ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

独り善がりな“外国語の多用”

2013年06月29日 | 時事ネタ関連

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「放送で外国語使い過ぎ。』NHK提訴」(6月26日、日刊スポーツ

 

NHKの放送番組で外国語が乱用され、内容を理解出来ずに精神的苦痛を受けたとして、「日本語を大切にする会」の世話人高橋鵬二さん(71歳=岐阜県可児市)が26日に、NHKに141万円の慰謝料を求める訴えを名古屋地裁に起こした。提訴は25日付。

 

訴状によると、NHKでは報道、娯楽番組を問わず、番組内で「リスク」、「トラブル」、「ケア」等の外国語が多用されているだけで無く、「BSコンシェルジュ」等と番組名にも用いられていると指摘。日本語で容易に表現出来る場合でも使われているとし、公共性が強いNHKが日本語を軽視する様な姿勢に強い疑問が在るとしている。

 

NHKは「訴状の内容を確認していないので、コメント差し控える。」としている。

 

高橋さんは取材に質問状を提出したのに回答が無かったので、訴訟に踏み切った。NHKだけの問題では無いが、公共放送は特に影響力が強い。年配者にも判る様な放送をして欲しい。と話している。

 

請求額は、地裁で扱える額が140万円を超える額と民事訴訟法規定されている事に基づき、決めたと言う。

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「『横文字馴染み難い。』新病院名否決した市議会」(6月27日、読売新聞

 

賞金100万円の公募で決まった長崎市の新市立病院の名称案「長崎みなとメディカルセンター」が、26日の長崎市議会最終本会議で否決された。

 

市の地方独立行政法人長崎市立病院機構が運営する新病院は、現在の市立市民病院の隣接地に2016年5月に開業予定。昨年11月、匿名を希望する男性から100万円の寄付を受け、名称募集の賞金に充てる事を発表した

 

高額賞金が話題となり、全国から約1万8,000件の応募が殺到。5月末、病院関係者や有識者で作る委員会が「進化する病院を願う気持ちが籠もっている。」等として、福岡県の男性が付けた名称案に決定した。

 

ところが、今月19日の市議会教育厚生委員会では横文字は、高齢者には馴染み難い。、「現在の市民病院の名前の方が、市民に親しまれている。」等反対意見が続出。26日の本会議では賛成2、反対36で否決された。

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「外国語の多用に馴染めない高齢者」というのは、結構居ると思う。自分の母親もTVを見たり、新聞や雑誌を読んでいたりしていて「此れはどういう意味?」と、外国語の意味を聞いて来る事が少なく無い。高齢者では無い自分すら、「どういう意味だ?」と理解出来ない事が少なからず在る。

 

「『リスク』は兎も角も、『トラブル』や『ケア』程度なら、高齢者でも理解出来ないケースは少ないんじゃないかなあ?」という気がしないでも無いけれど、「日本語で容易に表現出来る場合でも、(外国語が)使われている。」という高橋氏の主張には、自分も同感だ。「提訴」という形を採っているが、恐らくは高橋氏自身も裁判に勝てると思ってはいないだろうし、(「請求額は、地裁で扱える額が140万円を超える額と民事訴訟法で規定されている事に基づき、決めたと言う。」という点からも。)「問題提起」という意味合いで行った事だと思う。

 

マスメディアに於ける独り善がりな“外国語の多用”」に付いては、自分も以前から気にはなっていた。老若男女、幅広い層に判り易く情報を伝達する。」というのは、マスメディアが最低限心掛けなければいけない事なのに、「目新しい感じがするから。」という理由からなのか、何でも彼んでも外国語に置き換えようとするメディアの、何と多い事か。「判り易さなんか二の次、三の次。」とでも思っているのではないだろうか?

