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八戸で水産加工場を営む佐藤幸造(さとう こうぞう)の下に、突然「女衒」を自称する男が現れ、 偽装結婚を持ち掛けて来た。 相手は、病気の夫の治療費を賄う為、中国から出稼ぎに来ている李雪蘭(り せつらん)。彼女は女衒に斡旋された歌舞伎町の風俗マッサージ店で働いていた。幸造は迷いつつも、男の話を承諾するが・・・。
一方、偽装結婚を取り持ち、女達の世話をする裏で、女衒は妻を自殺に追い込んだ男達への復讐を続けていた。
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第17回(2018年)「『このミステリーがすごい!』大賞」のU-NEXTカンテレ賞を受賞した小説「名もなき復讐者 ZEGEN」(著者:登美丘 丈氏)。「U-NEXTカンテレ賞」は「終選考作品の中から大賞・優秀賞とは別に、動画配信及びテレヴィ放送でのドラマ化を前提とした作品を選ぶ。」というコンセプトで、第17回から設けられた物。
タイトルにも使われている「女衒」とは「主に若い女性を買い付け、遊廓等で性風俗関係の仕事を強制的にさせる人身売買の仲介業。」を意味するが、非常に時代掛かった用語を使った物だ。イメージで言えば“江戸時代を舞台にした小説”という感じだが、実際の舞台は現代。
“真犯人”に関しては一捻り在るものの、或る程度読み進んだら察しが付いた。真犯人が判って以降、「更なるどんでん返しが設けられているのだろうな。」と期待していたのだが、何も無くて肩透かしを食らってしまった。ミステリーとしては、非常に凡庸。
更にがっかりさせられたのは、結末に付いて。良く言えば“心温まる結末”なのだろうが、個人的には“非常に陳腐な結末”と感じた。「ミステリーとしては今一つ、結末は今二つ。」で、誰かに御薦め出来る作品では無い。
総合評価は、星2.5個とする。