ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

長期入院に関する所感

2023年07月27日 | 其の他

実は長期入院をしていた。入院期間は約2週間。仕事が在るので、(許可を得た上で)PCを病院に持ち込んでいたブログの更新も滞り無く行えた。なので、「長期入院してたの!?」と驚かれる方も居られる事だろう。

罹患した病名は控えるが、「入院中はPCを持ち込み、仕事や当ブログの更新等を滞り無く行えた。」という事からも、命に関わる様な病気で無い事は御判りだろう。とは言え、「放置しておくと不味い。」からこその検査&治療目的の入院で在るのも事実。

ウン十年生きて来て、初めての入院。正確に言えば、過去に2度の入院経験は在る。最初は「幼稚園児の時に、アデノイドの切除手術での入院。」で、確か期間は1週間も無かっただろう。でも、何分幼かった、当時の記憶は曖昧だ。そして、2度目は「四半世紀位前、自損事故での入院。」で、「大した怪我は無いけれど、取り敢えず様子見で入院して下さい。」という“1日だけの入院”。だから、“記憶がはっきりした上でのきちんとした入院”となると、今回が初と言って良い。

そんな自分の“初入院”、それも“長期入院”に関する所感を書いてみたい。入院経験が在る方ならば、「そんな事知ってるよ。」という内容だろうが、自分にとっては非常に貴重な経験だった。

先ず、入院したのは“複数人部屋”。金持ちならば“個室”という選択肢も在るのだろうが、貧乏人の自分には到底無理。見ず知らずの人との“共同生活”というのは、矢張りストレス溜まる

入院した病院は「“高齢者の入院患者”が多い。」という特徴が在り、自分の部屋は全員、自分より大分年齢が上の人許り。周りの部屋も、そんな感じだ。隣のベッドの方等、大人しい方が揃う自分の部屋だが、1人だけ“悩まされる事になる高齢男性”がた。恐らくは認知症を罹患されていると思われ、病気なのだから仕方無いのだけれど、夜になると激しい延々としていたと思ったら、『出してくれ~!』とか『誰か来てくれ~!』等と大声で叫び立てる。のだ。其の看護師さんが飛んで来て、優しく彼を諭すのだけれど、余りにも大騒ぎし、挙句にベッド上で脱糞した事から、別の部屋へと移された。「眠れないなあ・・・。」と我慢していたので、正直、部屋を移されたのにはホッとした思いが。

「入院患者は高齢者が殆どで、認知症罹患者も何人か居た様に思われる。」という事で、消灯時間が過ぎて以降は、譫妄
状態に陥った人達の叫び声が、彼方此方から聞こえて来た不適切な表現で在る事を承知で書けば、“深夜の動物園”(実際に行った事は無く、飽く迄もイメージだが。)の様に、「静まり返った中、到る所から動物の鳴き声が響き渡っている。」といった感じ。入院2日目には、耳栓を買いに行った程。*1

医師や看護師、管理栄養士理学療法士等々、医療スタッフの皆さんは、とても親切に接してくれた。感謝の一言だ。

でも、そんな彼等に対して横柄な態度で接する患者も数人居た。認知症等、感情をコントロールし辛い病気に罹患している人ならば仕方無いが、明らかにそうでは無いのに、相手を見下す態度で接するだ。そういうのに限って、医師にはペコペコしている。其の反動で、他のスタッフ達には横柄な態度になるのだろう。実に恥ずかしい限り。

今回の入院では、心電図骨密度等、初めて経験する検査が在った。骨密度の測定では「えっ!?」と思ってしまう場面に遭遇自分の後に検査を受ける高齢男性(80歳近く?)だが、看護師さんが「検査の為に必要なので、上半身裸になって下さい。」と幾ら御願いしても、「脱ぎたくない!」の一点張り入れ墨が入っている訳でも無いだろうし、「思春期乙女かよ!」と心の中で突っ込んでしまった。