 

そして「独り善がりな“外国語の多用”」と言えば、此方でも指摘されている様に、安倍晋三首相相当酷い。「インフレ・ターゲット」は未だしも、「戦後レジームからの脱却」とか「日銀とのアコード」なんて言われても、高齢者や子供どころか一般人でも、珍紛漢紛な人が結構居ると思う。「戦後“体制”からの脱却」とか「日銀との“政策協定”」と言えば良い物を、安倍首相の場合は“意図的に”外国語を多用しているが在る。

 

「中身が全く無いのを誤魔化す態と判り難い外国語を多用しているのでは?」という意見も在る。確かにそういった面も在るのかもしれないが、個人的には(其の生い立ち等から)「安倍首相は、強度の劣等感抱えた人物。」という感じが在り、だからこそ「異常な迄に、自分を大きく見せたがる。」傾向が強い様に思っている。“外国語の多用”、其れも“広く知られている訳では無い外国語の多用”を意図的にする事で、「僕ちゃんって、凄いでしょ!」といった自己満足に浸っている様な気すらする。

 

「外国語を日本語に置き換えた場合、微妙にニュアンスが異なるケースも在る。」という指摘も在るだろう。其の事は否定しないけれど、「首相が、国民に向けて発言する。」というのは、「学術会議での発表」とは違うのだ。「微妙なニュアンス云々」よりも、「幅広い層に、判り易く伝える。」のが絶対条件の筈。

 

2ヶ月前の記事で取り上げた「(今夏の)参院選に勝つ。親の敵の様な物だ。(議席を)取り戻さなければ、死んでも死に切れない。」というのを始めとして、安倍首相には「『国民』では無く、『自分』の事しか眼中に無い。」様な発言が目立つ。異常な迄に憲法改正固執しているのも、国や国民の為というのでは無く、「憲法改正を念願するも、果たせなかった偉大な祖父・岸信介元首相。自分が代わりに憲法改正を果たせば、そんな偉大な祖父を乗り越えられ、歴史にも名を残せる。」という思いが殆どを占めている様に感じる。そんな彼だから余計に、「独り善がりな“外国語の多用”」は国民の為では無く、自己満足の為だけの様に思えてしまうのだ。


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12 コメント

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Unknown (悠々遊)
2013-06-29 09:36:46
横文字のうちどれが広く一般に認知されているか、その辺の認識は人それぞれの生活環境によって、かなりな幅があるように思いますね。
一種の業界用語や方言に似た感じでしょうか。

カタカナ語が広く一般的になって、すでに死語になって置き換えが困難な日本語もありそうです。
今回あえて訴訟した高橋さんの抱く危惧は十分理解できます。

むしろ意外だったのが安倍総理のカタカナ語の多用。「美しい日本を取り戻す」などとのたまっておきながら、美しい日本語をないがしろにしているのですから。
この一点だけでもこの人が本音と建前を平然と使い分けているのが分かります。

と、ここまで横文字言葉を使わずにコメントしました・・・あ、最後にやっちゃった!(笑)。

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どこまでが純粋の日本語? (雫石鉄也)
2013-06-29 09:46:51
私も、確かに不必要な外来語の多用は愉快には思いません。しかし、この訴えを起こした人も、新しい時流を勉強するという姿勢が必要ではないかと思います。年配者にも判り易くとおしゃるが、年配者でも新しい文物の吸収にいそしむ人もあります。日本語を大切にすることは重要ですが、言葉とは時間の流れとともに変化/進化/退化/発展するものです。
大昔に中国から伝わった言葉、鎖国時代にさえ、オランダ、ポルトガルから伝来した言葉で、いまや日本語として定着した言葉は沢山あります。純粋な大和言葉だけが「日本語」として大切にしようというものでしょうか。
カステラ、てんぷら、こんぺいとうといったポルトガル語由来の言葉はどうでしょう。そういうと仏教関係の言葉は、ほとんどが日本語ではないですね。仏教は外来の宗教文化ですからね。
ようは、性急に不自然な外来語はダメということですね。外来語の方が判りやすいこともあります。自動車の足のゴム製の輪っか。「タイヤ」といった方がわかりやすいですね。訴えた人は「タイヤ」判りにくい「ゴム輪帯」といえということでしょうか。どこまでが判りにくい、どこからだっらOK線引きがむつかしいです。
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>悠々遊様 (giants-55)
2013-06-29 10:33:33
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

「カタカナ語が広く一般的になって、すでに死語になって置き換えが困難な日本語もありそうです。」、上で雫石鉄也様も此の点を指摘されていますが、確かに其れは在りますよね。「現場不在」という日本語よりも、「アリバイ」の方が一般的には判りが良いですし。ですので、「何でも彼んでも日本語に固執すれば良い。」というのでも無いとは思うんです。其れじゃあ、「妙な愛国心の発露」と一緒だと思うし。

