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「血液型と性格『関連無し。』・・・日米1万人超を調査」(7月19日、読売新聞)
「血液型と性格の関連性に、科学的根拠は無い。」とする統計学的な解析結果を、九州大の縄田健悟講師(社会心理学)が発表した。
日米の1万人以上を対象にした意識調査のデータを分析した。「A型の人は真面目。」、「B型は自己中心的。」といった血液型による性格診断は、国内で広く信じられているが、就職や人事等で差別される「ブラッドタイプ(血液型)・ハラスメント」の問題も指摘されており、一石を投じそうだ。
研究成果は、6月25日に発行された日本心理学会の機関誌「心理学研究」に掲載された。
縄田講師によると、血液型と性格を結び付ける考え方は国内では流布しているが、海外では殆ど知られていない。1970年代に出版された関連本が切っ掛けで、其の後もテレヴィ番組等で紹介された事で広がったと言う。
縄田講師は、経済学分野の研究チームが、2004~2005年に日米の1万人以上を対象に、生活上の様々な好き嫌い等を尋ねた意識調査に、回答者の血液型が記載されている事に注目。血液型によって、回答に違いが在るかどうかを解析した。
其の結果、「楽しみは、後に取っておきたい。」、「ギャンブルは、すべきでは無い。」等、計68項目の質問に対する回答の内、血液型によって差が在ったのは「子供の将来が、気に掛かる。」等の3項目だけで、其の差も極僅かだった。此の為、「無関連で在る事を、強く示した。」と結論付けた。
血液型を巡っては、特定の血液型の人格が否定的に捉えられる例が在り、問題視されている。厚生労働省によると、採用面接等で血液型を尋ねられるケースは跡を絶たず、同省は「血液型は、職務能力や適性とは全く関係無い。」として、血液型を質問しない様、企業に求めている。大阪労働局によると、採用試験の応募用紙に血液型等の記入欄を設けていた企業に対し、是正する様、行政指導した例が在ると言う。
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3ヶ月前の記事「O型は有利!?」でも記した様に、自分は「血液型と性格の関連性」は、全く信じていない。(新入社員の頃、指導係の先輩からいびり倒された際、其の先輩の血液型が「B型」だった事から、「B型の人間とは合わないのかなあ。」とちらっと思ったりしたが、滅茶苦茶可愛がってくれた別の先輩も同じ「B型」だったので、「矢張り、血液型と性格は無関係なのだな。」と改めて感じた物。)だから、今回の解析結果には、「矢張りなあ。」という思いが。
何年前か忘れたが、或る企業で「血液型によって、配属先を決めている。」事が明らかになり、社会問題化した。何でも、其処の社長が「血液型による性格診断」の熱烈な信奉者で、人事部に「血液型による配属先の決定」を厳命していたとか。
意に沿わない部署に配属されるのは辛い事だが、能力的な面で其の配属が決められたのならば、未だ諦めが付く。でも、自身では如何ともし難い「血液型」だけで配属が決められていたとしたら、泣くに泣けないだろう。
海外では殆ど知られていないという「血液型と性格を結び付ける考え方」が、我が国では未だに幅を利かせているというのは、実に恥ずかしい事だ。