新型コロナウイルス感染症への対応が緩められたとはいえ、「入院患者は“原則的に”入院している階、其れも自分のベッドが在る“”以外は、移動不可。」との事で、歩くのが好きな自分には悩ましい環境だった。其の都度スタッフに許可を貰えば、他の階の売店等に行けなくも無いのだけれど、普段「出来るだけ歩く。」事を決めている自分にとって、狭い空間だけの歩行というのは苦痛。狭い空間をグルグルと、丸でになったかの様に歩き回っていた

「予定を隙間無く入れ、仕事をする。」という日常に慣れ切っていたので、「何のタイミングで、どういう医療的な事柄が入っているのか全く判らず、基本的にはベッドで待つだけ。」という生活も、ストレスが溜まる一方。ベッドの上でPCに向かい、仕事をしている間は良いけれど、他は読書と食事位しか楽しみは無かった。(因みに「病院食は冷えていて、滅茶苦茶不味い。」というのを、昔から散々見聞していた。だから、覚悟をしていたのだけれど、温かくて、結構美味しかった。)

在り余る時間の中、人間観察は良く出来た「世の中にはこんなに面白い出来事や面白い人が存在するのだなあ。」というのを再認識させられ、「才能の在る作家ならば入院体験を元に、“傑作”を生み出せるだろうな。」と思ったりも。

長期入院で痛感したのは健康って本当に大事。もう入院なんかしたくない。という思いと、看護師さんを始めとした医療スタッフの大変さ。で在る。特に後者に関しては、どんなにしんどい状況でも笑顔を絶やす事無く、真摯に患者と接する彼等の姿には、心から敬意を持った

*1 初めての入院、色々在ったけれど、最も緊張したのは「(恐らく)ICUから自分(giants-55)の部屋に移って来た高齢男性が、突然室内で意識を失ったと思ったら、心停止状態になった。」事。医師や看護師が数人飛んで来て、心臓マッサージを行ったり、AEDを使ったり、大声で「〇〇さん、判りますか?」等と呼び掛けたりと、カーテン越しにも危険な状態に在るのが伝わって来た。幸いにも心臓が再び動き出しICUへと移されて行ったが、父が心臓の病気で若くして亡くなっているので、とても他人事には思えなかった。


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6 コメント

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入院経験 (雫石鉄也)
2023-07-27 09:31:24
自慢ではありませんが、私は入院経験は豊富です。
いままで6回入院しました。最長は一ヶ月です。
https://blog.goo.ne.jp/totuzen703/c/82fab4b2f8ea1d027132fa7e6a2cc675
確かに困った患者は何人かおりました。夜中に騒ぐ人も複数おりました。
「病院の怪談」
https://blog.goo.ne.jp/totuzen703/e/00b296b4df2bb9ae9228405798971c87
というのを経験してやろうと、真夜中の病院の廊下をうろうろして看護師さんにしかられたことがあるから私も困った患者だったかもしれません。
入院してわかったのは、ともかく看護師さんのいうことをよく聞く。主治医は1日に1度か2度きますが、実際に私たち患者の世話をしてくれるのは看護師さんです。少しでも早くよくなる1日でも早く退院するという強い意志を持つことがたいせつですね。
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>雫石鉄也様 (giants-55)
2023-07-27 11:08:29
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

雫石様のリンク先の記事等、過去に入院経験者の方がの闘病記を結構読ませて貰っておりましたが、「大変だなあ・・・。」という思いは在ったものの、今になって考えると、他人事モードだった部分は否めません。其れ程、我が身の経験というのは、現実味が違うんですね。