安倍首相は「本音と建前を、平然と使い分けている。」とも言えるのでしょうが、個人的には「物事を深く考えられない人だから。」と思っています。

志村けん氏とナインティナインが出演していた特番で、ボーリング等で対戦している間、「一切外来語を使ってはいけない。」というコーナーが在りました。留意していても、次々に口にしてしまう。如何に外来語が我々の間に入り込んでいるか、其れを改めて認識させられる一幕でした。
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>雫石鉄也様 (giants-55)
2013-06-29 10:40:31
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

「日本語の乱れ」が、しばしば指摘されます。若い女性が「何だよ、てめえは!」とか口にしたり、明々白々に誤用しているケースなんぞは自分も「酷いなあ。」と思う。でも、「何から何迄、古い言葉が良い。」とも思わない。もしそうならば、大和言葉を通さなければいけない事になるだろうし。「言葉は生き物で在り、時の流れと共に、変わって行って良い面も在る。」という考え方が在りますけれど、此の考え方には賛成です。

唯、聞く側の事を一切無視し、ええかっこしいの為だけに小難しい言葉を口にするというのは、少なくとも上に立つ人間としては駄目でしょうね。「賢者は判り易い言葉を用いて説明し、愚者は無闇矢鱈と小難しい言葉を口にする。」なんて言いますが、易しい言葉で噛み砕いて説明しようとする石破茂氏に対し、安倍首相は其の点でも劣っている様に感じます。
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Unknown (悠々遊)
2013-06-29 12:37:54
雫石さんのコメントに対しちょこっとだけ。
言葉は生き物であり、日々変化を遂げていくもの。全くそのとおりだと思います。
初めて耳にする言葉も使われ続けているうちに違和感がなくなるのは事実だし、支持されなければ消えていく運命、つまり死語となりますね。

ただ、ここで問題にされているのは、日本語で十分意味が通っている物や事柄に対し、あえてカタカナ語を持ち出す必然性があるのかということだと思います。

その言語で意味が伝わっていた文化が、言葉が失われたことで文化そのものも失われた例は、コロンブス以後の中南米大陸で顕著ですよね。

今まで日本に全く無かった物や考え方に対し、それを生み出した文化と共にその国の言葉が入ってくるのは、これは必然といえましょう。
ゴムの車輪。これはそれまでの日本には無かった概念だから、あえて新たな日本語を生み出すよりも、タイヤが日本語化するのは必然ではなかったかと。

そういえば昔、「火星に人がいれば火星人。金星に人がいれば金星人って、日本語は対象の下に人をつければ意味が通じるけど、英語はそうは行かない」なんて言ってた人がいましたが、どうなんでしょう。
外国語が大の苦手の私には、その辺が分かりません。
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提訴するほどのことなのか (マヌケ)
2013-06-29 13:38:11
新しいものを取り入れることに抵抗のあるお年寄りなのでしょうが、それにしても提訴するというのは訴訟社会のアメリカっぽいやり方ですね。 戦時中の検閲じゃないんだから、それこそ独りよがりのけしからんはけしからんと思います。 昔、サザンの曲の歌詞をけしからんとか、日本語が崩れるとか意見した大人たちがいましたが、私はそういうのが大嫌いです。 言葉は時代とともに変化しますし、外来語がわからないのであれば、自分で調べればどうでしょう。 世の中がすべてお年寄りのためにというのは無理なんです。 お年寄りもNHK時事英語のテキストをめくって努力してみてはいかがなものかと。 タイでも韓国でも小学生が英語を普通にしゃべる姿を目にするたびに負けていると思うことがあります。 言葉そのものは文化でもあると同時にコミュニケーションの手段でもあります。 ツールに最先端があるのと同じように言葉にも最先端があっても良いわけで、テレビがそれを多用しているように感じることは自信が時代についていけていないと受け止める寛容さと、勉強しようという向上心を持ってほしいものです。 嘆いて、訴えるというのはどうなのでしょうか。
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>悠々遊様 (giants-55)
2013-06-29 15:07:36
書き込み有難う御座いました。

