当ブログを立ち上げてから、今年の7月17日で20年目に突入。書いた記事も今回で6,843件となるが、記憶力が確実に落ちて来ている事から、記事を書く上で「以前に同じ様な内容を、書いた様な気が・・・。」と思ったりする事も結構在ったりする。今回の内容も、大昔に書いた様な気もするが、そうで在ったならば「おっさんだから、仕方無いなあ。」と許して貰いたい。
自分が初めて海外旅行をしたのは、社会人になってからだった。もう30年以上も前になるが、実は航空機に搭乗する事自体も初めてという状況。何しろ母子家庭だったので、航空機に搭乗するなんて余裕は全く無かったし、自分で御金を稼げる様になった事から、「航空機に搭乗、其れも海外旅行で。」と相成った訳だ。
当時、仕事面で悩みを抱えていた事も在り、「全くの異文化に身を置いて、リフレッシュしたい。」という思いから、渡航先にエジプトとギリシャを選んだ。「海外旅行初体験→渡航先はハワイ辺り。」というのが定番だった時代故、結構思い切った決断だったと思う。繁忙期にしか行けなかったので、若い身には結構な出費で在った。
結論から言えば、此の時の旅は自分にとって、非常に有益な物だった。高額な出費では在ったが、金銭には代えられない貴重な経験が出来たから。一番感じたのは、「世界って広いなあ。」という事。文字で書くと馬鹿っぽいが、単純に“空間の広さ”だけでは無く、「世の中って、こんなにも多様なんだ。」という広さをを感じたのだ。「目から鱗が落ちる。」とは、正に此の時の事。以降、或る程度の年齢になる迄、長期休暇の度に海外に行っていたっけ。
で、初めての海外旅行だったエジプトとギリシャ。確か2日目の事だったと思うが、エジプトでピラミッドやスフィンクス等を目の当たりにして、気分が高揚していた夜の事。添乗員さんから「夜は、外に出歩かないで下さい。」と強く注意されていたが、どうしても外出したくて、ホテルを出てタクシーに乗った。拙い
英語で運転手に「エジプト土産を買いたいので、近くで良い店はないか?」と尋ねた所、「良い店が在るよ。」と連れて行ってくれたのが、ホテルから10分程の店だった。
賑やかさの無い場所、其れも半地下に在る小さな店。「大丈夫かなあ?」という思いが頭を過るも、「ホテルから出るタクシーだから、変な所には連れて行かないだろう。」と理由にもならない理由で、店の中に入る事に。
何しろ初めての海外旅行、其れも航空機に搭乗するのも初めてという事で、旅立つ前には海外旅行関連の本を読み漁り、自分形に様々なシミュレーションをした。航空機搭の手順から始まり、「海外では、どう行動すべきか?」等々、考えられる事態を目一杯頭に叩き込んだのだ。今考えれば「其処迄する事は無かったな。」と笑ってしまうのだが、「一滴垂らす事で、現地の水を綺麗にするグッズ。」なんていうのも購入して持参したっけ。
で、店の話に戻るが、そんなにも用心して臨んだ初海外旅行だったのに、夜(18時以降だったか)に単独で遠出するなんて事をしたのは、若気の至り以外の何物でも無かった。店のドアを開けると、少し暗めの店内にはプロレスラーの如きごっつい現地人のおっさんが数人。皆笑顔を浮かべて歓迎してくれたけれど、自分が入ると直ぐ、後ろのドアの鍵が掛けられてしまった。此の瞬間、「嗚呼、もう終わった。」と覚悟。
結果的には何も危ない事は無く、無事土産を購入し、ホテルに“帰還”。笑い話になってしまうが、翌日の昼間、添乗員さんに連れていかれたのが其の店だったのだから、危ない店では全く無かったのだ。でも、店内に足を踏み入れ、「嗚呼、もう終わった。」と覚悟した時の事は、今でもはっきり覚えている。