糞真面目さだけが取り柄の人間ですので、医療スタッフの方々のアドヴァイスは、愚直な程に守っていました。入院前と同様、「1日1万歩歩く!」というのも守り通したく、狭い空間をグルグルと歩き回り、食事制限等も厳しく律した。其の御蔭も在ってか、退院時の各種数値は入院時に比べ、物凄く下がっており、医師からも「こんなに短期間で下がった患者さんは珍しい。」と驚かれた程。「余程入院生活が嫌だったのでしょうね(もう二度と入院したくないという気持ちが強かったんでしょうね。」と笑って言われましたが、「はい、其の通りです。」と心中で呟いた自分です。
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退院おめでとうございます (Kei)
2023-07-27 12:09:23
長期入院しておられましたか。それは大変でしたね。
私のブログでも以前書きましたが、私も4年半前、肺炎で長期入院した経験があります。
http://otanocinema.cocolog-nifty.com/blog/2019/01/post-07b2.html
giants-55さんは>ウン十年生きて来て、初めての入院…との事ですが、私も中学生の時、盲腸で入院して以来、つまり大人になって初めての入院でしたので、同じようにいろいろな事を初体験し、人間観察もし、>「健康って本当に大事。もう入院なんかしたくない。」>「看護師さんを始めとした医療スタッフの大変さ。」
も共によく解り、まったく同感でした。
私の場合はコロナ禍以前でしたが、コロナが未だ終息していない現在、病院も大変だろうと思います。医師、看護師の方々、どうかお身体大切にしていただきたいと思わずにいられません。

それともう1点、高齢の入院患者が夜中に大騒ぎする件、これは私の父がまさしくそんな状態でした。もう15年以上前になりますが、90歳を超えた父が転倒骨折し、入院したので、兄弟が交代で病室に寝泊りして付き添ったのですが、それが大変でした。実は既に軽い認知症の気があり、深夜に「ここはどこだ、家に帰る!」と大声で騒ぎだし、「骨折してるんだから動けないよ」と何度説得しても、「ワシは元気だ、帰らせてくれ」と夜通し騒いで、同部屋の人たちに迷惑はかけるし、看護師もやって来て鎮静剤を注射してなんとか収まって。そんな事が数日続いて付き添いしてる私たちもヘトヘトになりました。
これで判ったのが、初期の認知症の老人は、昼間の日常生活は支障なく過ごせるものの、普段と違う環境に置かれると凄く不安を感じ、ましてや周囲に家具もない無機質な感じの部屋に閉じ込められる事で、言いようのない恐怖に駆られるのではないかという事です。検査の為に上半身裸になって下さいと言っても拒否するのは、「何かされるのではないか」という恐怖が先に立つからではないでしょうか。

私たちもいつかは高齢者として、自身がそんな環境に置かれる日がやってくるかも知れません。騒いだり頑固、横柄な老人を見ても、「あれは未来の自分だ」という謙虚な心、自戒する気持ちを少しでも持ちたい、と願っています。
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>Kei様 (giants-55)
2023-07-28 01:58:00
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

「病に罹患すると、健康の有難さを痛感する。」と言いますが、入院となると其の思いが一層増しますね。

新型コロナウイルス感染症は未だに終息の気配を見せておりませんが、其れでも看護師さんに話を伺った所、「病院内のピリピリ感は、大分和らいだ。」と語っていました。昨年半ば位迄は、徹底的に感染予防をしていても、院内に感染者が出てしまうので、精神的にも疲弊させられたそうです。

自身がアラ還という年代になった事で、若い頃には見えなかった“高齢者の現実”という物に気付かされる事が増えました。「子供叱るな、来た道だもの。年寄り笑うな、行く道だもの。」という言葉、昔以上に身に沁みます。
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Unknown (悠々遊)
2023-07-28 13:53:50
まずは退院おめでとうございます。
そうですか、初めての「本格的な入院」だったんですね。
それもなかなか活気溢れる病棟だったようで(苦笑)。

病気やケガは痛い、苦しい思いをしてたくさんのお金を払うことになる、割に合わない体験なのでできればそんな体験はしたくないですよね。
といいつつ、私も結構何度も入院体験ありますけど(苦笑)。
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>悠々遊様 (giants-55)
2023-07-28 21:42:40
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

悠々遊様を始めとした人生の先輩方が病に付いて書かれている記事を拝読し、自分なりにシミュレーションをしたりしていました。でも、入院に関しては、考えていた以上の“苦痛”が在りました。何よりも、自由に動き回れない事がこんなに辛い事とは・・・。

色々と不満も多い我が国ですが、「高額療養費制度」等、手厚い医療環境の有難さを、今回の入院で改めて感じました。
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