「柔軟性は、日本人の国民性の1つ。」と良く言われます。「鬼畜米英」をスローガンに、挙国一致で米英に強烈な敵意を持っていたのに、敗戦になるや否や「ギヴ・ミー・チョコレート。」に始まり、西洋の文化を其れこそ水が綿に染み入るが如く、積極的に取り入れて行った。他民族には、中々理解し難い点かもしれません。

良くも悪くも柔軟な国民性で在り、だからこそ多文化を受け容れた上、付加価値の在る商品を産み、そして其れ等が広く世界に受け容れられたのではないかと。

「日本語で十分意味が通っている物や事柄に対し、あえてカタカナ語を持ち出す必然性があるのかということ」、此の点に関しては「NO」だと思うし、「不必要な外来語の多用は愉快には思いません。」という記述から雫石様も同様だと思われます。

又、雫石様が主張されている様に、年齢に限らず、「新しい物を取り入れて行こうという意識。」も、同様に大事だと自分も思っています。新しい事柄に付いて母から尋ねられる事が在るのですが、判り易く教えている筈なのに、当人が旧態依然とした考えに捉われているらしく、人の話を良く聞いていない。其れを指摘すると、「年寄りには、新しい事は判らない!」と開き直る。そういう事で、しばしば口喧嘩になるので。
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>マヌケ様 (giants-55)
2013-06-29 15:18:36
書き込み有難う御座いました。

「ファースト・フードでコーヒーを頼んだら、(自分が)溢してしまい、其れで火傷を負ってしまった。熱いコーヒーを提供した店が悪い!」とか、「自分が犯罪に手を染めたのは、不良仲間と付き合う様になったのが切っ掛け。不良仲間と付き合う様になる環境、即ち教育環境を悪くしたのは両親の責任。」とかと、理解し難い理由で店や両親を訴えるアメリカ。何でも彼んでも法に訴える「訴訟社会」は、自分も嫌悪する所です。

で、今回の件ですが、どう捉えるかは難しい所。「こんな事で訴訟を起こすなんて・・・。」という世知辛さにも似た思いは、自分の中にも無い訳では無い。唯、「(NHKに?)質問状を提出したのに回答が無かったので、訴訟に踏み切った。」という事や、「社会に対する問題提起」という意味合いを(請求額からも)感じるので、「訴訟が目的」というのとは違う気がするんです。

マヌケ様や雫石様が指摘されている様に、自分も「新しい事柄を積極的に採り入れ様とする意識」は老若男女を問わず、非常に重要だと思います。歴史や文化を守る事も大事だけれど、進取精神が人間を進化させて行ったのも事実と考えるからです。「守るべきは守り、変えても良い部分は取り入れて行く。」、そういうメリハリと言いますか、柔軟性が大事でしょうね。上で悠々遊様当てに付けさせて貰ったレスでも記しました様に、母との口喧嘩では、そういった事に起因するケースが少なく無いので。
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可児の人がんばれ (AK)
2013-06-29 22:33:18
私はこの可児の人支持します。(実際に周りにいたら相当面倒な人と思いますが^^;)

違和感を感じるのは「メディア」という言葉を多用していること。報道機関でいいのではないか。何かマスコミ人の選民思想を感じる。
NHKをやめてネット上だけで話題になったアナウンサーがいたが、いかにもいけ好かない新時代の男と言う感じでした。それに比べてラジオ深夜便の人たちの素晴らしさよ。
それにこういう外来語が正しく現地語を使用しているとは限りません。ましてや発音。頭にこびりついたカタカナ語のせいで外国語学習が妨げられることは多々あります。
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>AK様 (giants-55)
2013-06-29 23:50:47
書き込み有難う御座いました。

自分も高橋氏が訴えたい事自体は凄く判るし、訴訟が目的では無い様な部分からも、共感は出来ます。唯、仰る様に、御付き合いはしたくない感じでは在りますが。

「メディア」、自分も良く使いますね。個人的には「報道機関」よりも慣れている表現というのも在るのですが、使われている側からすると「自分達は選ばれた人間なのだ。」という選民意識を生み易い表現かも。議員に対して意味不明に使われる「先生」と同じ。
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