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アウトドアが趣味の公務員・沖健太郎(おき けんたろう)等は、フリーライター・成瀬瞬(なるせ しゅん)のブログで知り合い、仮面の男・黒沼重紀(くろぬま しげき)が所有する孤島で、毎年オフ会を行っていた。沖は、今年こそ大学院生・小野寺渚(おのでら なぎさ)と両思いになりたいと思っていたが、成瀬が若い恋人・上木らいち(かみき らいち)を勝手に連れて来る等、波乱の予感。
孤島に着いた翌朝、参加者の2人が失踪、続いて殺人事件が!更には、意図不明の密室が連続し・・・。
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第50回(2014年)メフィスト賞を受賞し、「2015本格ミステリ・ベスト10【国内編】」の6位に選ばれた小説「○○○○○○○○殺人事件」(著者:早坂吝氏)。「タイトルに8文字の伏せ字が使われているので、書店で此の本を取り寄せて貰う際、何と言えば良いんだろうか?」という思いと、「抑、“萌え系のイラスト”が表紙に使われているので、手に取るのは勇気が要りそう。」という戸惑いが。
犯人やトリックを見破るのがミステリーの醍醐味だけれど、此の作品の場合は「タイトルの“伏せ字”を当てる。」というのも、大きなテーマとなっている。各章及び挿話のタイトルには全て諺が用いられているが、伏せ字の8文字も、矢張り有名な諺が入る。
「2015本格ミステリ・ベスト10【国内編】」で6位に選ばれた事や、タイトル当てという変わった趣旨も在り、興味津々で読み始めたのだが、諸々の設定に“付いて行けなさ”を感じた。
奇を衒い過ぎたトリックもそうだが、何と言ってもキャラクター設定が駄目。其の最たる例が主人公の沖で、孤島に“着く前”と“着いた後”でのキャラクターの変わり方が、余りに極端。普段は引っ込み思案な彼が、孤島に着いた途端、“南国モード”と称される弾け振りに変わってしまう。何故、そんなにも変貌してしまうのか?其の理由が、トリックを解き明かす為の1つの要素にもなっているのだけれど、「多重人格?」と感じてしまう程の変わり具合には、どうにも付いて行けなかった。
又、此れもトリックを解き明かす為の1つの要素になってはいるのだが、下ネタが非常に多い。其れも、結構露骨な類いの物なので、人によっては嫌悪感を持つ事だろう。
タイトル当ても含め、全体的にぴんと来なかった。“ラノヴェ”が好きな人には受けそうな感じだけれど・・・。
総合評価は星2つ。