学生時代は典型的な文系人間で、兎に角、理系科目が苦手だった。特に数学と物理が嫌いで、此れ等の試験が近付くと、陰鬱な気分になったもの。
しかし、社会人になって以降、理科や数学に関する書物やTV番組を読んだり見たりするのが好きになった。「試験の為、勉強しなければいけない。」という環境を離れ、「知らない事を知る。」という純粋な気持ちになると、実に面白く感じられるからだ。
今は「Dr.長沼の眠れないほど面白い科学のはなし」(著者:長沼毅氏)という本を読んでいるのだが、「宇宙」や「生物」、「テクノロジー」、「気象」といった分野に関する「知っている様で、実は良く知らない事柄。」、もっとハッキリ言ってしまえば「今更、他者に聞くには恥ずかしさを感じてしまう事柄。」に付いて、判り易く説明されている。
読み終えた中では、「宇宙人からのメッセージを受け取ったらどうするの?」という項目が特に面白かった。
「宇宙に何の位の地球外生命が分布しているのか推定する方程式」というのが在るのだそうだ。1961年、アメリカの天文学者フランク・ドレイク氏が提唱した「ドレイク方程式」がそうで、其れ迄は「宇宙は途轍も無く広いから、地球以外にも生命体が存在するに違い無い。」といった“漠然とした捉え方”が、此の方程式によって、よりリアルに捉えられる様になったと言える。
で、地球外生命の存在可能性が決して低くは無い状況下、「宇宙人からメッセージを受け取った際、我々はどう対応すべきなのか?」という点に付いて記されているのだが、実は「国際天文学連合」の取り決めで「宇宙人からのメッセージを受信した時の基本的な対応手順」が決まっているのだとか。
「メッセージを受信した人は、無闇に其のメッセージに返事をしてはならない。個人で返事をせず、速やかに各国の天文機関(日本の場合は「国立天文台」。)に連絡する事。各国の天文機関から世界中の関連する機関に連絡をし、各国の首脳が集まって協議した上、宇宙人に対して返事をする。」。
仮令「宇宙人から、個人的にメッセージを受信した。」としても、地球でのシステムを知らないで在ろう宇宙人に対して“個人的に返事を返した積り”でも、宇宙人は“地球人全てを代表した返事”と捉えてしまう危険性が在るという訳だ。妙な返事をしてしまった事で、(元々は友好的で在ったとしても)宇宙人から攻撃を受ける事にだって成り兼ねない。
「地球上の何処かで、宇宙人と遭遇してしまった場合。」も、「『宇宙人からのメッセージを受信した場合の対応に準ずる事になるだろう。』と考えられているそうだが、長沼氏も指摘されている様に、「宇宙人に何も対応(返事等)をしない儘、国立天文台等に連絡するというのも変(非現実的)な気がする。」のは確か。
宇宙人が人の身体の中に入って云々となると、大きな事件を起こした人間が「神の啓示が在って・・・。」と主張するのと変わりが無い様に感じる人も少なく無いでしょうね。
宇宙人が技術的に優れているとしたら、テレパシーで全世界の人間に対して其れ其れの言語で、一斉にメッセージを伝えるなんて事も可能かも。