ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

一発屋

2020年05月25日 | 其の他

*********************************************************
一発屋:大舞台で一時的にのみ活躍を見せた歌手映画監督芸人作家スポーツ選手等を侮蔑した呼称表現。
*********************************************************

自分もそうだが、“一発屋”という呼称は「一瞬だけ活躍したけれど、直ぐに消えてしまった人。」という、馬鹿にした意味合いで使う事が多い。でも、例えば歌手を例に挙げると、「、歌手としてデビュー出来る事自体が非常に難しい。そして、仮にデビュー出来たとしても、ヒット曲を生み出せない、歌手生活を終える人が殆ど。」という現実を考えれば、「一発屋になれるのも、実は非常に大変な事。」なのだ。

漫画の世界に話を移すと、手塚治虫氏や藤子不二雄氏、永井豪氏等、数多のヒット作を生み出して来た漫画家が存在する一方で、“一発屋”的な漫画家も又、結構存在したりする。自分が子供の頃、夢中になって読んだ作品で言えば、「ど根性ガエル」の吉沢やすみ氏、「がきデカ」の山上たつひこ氏、うわさの姫子」の藤原栄子さん、「キャンディ・キャンディ」のいがらしゆみこさん、「サーキットの狼」の池沢さとし氏、「マカロニほうれん荘」の鴨川つばめ氏等は、申し訳無いけれど一発屋と言える存在だろう。でも、一発屋では在るけれど、上記した彼等の代表作はエポックメーキングな内容だったし、一時代を築いたのは間違い無い。

一発屋の漫画家として、他に忘れられないのが河島光広氏。漫画に詳しい方でも、「誰?」と思われる漫画家かも知れない。1931年生まれの彼は、1961年に結核にて、30歳の若さで亡くなっている。自分は彼の現役時代を知らず、亡くなって以降に作品を読んだのだが、「手塚治虫氏が、其の才能を大絶賛していた。」とされる漫画家だ。

彼の代表作と言っても良いだろうビリーパックを読んだのは、1978年に上梓された復刻本でだった。「物語の舞台は、戦後間も無い東京。主人公のビリー・パックは、日本でアメリカ人の父親と、日本人の母親の間に生まれたが、戦争中にスパイの嫌疑を受けた父親は投獄され、銃殺刑に処されてしまう。又、母親は憲兵に撃たれて死亡する。」という設定で始まり、成長してアメリカで私立探偵となったビリー・パックが、悪人達を追い詰めて行くというストーリー。連載当時からは24年経っているし、舞台となっているのも“大昔”で、普通なら“古臭さ”を感じてもおかしくないのだが、そういう感じは全くせず、面白くて一気に読み終えてしまった。

残念な事に、購入した「ビリーパック」は紛失してしまったのだが、今は電子書籍として入手出来る様だ。“紙の本”が大好きな自分だけれど、こういう作品が入手出来るので在れば、電子書籍に心が動いたりもする。


コメント    この記事についてブログを書く
« 角川映画(角川春樹氏時代)... | トップ | “誹謗中傷”と“真っ当な批判”... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。