アナウンサーの様な活舌の良さや流暢さは無いし、くぐもった声質は決して聞き易いとは言えないけれど、聞き手をぐいぐい話の中に引き込んで行く話術を有している。何よりも「普通の人だったら何とも感じない様な事柄で在っても、聞き手に『成る程・・・。』と感じさせる、独特な着眼点を持っている。」というのが魅力で、笑福亭鶴瓶氏と伊集院光氏の喋りが好き。
今日は、伊集院光氏がニッポン放送でパーソナリティーを務めているラジオ番組「伊集院光のタネ」を聞いていて、「多くの人に紹介したいな。」と思った話を取り上げたい。
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① 一押し調味料
リスナーから寄せられた“一押し調味料”に関する投稿の中から、“唐揚げに掛けて美味しそうな調味料”というのをスタジオに用意し、伊集院氏達が実際に食していた。中でも気になったのが、次の3つ。自分は何れも、全く知らなかったが。
・ハリッサ:マグリブ地域圏、特にチュニジアで多く用いられる、唐辛子を元に作られるペースト状で辛口の調味料。「どう考えても“超激辛”。」という見た目だが、思った程は辛くないとの事。口に入れた瞬間、最初に感じるのは“野菜の風味”で、とても旨味を感じるそうだ。
・タヒン:「唐辛子、ライム、塩からなる、メキシコのパウダー状の調味料。」で、見た目は七味唐辛子っぽい。ハリッサ同様、「辛そうだなあ。」という見た目に反し、実際は酸っぱさを主に感じるとか。
・サテトム:「唐辛子、乾燥海老、砂糖、大蒜、レモングラス等を磨り潰し、油を加えてペースト状にしたヴェトナムの調味料。」だが、投稿者によると「本場の物とは異なり、日本風にアレンジされたハウス食品の『楽園のサレトム』が絶品で、豆腐に掛けても美味しい。」との事。「ハリッサ」、「タヒン」、「サテトム」の全てに「美味しい!」と言っていた伊集院氏だが、最も食い付いたのが此のサテトムだった。
② 家に在る古い物
或るリスナーが投稿したのは“黒電話”。真っ黒なボディーの回転ダイヤル式電話機で、自分(giants-55)の頃は普通に使っていた。自分と同世代の伊集院氏だが、「昔は普通に使っていたのに、試しに使ってみたら、ダイヤルの回し方で躊躇してしまった。」と話していた。使わなくなって可成りの年数が経つので、「そうかもなあ。」と。
【黒電話】
で、其のリスナーの家では、“現役”で活躍しているという黒電話だが、どうしても“困ってしまう事”が在ると言う。「昔は、黒電話を“掃除”する業者が家に来てくれたりしたけど、そういう業者が居なくなってしまったとかかなあ?」と伊集院氏は予想。自分はそういう業者の存在を全く知らなかったのだが、伊集院氏の予想は外れ。答えを聞いたら「成る程。」と思ったが、「困ってしまうのは、自宅に掛かって来る世論調査等での機械音声への対応で、『正しければ数字の“1”と“シャープ”を、誤っていれば数字の“2”と“シャープ”押して下さい。』みたいな指示をされても、プッシュホンの様なボタンが無いので、全く対応出来ない事。」と。
唯、其の後に別のリスナーの投稿で判った事だが、こういう場合も“対応策”が在り、「スマホの電話機能を使えば良い。スマホのスピーカーを黒電話の“送話器(自身の声を相手に送る。)”に近付け、当該するボタンを押す。受け手はプッシュホンの“押したボタン”に反応するのでは無く、“(押したボタンから)発せられる音”に反応するシステムなので、此れで問題無く対応出来る。」のだとか。
結構昔、「探偵!ナイトスクープ」で、「プッシュホンの『ピ、ポ、パ』音を、指でボタンを押すのでは無くて、人が声で『ピ、ポ、パ』音を出す事で、電話を掛けられるか?」という依頼を受け、実際に試みてみた所、見事成功した・・・というのを見た記憶が在る。其の事を考え合わせると、黒電話での上記対策も納得。
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