ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

廃校

2014年11月24日 | 教育関連

以前にも書いたが、30年以上前に読んだ「生物が一日一種消えてゆく‐滅びの動物学」という本は、内容も然る事乍ら、タイトルの「生物が一日一種消えてゆく」という部分が、非常に衝撃的だった。「そんなにも多く、消えて行っているんだ。」と、強烈に感じさせられたからだ。

 

11月23日付け東京新聞(朝刊)のサンデー版では、「生まれ変わる廃校」という特集が組まれていた。少子化が進む中、廃校に追い込まれる公立学校が増えていると聞く。近隣でも何年か前、公立小学校が廃校になり、「住人が少ない場所でも無いのに、廃校になる程、子供が少ないのかあ。」と驚いたもの。一方、子供の数が増えたという理由から、近所では公立学校の建設がされたりするのだから、子供の数の多寡も、地域によって極端なのだろう。

 

元記事によると、1994年から昨年の20年間で、日本では約7,600校の公立学校が廃校になったのだとか。平均すると1日に約1校が廃校というのだから、「生物が一日一種消えてゆく‐ 滅びの動物学」並みの衝撃度だ。もっと驚くのは、近年で言えば、毎年500校前後の公立学校が廃校となっているそうで、そうなると廃校のスピードは加速化している事になる。

 

廃校が増えている原因は大きく分けると少子高齢化過疎地場産業衰退による人口減少。)都市化(オフィス・商業地域として発展。住宅は郊外移転し、定住人口が減少。)、そして市町村合併による学校の統廃合(“平成の大合併”では、校区再編による学校の統廃合が相次いだ。)の4つ。

 

自身の学び舎が廃校となってしまうというのは、とても寂しい事だと思う。廃校となった建家何等かの形で活用中なのは62.9%。未利用は26.7%で、10.4%は取り壊しになっていると言う。(四捨五入、全部合わせても100%にはなっていない。)

 

活用形式は「体験交流系施設」、「美術系文化施設」、「教育・福祉系施設」、そして「企業施設」に大別される。「企業施設」というのが今一つイメージし難いと思われるが、秋田県大館市の「白神フーズ・本社/大館工場(元は山田小学校)」や東京都世田谷区の「IID世田谷ものづくり学校(元は池尻中学校)」がそうだ。

 

廃校の活用は「教室、運動場、プールが揃っている。」、「建築時の天井高、廊下の幅、階段の寸法、採光規定厳格なので安心。」、「母校愛の強い卒業生からのバックアップが期待出来る。」等のメリットが在る一方、維持管理費光熱費等)が掛かる。」、「用途応じ改修費が掛かる。」、「交通の便が悪い。」等のデメリットが在り、未利用だったり取り壊しになったケースは、メリットがデメリットをカヴァー切れなかったというのが大半なのだろう。


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2 コメント

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Unknown ((まめ)たぬき)
2014-11-24 13:44:54
そういえば、我が田舎では県立高校の1つ(私の出身中学からの進学先として選択できる学校)が廃校になりました。
解体するのは無駄銭を喰うだけなので
物の保存場所(要は公共物の倉庫)として有効活用されております。

たぶん来年になると思うのですが四国遍路の度で宿泊したいな、と思っているのは、廃校になった小学校だった施設です。
かなり人気らしいので泊まれるか不安だったりします。
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>(まめ)たぬき様 (giants-55)
2014-11-24 21:48:30
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

「資産的に余裕が在るので在れば、株式は損をしない。」なんて言いますよね。「株式は値下がりしても、持ち続けていれば、何れは元値に戻ったり、高くなったりする可能性が在り、売らなくて済む“体力”が在るのならば、損はしない。」という理屈なのですが、廃校の場合はそんな訳にはいかない。維持には金が掛かり続ける訳で、然りとて取り壊すのも又、金が掛かる。

唯、子供の数が地域によって偏りが出る以上、廃校を取り壊した後、再び学校の需要が出て来る可能性も在る訳で、安易に取り壊してしまうのは勿体無いなあと思ったりもします。

廃校を利用した宿泊施設、TV番組で何度か取り上げられていましたが、泊まってみたい気はします。「学校」というのは良くも悪くも、深い思い入れを持つ人は少なく無いと思うので、そういう点を考慮したユニークな施設として活用すれば、結構需要が在りそう。
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