「6対5」で勝利したけれど、負けても全くおかしくない程、チャンスでの阿部選手は“ブレーキ役”になっていたと思う。彼を6番辺りに据え、もっと気楽な気持ちで打席に立たした方が良い気がするのだが・・・。
此れでジャイアンツは「2勝2敗」、ゴールデンイーグルスとタイに並んだ。ゴールデンイーグルスの本拠地に戻る第6戦、ゴールデンイーグルスの先発は恐らく田中将大投手だろう。何度も書いている様に、“不沈空母”の彼を沈めるのは極めて困難だと思っている。「第6戦は、ジャイアンツが負ける。」という想定なので、そうなると今日の第5戦、ジャイアンツは何としても勝たなければいけない。もし負けたら・・・ジャイアンツの日本一は無くなったと言っても良い。
最後に訃報を記す。ジャイアンツの監督として「V9」を達成した川上哲治氏が、28日に老衰で亡くなられていた事が、昨日明らかとなった。93歳という年齢を考えると、大往生と言って良いだろう。
「名選手、必ずしも名監督ならず。」とは良く言われる事だが、其の数少ない例外の1人が川上氏。「不世出の大スターONを従えていたのだから、誰が監督でも当時のジャイアンツはV9を達成出来た。」なんて声も在るけれど、そんな事は無いと確信している。少し前のジャイアンツは、他チームから“長距離砲”許りを掻き集めていたけれど、「優勝」という結果を中々残せなかったではないか。
以前の記事「空飛ぶタイヤ」のコメント欄で、Masaya様と自分が記した内容を読んで戴ければと思うが、「V9達成の陰には、川上監督の尽きる事無い探究心&弛まぬ努力が在った。」と考えている。
29日、「阿久悠氏と同様、此の人が居なければ、歌謡曲全盛の時代は無かっただろう」という記事で、「作詞家の岩谷時子さんが、28日に亡くなられた。」という事を記した。異なる世界とはいえ、“時代の先駆者的な2人”が同じ日に亡くなられたというのは、因縁めいた物を感じてしまう。
彼の現役時代をリアル・タイムで見ておらず、監督時代の姿も薄ぼんやりとしか記憶していない自分にとって、川上氏は「漫画『巨人の星』にて、星一徹の同僚で在り、其の息子・飛雄馬を育てた人物。」というイメージが、結構強かったりする。合掌。
川上哲治氏については功罪ありますが、私は「罪」の方が大きいと思います。
プロ野球をつまらなくした元凶が川上だと思います。
0対0.ノーアウトランナー1塁。ハンで押したように送りバント。
確かに川上の野球はファンに確実に勝利をもたらしてくれますが、面白くない。
アマ野球なら、面白さを度外視して勝利を求めればいいです。しかし、プロ野球です。娯楽です。面白くなければ娯楽ではありません。確かに、ひいきのチームが勝つことが最大の娯楽という人もいるでしょう。
でも、私は、つまらない勝利と、面白い敗北を比べれば、面白い敗北を取ります。もちろん、面白く勝ってくれればいうことはありませんが。
私も小学校低学年の頃だったので現役の川上一塁手は見たことはありません。テレビが家に来た時には、すでにON時代でしたから。川上氏に合掌であります。
「長嶋茂雄監督を追い落とした黒幕」等、川上哲治氏には「戦国の三大梟雄」の1人・松永久秀(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E6%B0%B8%E4%B9%85%E7%A7%80)の如き、「悪」のイメージが付き纏っている。自分も人としては好きなタイプじゃないし、所謂「川上野球が野球を詰まらなくした。」という点に於いても、「確かにそういう面は在る。」と思う点も在ります。
唯、当時の日本野球には無かった斬新な「ドジャース戦法」を逸早く取り入れた許りか、其れ等を徹底的に選手達に教え込んだというのは、個人的に評価出来ると思っています。カヴァーリングやゲッツー・シフト、バント・シフト等、今では当たり前の様に行われている此れ等の戦法も、川上野球で広まって行ったと考えているからです。
新しい考えを取り入れる事は誰でも出来るけれど、其れ等を嫌と言う程徹底出来るというのは、言葉で言う程簡単な事では無く、周りの目を気にしてしまう自分なんぞは無理な事。
自分も「勝利至上主義」というのは嫌い。「勝利」を取るか、其れとも「勝利よりも娯楽の部分」を取るか、其れは個々によって異なる事でしょうね。唯、間違い無く言える事は、“良し悪しは全く別にして”「V9という事実が野球ファンのみならず、多くの人達の心に残っている。」という事は、素直に凄いと思うんです。くどい様ですが、其れが良い悪いでは無くです。
V9の頃の記憶は余り無い自分ですが、ジャイアンツ・ファンで在っても、強いジャイアンツに真っ向勝負で挑む星野仙一投手や江夏豊投手、平松政次投手、山田久志投手等の名投手達には魅了されました。
昨日の試合、「脇役達」と言ったら失礼かもしれませんが、そういった選手達の活躍が光りましたね。自分は所謂「生粋のエリート」よりも「雑草から這い上がって来た人間」に魅了されるのですが、そういう意味で松本哲也選手の活躍は嬉しいです。
上原浩治投手がメジャーに移籍した2009年、好きな選手なので日本球界から離れてしまったのが、堪らなく寂しかった。でも、彼自身が決めた事なので、何とか成功して欲しいと思っていたのだけれど・・・残念乍ら、当ブログで取り上げる様な活躍が無く、5年が過ぎてしまいました。
「上原投手も、もう駄目なのかなあ・・・。」、そんな事を思っていたのですが、其れだけに今季の活躍は心から嬉しいです。