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天才的な頭脳で、数々の難事件を解決に導いて来た脳科学者・御手洗潔(玉木宏氏)。或る日、御手洗は半年の間に6体もの死体が海岸で発見されたという“死体島”の存在を知る。事件の現場で在る瀬戸内海の興居島に着いた御手洗は、死体が海流によって或る場所から此の島に流れて来たと推理。其の場所を広島県福山市だと突き止め、福山へ移動した御手洗達だったが、外国人女性の変死体が発見される等、奇妙な事件に遭遇し・・・。
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島田荘司氏の「御手洗潔シリーズ」は、此れ迄に28作品が刊行されている人気シリーズ。其の28作目の「星籠の海」を映像化した、映画「探偵ミタライの事件簿 星籠の海」を観て来た。
島田作品、幾つかを手に取ったが、何と無く作風が合わない事も在り、全て早い段階で読むのを止めた。「星籠の海」もそんな1つで、「映像化された物ならば大丈夫かな。」と思って、観る事にしたのだ。
村上水軍や阿部正弘、鉄甲船等々、歴史好きには堪らない題材が取り上げられている。「鉄甲船を沈めたのではないか?」とする星籠なる存在も、創作とは言え、実に壮大だ。
だが、全体を通して言えば、少なくとも映画はピンと来なかった。一番の不満は、壮大な設定なのにも拘らず、肝心な殺人事件の動機がしょぼい点。「大山鳴動して鼠一匹」という感じがするのだ。
記憶違いで無ければ、原作では怪しげな新興宗教が登場していたと思うのだが、映画ではそういう設定が一切無い。設定が変えられた事で、今一感が増しているのかもしれないが・・・。
「(小川みゆき役の)広瀬アリスさんって、可愛い子だなあ。」というのが、観終わって一番感じた事。其れ以外は、特に無い。「此れならば映画では無く、TVドラマでも良かったんじゃないかなあ。」と思ってしまった。観る前の期待度が高かっただけに、ガッカリな内容。
総合評価は、星2つ。